『とてつもない日本』 麻生太郎 (新潮新書)
これまた遅ればせながら読んでみました。なかなかいい本じゃないですか。私はこういうノリ好きですよ。
日本人って自虐が好きですし、変に心配性なところがありますよね。それをひっくり返して、ものごとを明るくとらえなおすきっかけを与えるのが、すなわち政治家のお仕事であると思います。そういう気分を醸成するのが、総理大臣のやるべきことではなかったのか。
では、現在麻生さんのお仕事がうまく回っているかと言いますと、あんまりそういうふうには思えません。それは麻生さんを取り巻くマスコミや野党のせいでしょう。特にマスコミでしょうかね。もう少し彼のキャラを活かす方向での報道をお願いしたいところですね。
細かな内容については特に述べることがありません。麻生さんの語ることほとんど全てに私は賛同します。少なくとも安倍さんの「美しい国へ」よりは学ぶ点が多かったように思いますよ。そうそう、その記事で書いた「楽しい国へ」という雰囲気が、麻生さんの本にはありましたね。
具体的な政策なんかほとんど書かれていませんけど、やっぱりそれ以前に国民の気分づくりというのが大切ですからね、こういうわかりやすい、小学生でも読めるような本を書くというのはいいことでしょう。そうそう、中学生とかの課題図書にでもすればいいんじゃないですか。
さて、なんともどうでもいい感想を書いてしまいましたが、内容については諸事情からこのくらいにしておきまして、さらにどうでもいいことを書きます。
えっと、まずは、「とてつもない日本」というタイトルについてです。皆さん、「とてつもない」って、どういう意味だと思いますか?
辞書的に言いますと、「すじみちに合わない。全く道理に合わない。とんでもない。また、きわめて図抜けている。途方もない。とてつない。とてっぽうもない」ということになります。
「とてつ」というのは「途轍」と書きまして、「すじみち。途方。道理」という意味です。それがないわけですから、基本的には悪い意味なんですよね、「とてつもない」って。
ですから、ちょっとこのタイトル、違和感を催しますよね。それから、「とてつもない」は、一般的には固有名詞を修飾しません。「とてつもない力」「とてつもない国」なら自然なんですけど、「とてつもない日本」とか「とてつもない麻生」だと、なんか変な感じがしますよね。
「日本はとてつもない力を持った国だ」という文章をタイトル化するなら、「とてつもない国、日本」とすべきでしょう。
それから、こんなことにツッコミを入れるのもどうかと思いますけど、なんで26ページの最後の3行と、27ページの1行目、計4行だけが、「です・ます体」なんでしょうね。全編の中で、ここだけ、妙にていねいな言葉遣いになってるんです。何か意図があったのか、それとも単なる間違いなのか、それにしても編集でなぜ訂正されなかったのか。さぱ〜り分かりません。それこそ「途轍もない」感じがします。
ま、麻生さんの漢字の誤読について、こんな記事を書いているワタクシのことですから、いずれその「丁寧体」の意味も見つけ出すかもしれませんね(笑)。
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