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2009.08.23

『両国ピーターパン〜大人になんてなれないよ〜』 (DDTプロレスリング)

20090823072_3 のプロレスにも「夢」があった!!
 本当は会場に行きたかったのですが、昼間お仕事が入っていたので、夜中にテレビのニアライブを観ました。いやあ、素晴らしい大会だったと思いますよ。
 最近のプロレスには「夢」がない…みんなが言うことです。ここ10年ほどの間に、我々が失ってしまった「夢」。総合格闘技の隆盛や暴露本に奪われてしまった「夢」。
 もちろん「プロレスラーこそ最強」という夢もありました。しかし、それ以上に、私が常に重視している「モノ」的世界の夢…この世のものとは思えない、とても説明できない、自分には絶対にできない、そして、あれは、あの試合はなんだったのだろうというような謎としての夢。「夢」、それは想像力をたくましくしてくれるものです。そして、その想像力こそが未来への生きる意欲につながっていくのです。人間は謎の解きたいと思う生き物ですし、次はどうなるのだろうと、未来を待望しないと今を生きられない存在なのです。
 そういう意味で、私は「プロレス的世界」を復興させたいと、常々考えています。単純な「勝ち負け」だけの世界、デジタル的な、答えが一つだけの世界には、もううんざりです。
 その点、このインディー団体が成し遂げた両国国技館大会が示したものは、実に意味のあるものでした。まだ「夢」は死んでいなかった!我々の夢想力は息絶えていなかった!
 タイトルがいいじゃないですか。「ピーターパン〜大人になってなれないよ〜」。そう、子どもの時の、あのプロレスに対する「夢」をそのまま持ち続け、そしてプロレスごっこから始まって、今実際にプロレスラーになってしまった「大人になれない大人たち」による、「夢」の実現。素晴らしいじゃないですか。
 そして、その「夢」のために9000人近い人が両国に集まった。素晴らしいことじゃないですか。まだ、プロレスは死んでいませんでした。
 もちろん、DDTのプロレスを本当のプロレスではないと言うこともできます。そう言うのは簡単です。なにしろ自称「文化系プロレス」ですから。しっかりした脚本と演出によって作られるプロレスです。ある意味アメリカンなプロレスですね。
 高木三四郎社長は言います。プロレスは「最強」ではなく「最高」を目指すべきであると。「強さ」だけが「最高」ではない。お客さんが興奮し、楽しみ、盛り上がるのであれば、プロとしてなんでもすると。
 私はその方法論についてとやかく言いたくないのです。プロレスにはたしかに「闘い」が必要です。しかし、その「闘い」とは、やはり最終的には自分との闘いであるべきだと思うんです。すなわち、自分の「夢」との闘い。プロレスラーになりたいという「夢」、あいつに勝ちたいという「夢」、あのレスラーと同じリングに立ちたいという「夢」、両国を満員にしたいという「夢」、そういう一見無理な、あるいは世間からは笑われてしまうような「夢」を実現することこそ、自分との「闘い」そのものだと思います。
 それを今回見事に実現した、高木三四郎社長をはじめとする、DDTのレスラーの皆さんは、本当に立派ですし、その姿には正直感動しました。まさに、子どもが寝食忘れて遊んでいるような、そんな純粋なひたむきさが皆さんにはありました。
 もう、一つ一つの試合の内容について、どうこう論評する気にもなれません。とにかく、素晴らしい「プロレス的空間・時間」をありがとう!と言いたい。ああ、現場にいたかったなあ。この歴史的瞬間を共有したかったなあ。悔やまれます。
 特に感動したのは、やはりメインでしょうか。私の大好きな飯伏幸太選手が、HARASHIMA選手からKO−D無差別級王座を奪取し、初めて同王者になりました。純粋すぎるほどのプロレス馬鹿である飯伏選手。幼少期からのプロレスごっこが高じ、ついにチャンピオンになりました。

 最後の新技がすごかった。新型のスープレックス・ホールド(フェニックス・スープレックス・ホールド?)。私も子どもの時、プロレスごっこをしながら、勝手に新必殺技を考え、勝手に名前までつけてやっていたのを思い出しました。なんだこりゃあ〜!?という気持ちに、久しぶりになりましたよ。まさに「夢」が実現してしまった技でした。
 決して危険なだけの技ではなかったと思います。筋肉マンの世界に出てきそうな、実に「夢」のある技であったと思います。これはまさに、少年飯伏幸太の「夢」と「想像力」と「創造力」が生んだ、「プロレス的新技」であったと思います。
 私も思わず子どもの頃に還ってしまったような気がしました。これぞ、忘れかけていたプロレス的感動です。本当に素晴らしかった。
 ピーターパンたちの「夢」は止まりません。来年も両国国技館大会を行なうということが発表されました。素晴らしいことです。
 そして、私たちはそれより先に、来月の6日に「第2回キャンプ場プロレス」で彼らに会うことができます。本当に楽しみです。そして、彼らに心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。

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