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2009.07.23

『青春鉄道』 青春 (メディアファクトリー)

84012579 女子生徒が貸してくれました。これはなかなか面白い。
 鉄道擬人化マンガ。トーマスのような車両の擬人化ではありません。各鉄道のキャラクター(特性・個性)のキャラ化です。
 うん、これぞ日本文化の醍醐味でしょう。日本の伝統文化における擬人化は、これはもう神話時代にまで遡りますから、今日はそのあたりの解説は割愛します。いずれじっくり語りましょう(てか、じっくり語ったら、立派な学術論文になっちゃいますよ、膨大な量のね)。
 世界標準ですと、こうした擬人化は子供っぽいと評されがちです。しかし、考えようによっては、非常にメタなレベルでの思考作業です。私の「モノ・コト論」的に申しますと、外界のモノを脳内で処理してコト化するのが単純な「リアリズム」のあり方です。西洋科学はその最たるものですね。それに対し、外界のモノを処理してコト化したところから、さらに別のモノを作り出す、それをまた誰かが別のモノに展開していく、いわばそういう「モノガタリ」こそが、日本的なリアリズムなんですよね。
 ま、それは簡単に言っちゃえば、単に妄想好きっていうことなんですけどね(笑)。妄想世界が現実世界より楽しいんですよ。今まで、私はオタクは「コト」に執着すると言ってきたんですけど、実はもう少し上の次元での出来事のようですね。
 で、こういう「物語」指向というのは、ある意味とってもエコなんですよね。エコノミーですし、結果としてエコロジーなんです。一般的な経済の世界、つまり西洋経済学的な世界観では、いかに新しい物を生産し消費するかが勝負です。それはワタクシ流に言いますと、外界のモノを自己のコトにする行為にほかならず、モノの再生産ではなくてモノを殺していく行為です。
 その点、物語世界は、いわば無限の命の再生産です。死なないから何度でも楽しめます。自己更新性があるから、どんどん成長、増殖していきます。結果カネがかからない。
 また、こういう物語は現実世界でも役立ちます。たとえば、このマンガのように電車を擬人化すると、電車が遅延しようが、混雑しようが、それを自分の中で消化(昇華)できるようになるわけですよ。苦痛が楽しみに変わってしまうわけですから、これはもう素晴らしい知恵と言えるでしょう。
 私は首都圏に住んでいませんから、ここに登場する鉄道キャラたちの、そのキャラクターはあまりよく分かりません。でも、大昔いちおう鉄道マニアだったので、それぞれの鉄道にキャラがあることはよく分かります。ですから、なんとなく妄想しながらニヤニヤ楽しみましたよ。今度東京に行って電車に乗った時、どういう気持ちになるか、今から楽しみです。
 YouTubeにあるこのマンガのPVを貼っておきますので、ぜひご覧下さい。どういう物語世界か、よく分かると思います。
 

 東京の路線でも、このマンガに登場しないものがまだまだあります。私が昔よく乗ってたあの電車はどういう人間として描かれるかな…。また、他の地方の鉄道なんかもどう擬人化がされるだろうかと興味がわきます。そういう意味では、東京に住み、電車で通勤通学している人しか楽しめないマンガとも言えますが。
 私のお世話になっている富士急行線なんかどういう男なんだろう。かなりキャラ濃いっすよ。そういう物語も無限に派生していくわけです。面白いですね。どうでもいいこと言えばどうでもいいことですし、大の大人が何を妄想してニヤニヤしてるんだ、ということにもなりかねません。でも、それが平和で楽しいんですよね。日本はホントいい国です。
 このマンガでは、新幹線の方が在来線よりいばってますけど、そこんとこにはちょっと違和感を持ちました。ま、現実の収益からすればそうでしょうけど、物語世界ではどうなんでしょうね。
 あと、なんで全部男性なのだろうか、ということ。なんか女っぽいのもいますけど、あれはオカマキャラなんでしょ?違うかな。女性がいてもいいと思ったんですけど、これ(東武東上線と西武池袋線は幼馴染でした)を見たら納得しちゃった。おそるべし腐女子の妄想力(笑)。さすがについていけない…。

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