富士山ナンバー
富士山に住んでいる(住所も鳴沢村字富士山)「富士山蘊恥庵庵主」として、ナンバーを「富士山」に替えるというのは、もうほとんど義務のようなものでしょう。その義務をようやく果たしました、半分だけ。
半分だけというのは、ウチの2台の車のうち1台を「富士山ナンバー」にしたということです。ちょうど私の車が車検になったので、ついでに替えてもらいました。なぜか子どもたちは「山梨」がいい!と言うので、たぶん、この義務遂行はしばらく半分のままになるでしょう。
ご覧のようにですね、正直デザイン的にはイマイチなんですよね。3文字ナンバーって、たとえば「名古屋」とか「宇都宮」とか「佐世保」とかありましたよね。それらってどうしても窮屈な感じになるじゃないですか。「つくば」とか「とちぎ」とか「いわき」とか平仮名ですと、窮屈感は減少しますが、しかし、これらはこれらでどうも…皆さん思うことは同じだと思いますよ(笑)。
そうそう、「尾張小牧」はどうか。これはですね、もう窮屈とかそういうのを通り越してまして、ある種の芸術性すら感じさせる無理矢理感がありますので、なんとなく許せるんですよね。憧れなんてものはありませんけど、しかし、路上で出会うたびに、うわぁすげえ!って思うんですよ。そのへんの感覚ってなんなんでしょうね。
で、「富士山」はどうかと言いますと、ま、こんな感じなんですよ。ううむ、デザイン的にはちょっとイマイチですねえ。「富山」ナンバーの真ん中に±(プラスマイナス)が挟まった感じ(笑)。
さて、この「富士山ナンバー」、ご存知のように、山梨と静岡両県にまたがる特殊なご当地ナンバーです。つくづくよく実現したなあと思います。富士山の世界文化遺産登録への流れもあるのでしょう。
富士山を取り巻く静岡と山梨、すなわち駿河と甲斐、表富士と裏富士は、昔から微妙な関係でした。私も以前駿河に住んでいたころ、「山梨」ナンバーを見ると、「山猿」が山から下りてきたとか言ってバカにしたものです。今では自分が見事な「山猿」なわけですが(笑)。
山梨は、よく言われるように、名前に反して山ばかりの海なし県ですので、よく「海行こう!」と言って、集団で静岡に行くことが多いんですよね。静岡の人たちは「山行こう!」と言って山梨には行きません。そのへんの一方的な感じ、非相互依存的な雰囲気が、どうも両県の間にはずっと横たわっていたようです。実際、山梨の人間は遠慮がなく、ずけずけと静岡に土足で入っていく雰囲気を持っています。これは住んでみてよく分かりました。甲州商人以来の伝統ですな。
で、今回の「富士山ナンバー」によって、我々山猿はその素性を隠すことができるようになりましたね。ちょっと得したような感じです(笑)。ますますずうずうしくなるかもしれませんが。
ま、駿河生まれの江戸育ち、現在甲斐在住のワタクシは、とにかくこのナンバーを引っさげて、全国を走りたいという気持ちにはかられますね。くだらない心理ですけど、やっぱりちょっと自慢なんでしょうか。他人はそんなにうらやましく感じないでしょうが。
自慢と言えば、以前は親の現住所を利用しまして品川ナンバーの軽自動車(笑)に乗ってた時期もありました。たしかに品川ナンバーは別格っていう感じがありました。それに対抗できる地方ナンバーは正直なかった。
でも、「富士山」は「品川」に対抗できると思いませんか。究極の裏技的に。だって、「富士山」って地名というより、山というオブジェの固有名詞ですから。私も英語で自分の住処を説明する時、「in」じゃなくて「on」使いますからね。
と、ホントどうでもいいことなんでしょうけど、人はみんなそれぞれの思い入れとかプライドとかを背負って全国を行脚するわけですよね。これがどういう文化的現象なのか、心理的現象なのか、もう少し考察してみたくなります。なんとなく戦国時代あたりまで、そのルーツを遡れそうな気がします。いや、万葉集の頃かも。
いずれにせよ、私はこれからこの固有名詞を背負っていろんなところに出没いたします。よろしくお願いします。
ああ、そうそう、ナンバー(番号)は自分の希望のものを取れるのですが、今回は「馬場・鶴田・三沢」という偉大なる故人にちなんだ数字にいたしました。
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