『第41回 思い出のメロディー』 (NHK)
いやあ、昨年の「思い出のメロディー」はすごかったなあ。今年は、昨年の反省に基づき、かなり現世的でありました。昨年のような戦慄はほとんどなく、本来の明るい歌番組に戻っていました。
ホント去年はどうしちゃったんでしょうね。第40回という記念すべき年だからってあの荒技はねえ。
今年のテーマは、「歌で笑い 歌で泣いた 時代を映した名曲たち」だそうです。今年の年末の紅白歌合戦が60回を迎えるとういことで、第1回紅白を復元するという試みも。
小林幸子が渡辺はま子さんの「桑港(シスコ)のチャイナ街(タウン)」を、ジェロが近江俊郎さんの「湯の町エレジー」を、氷川きよしが藤山一郎さんの「長崎の鐘」をそれぞれ歌いました。これら3曲とも難しい曲ですねえ。当時の庶民はみんな口ずさんだとは思いますが、とても歌いこなせなかったでしょうね。カラオケ文化なんてありませんから、もちろんそれでいいのですが。プロのすごさを感じさせる曲たちでしたね。正直、ジェロと氷川きよしは全然歌いこなせてなかったっす(笑)。
第1回に実際に出演したという菅原都々子さんご本人による「憧れの住む町」、これは違う意味で歌いこなせてなかったけれども、こちらはもう音程とかリズムとか、そういうのを超えた次元での歌だったので、心を打つものがありましたね。どちらかというと、去年の感じに近かった。
その他の曲目はこちらをご覧下さい。なかなか魅力的ですよね。紅白にちなんだ曲では、当時の映像も挿入されたりしまして、人間の経年変化というものを実感するいい機会になりました。まあ、私もかなり劣化してますが。
面白いものですね、人間って、自分の経年変化よりも、他人の経年変化の方に敏感なんですよね。
今回は全体として「うまい!」と思わせる歌手が多かったと思いますが、一人だけどうもいかん!というのがいました(笑)。ご本人には申し訳ないのですが、ホント最悪でした。
その人は…秋川雅史さんです。歌った曲がまずかったかなあ。美空ひばりさんの「津軽のふるさと」ですよ。歌わせたのは誰でしょうか。よりによって「津軽のふるさと」はきついでしょう。全然違う曲になってしまったどころか、ものすごい違和感しか残りませんでしたね。クラシックの唱法と、あの曲に必要な唱法とは、あまりにかけ離れています。いや、宴会芸ならいいんですよ。大ウケでしょう。
後半は「横浜開港150年」にちなんで横浜ソングのメドレー。「赤い靴」を聴きながら、娘たちが「怖い、怖い」って言ってました。たしかに怖い歌ですよね。あれは実話に基づいたものだと言われていますが、異論もあるようです。司会の伊東四郎さんも「切なすぎる」と言ってらっしゃいました。だから、ご自身で勝手に日本に帰ってくるストーリーを作ったと。そうですねえ、わかります。
さて、今回全体を通して感じたことを最後に。
歌謡曲のいわゆる名曲たちの特徴は、最初の8小節にあるということです。もう、Aメロの最初の部分で心をつかんじゃうんですよね。サビもいいのですが、やはり歌い出しの魅力が一番ですね。この先も聞きたい、歌いたいと思わせる冒頭部なんです。昭和の名作曲家たちは、まずそこに力を注いだようですね。まあ、もう少し言ってしまうと、イントロもみんなすごいんですけどね。それは編曲家の力でしょうか。いや、イントロも作曲家が作っていた例が多いんですよね。
何度も言いますが、とにかく昭和の歌謡曲はすごい。私も自分のバンドを通じて、この世界に誇るべき文化を現代に紹介、継承していきたいと思います。
究極的には…東京放送管弦楽団に入りたいなあ…笑。
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