民主党圧勝、政権交代へ…どこかおかしくないですか?
ええ、ワタクシは昨日の選挙には行きませんでした。山中湖で音楽を聴いておりました。実を言うと、ワタクシは国政選挙に一度も行ったことがありません。それがワタクシの政治的信条であり、政治的良心であります。もちろん、行くべきだ、投票したいと思ったら行くつもりです。今までそういう選挙がなかっただけです。特に今回は最初から気持ちが萎えていました。
昨日、今日はテレビをつければ、どこもかしこも「民主圧勝、政権交代へ」。ほとんど夏の終わりのお祭りのようでした。
政権交代で思い出すのは、平成5年から平成8年にかけての非自民政権です。細川内閣、羽田内閣、村山内閣。あの時と今回とでは、あまりに状況が違いますね。あの時は絶対多数な政党はなく、ある意味でバランスのとれた政権交代でした。
ですから、ドラスティックに何かが変るという雰囲気はありませんでしたね。55年体制が崩れて、戦後初めて自民党が野党になったという意味では大いに盛り上がりましたけれど、国民は政策の大きな変化を期待したり、あるいは予感したりはしませんでした。
結果として短期間で非自民、非共産政権は自然解体し、再び自民党内閣に戻っていったという感じがします。自民党のみそぎ期間だったとも言えますね。私もそういう気持ちで見ていました。汚職など、積もり積もった垢を落とすための時間を、国民が与えた…いや、天が与えたという感じでしょうか。
その証拠と言ってはなんですが、特に村山さんの時は、様々な天変地異や事件事故に見舞われましたね。阪神淡路大震災、オウムの一連の事件、ハイジャック…。私の趣味的に言いますと(笑)、テレサ・テンさんが亡くなり、新日本プロレスとUWFインターとの対抗戦がありました。
さすがに異常ですよね。そうした人間の無力さや愚かさを露呈するようなことが多発する中で、我々は政治が「まつりごと」であることを無意識のうちに思い出していったのです。そして、日本的、懐柔的、談合的祭祀の伝統を継ぐ自民党へと、政権が自然に戻っていきました。
それに比べると、今回はあまりに急速に過激に政権が交代する感じがします。私はそれに恐ろしさを感じます。民主党が単独で300議席以上を獲得したということ、それをやれ圧勝だ、政権交代だと騒ぐことに違和感を抱きます。そんな分かり切ったことよりも、そのあまりに極端な選挙結果を生んだ、日本国民の「集団気分」を憂慮すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
もともと日本人はそういう「風」に流されやすい民族ではありますが、さすがに今回はひどいでしょう。目先のカネに目がくらんだ愚民が暴動を起したようにしか、私には思えません。誰がいったい、自己の責任に基づいて「決断」したのでしょう。選挙は怒りの表現ではないはずです。感情や、それ以前の「気分」で投票していいものでしょうか。
もちろん、民主党に投票したみんながそうだと言っているわけではありません。ちゃんと冷静に考えた上の決断を下した方も多いでしょう。しかし、一連のマスコミの報道の仕方を見ていますと、どうもそうでない人も多いと感じます。マスコミの罪は大きいですよ。
つまり、自民党がどうだとか、民主党がどうだとか、そんなフィクションの部分はどうでもいいんです。顔ぶれを見れば大差ないのは、実はみんな知っていることですから。
そうじゃなくて、リアルな国民の愚かさの方が、ずっとずっと心配です。
こんなことは安易に言いたくありませんが、そういう事実に気づかないと、また神様がとんでもないこと起こしますよ。今の私は、心から天変地異や人間の愚かさが生む事件・事故がないことを願っています。
まあ、現実的に考えても、まずはインフルエンザです。教育界も大変なことになるでしょうし、日米関係も面倒なことになるでしょう。
数年後、あるいは数ヶ月後、反省をするのではなく、逆ギレしている国民の姿が目に浮かぶようです。ああ、いやだなあ…。
禊ぎをしたところで、もう今の自民党には祭祀の力はありません。力が分裂してしまっているからです。公明党については言わずもがな。
とりあえず大連立じゃなかったのかなあ。もう遅いのですが…。
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