『新・刑事コロンボ 「かみさんよ、安らかに」』 (NHK BS-hi)
REST IN PEACE, MRS. COLUMBO
土曜日の夜は家族でコロンボを鑑賞するのが恒例。今日は観る四人が四様で面白かったなあ。一番集中し、心配し、感動し、興奮していたのはウチの(我が家の)かみさん。続いて上の娘。下の娘はなぜか今回は集中せず、別のことをしながらチラ見していました。怖かったのかな。私は途中展開が読めてしまったので、なるべくそう思わないようにするのに一生懸命でした。
それにしてもウチの(我が家の)かみさんの興奮のしかたは尋常ではない。ストーリーに入り込むのはもちろん、とにかくコロンボが「かっこいい」「かわいい」「ステキ」だと言い続けている…笑。
ウチのかみさんがコロンボに惚れる理由はこちらに書きました。「モサっとしていのに猛者」というギャップ萌えですね。それから、キャッチ・アズ・キャッチ・キャン的、プロレスリング的、マタギ的手法でしょうか。まあ、わからないでもない。
そういう意味でも今回の「かみさんよ、安らかに」はちょっと異色作でしたね。脚本や演出の細部に多少不満がないでもありませんが、それでも充分に楽しめる作品でした。旧シリーズに比べ、新シリーズはいろいろとパターン崩しをしていまして、それが功を奏している場合とそうでない場合とがあります。今作は、かなり思い切ったことをやった分、刺激の強さという意味では成功例になったと言っていいでしょう。
いきなり、「ウチのかみさん」の葬儀のシーンから始まります。昔コロンボが逮捕し、獄中死したある男の妻が逆恨みをし、コロンボに配偶者を失う悲しみを与えた上で、コロンボ本人をも殺そうとするという、かなり過激なシナリオです。タイトルや冒頭のシーンからして、コロンボに欠かせない「ウチのかみさん」が本当に死んでしまったと思ってしまいますよね。
そして、最後のシーンでは、コロンボも死にかけます。子どもたち(&我が家のかみさん)は本気で泣きそうになってました。私は内心ほくそ笑んでましたが。
私としては、そうした意外な展開よりも、名女優ヘレン・シェイヴァー演ずる犯人のヴィヴィアン・ディミトリーの病的な殺意に恐怖を覚えましたね。実際脚本上、彼女はある種の精神疾患ということになっていました。まあ、そうしないと、この異常なシナリオを構成できませんよね。
一般に女性の恨みは怖いと言われますが、実際には女性は上書き的思考が得意なので、案外悪いことはあっさり忘れる傾向があるものです。しかし、疾患などによってその上書き機能が正常に働かないと、このような継続的な復讐心や嫉妬心を生み出すことになります。古今東西にわたって物語化されてきた「生き霊」になって時空を超えてしまう女性や、死んでも死に切れない女の幽霊などは、皆そういう背景があるものと思われます。
今作でも、その点が強調されていたと思います。そこには、ある種の悲しみが感じられますね。成仏できない悲しみといいますかね。誰かが、医学的なこととは別のやり方で救ってあげないと、犯人自体が可哀想なんです。私にはそれがなんとも痛々しかった。
コロンボはその恨みのターゲットですし、刑事という仕事柄、そういう役割は果たせません。異常な犯罪に対しては、異常な捜査方法で臨むしかないわけです。ある意味非常に残酷なやり方で彼女をさらに不幸に追い込むしかなかったのです。魂の救いはそこにはありませんでした。
最後に、コロンボは思いっきり頬を張られます。強烈なビンタです。ガチでした。珍しいシーンではありますが、しかしまた、その癒されない、行き場のない魂を、ほんの少しでも昇華するためには、どうしても必要なシーンだったとも思います。私はあれで少し救われた気がしました。
なかなかの名作であったと思います。
Amazon 新・刑事コロンボ
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コメント
こんにちは、昨夜、途中から観ました。
しばらく観ているうちに、以前に観たことを思い出しました。
そのうちに気になり出したことが、『ミセス・コロンボ』です。
観たこと無いけれど、どんな内容だったんだろう。何作品かあったと思うのだけれど、と思いながら観ていました。
どんな作品かご存じですか?
投稿: kobayashi | 2009.05.10 21:02
kobayashiさん、どうもです。
そうそう、ミセス・コロンボありましたね。
私、2,3作観たことがあります。
なにしろ、コロンボが終わったあとだったので、
いろいろと物足りなさを感じた覚えがあります。
「ウチのカミさん」は姿が見えないから良かったのに、
いきなり主役に持ってきちゃ、いくら内容が良くてもダメですよね。
結局、不評すぎて、すぐ終わっちゃった、ある意味幻の作品のようです。
でも、なんか改めて観たくなってきました。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.05.12 06:00