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2009.06.11

『力道山』 ソン・ヘソン監督作品

2009061100000000spnavifightthum000 !船木、純プロレス復帰!
 昨日の武藤祭で、8月30日両国国技館大会において、<武藤敬司デビュー25周年記念スペシャルタッグマッチ>として、武藤敬司、船木誠勝 VS 蝶野正洋、鈴木みのるという超弩級ドリームマッチが行われることが発表されました。我々プロレスファンとしては、なんとも感慨深い取組です。
 いやあ、それにしても、やっと帰ってきましたね、船木。ずいぶん遠回りしました。おかえりなさい。
 船木みたいな花のある選手がプロレスから消えていったのが、プロレス凋落の最大の原因でした。いわば「花」のある能役者が、戦国時代、何を勘違いしたか無粋な戦場に憧れてしまって、そうして自らの花と芸術の花を散らしてしまったようなものでした。
 どうも、戦国の世もそろそろ終わりそうな気配なので、ようやく本来の居場所に戻ってくるということなんでしょうね。形は違えど高田延彦もプロレス側に戻ってきているし、佐山サトルも同様。やっと太平の世になりますな。めでたし、めでたし。
 田村潔司と桜庭和志はいいんですよ。彼らには「花」がないんで(笑)。彼らは野武士として、いや武将として名を残した方がいい。結局、自分の素質と適性を把握して居場所を決められる人間が勝ちっていうことですかね。
51qs0mx2knl_sl500_aa240_ さて、そんな船木選手の純プロレス復帰を祝って、今日はこの作品を紹介しましょう。
 そうなんですよ、実は5年ほど前に、この作品において、なななんと武藤選手と船木選手は共演しているんですよ。また、船木選手はこの作品でしっかりプロレスの試合をしているんです。意外に知られていないんじゃないでしょうか。
 この韓国映画、私大好きなんです。本当にいろいろな意味で感動してしまったんですよ。プロレスファンのみならず、多くの人に観てもらいたい映画です。
 韓国映画でありながら、全編ほとんど日本語で展開しますし、ロケも大半が日本。主役の力道山を演じる韓国スター、ソル・ギョングが素晴らしい演技を見せてくれます。プロレスも全く知らず、日本語も全くできなかった彼が、短期間でここまでその両方をマスターするとは。もちろん、両方とも完璧にはほど遠いのですが、なんかその熱意と努力によって、汚点が完全にカバーされてしまっています。ある意味天才の仕事ぶりですよ。それだけでも観る価値ありです。
 日本側の役者陣もすごい。重要な役回りの中谷美紀, 萩原聖人, 藤竜也は、あいかわらずお見事。彼らの完璧な演技が、どういうわけかソル・ギョングの未完成さを救っているんですよね。不思議なアンサンブルです。
 そして、なんと言ってもプロレスファンとしてたまらないのは、実際のプロレスラーが大挙出演しているということです。ご覧ください。

秋山準(遠藤幸吉) 
モハメド・ヨネ(豊登)
武藤敬司(ハロルド坂田)
船木誠勝(木村政彦)
橋本真也(東富士)
マイク・バートン(ベン・シャープ)
ジム・スティール(マイク・シャープ)
リック・スタイナー(ミスター・アトミック)
トレバー・ローデス、橋誠、潮崎豪、その他ルチャの選手

 考えてみるとすごい顔合わせですよね。実に貴重な映像満載です。
 彼らはあの当時のプロレスを再現しているのかと言えば、全然そうではなく、現代の技をどんどん繰り出しています(ラリアットとか)。それでも、そんなに不自然に感じないし、逆にいろいろな歴史を感じさせる演出にすらなっているような気がします。
 でも、たとえばその技に関する部分にしても、ある意味時代考証が全くなってないとも言えるわけで、その他のディテールや、もちろん力道山の人間像も含めて、「なんだこりゃ!?」と非難の目で観る方もたくさんいらっしゃると思います。まあ、それはそれで結構です。私は「物語」好きなので、これはこれで全く抵抗がないんですが。
 さて、この映画での船木ですけれど、なにしろあの木村政彦(劇中では井村)を演じているんですから、これは実に重要な役です。そして、それを見事に演じ切っています。あのやられっぷり、轟沈ぶりは、ある意味ヒクソン・グレイシー戦の経験が生きていますね(笑)。花があります。散り際の美しさ。
 そしてですね、ちょっと、いや、かなり切ないのは、橋本真也選手の雄姿です。この映画の撮影が終わって間もなく、彼は突然亡くなってしまったのですから。この作品は彼の遺作です。まさか、力道山や東富士があの世から呼んだんじゃないでしょうね。
 それからもう一つ。これは個人的な思い入れですが、ロケ地の一つが、富士吉田市の西裏にある新世界通りなんです。私の勤める学校のすぐ近くです。ここは昭和がフリーズドライで保存されているとんでもない地区なんです。
 富士吉田市は武藤選手の故郷ですし、武藤家はウチの学校の母体になっているお寺の檀家さんです。何度かお寺でお見かけしました。
 なんとなく、プロレスに縁がある土地なんですよね。昔はよく興行もありましたし。
 私も、地方でのプロレス復興を目指して、今いろいろと計画中です。私を育ててくれたプロレスに何か恩返ししたいと思う今日この頃であります。
 とにかく船木選手頑張ってください!もうひと花咲かせましょう!武藤さん、名プロデュースに期待します!

Amazon 力道山

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