『人體問答』 金子尚政 著 田中義兼 閲
前にリードルや婦人世界など、実に興味深い貴重な書籍を持ってきてくれた生徒が、新しい資料を提供してくれました。これもまた珍しい。
まずは奥付を見てみましょう。
明治10年の発行ですね。明治4年に文部省が設置され、欧米の教育法が導入され、5年に「学制」が制定。8年に満6歳から14歳の8年間を「学齢」とすることが決定しました。その直後の、師範学校のテキストですね。人体について、小学生にどのように教えればよいか書かれています。
ちょっと内容を紹介。「鼻」の部分です。3行目の軟骨の説明が面白いですね。牛肉の白いヤツってことですね(笑)。↓click!
実は、この本の面白いのは冒頭の口絵です。全部紹介します。天然色(カラー)です。まず最初の一枚。ステキなパンツはいてますね。
二枚目は後姿。江戸の浮世絵の伝統が感じられる描写です。髪形もステキですね。
五枚目は内臓図。内臓が全体に上にあるような…。それよりこの表情ステキ過ぎ。つぶらな瞳。
そして謎の六枚目。「闘力の図」って、プロレスだなこりゃ。どう見ても、バックを取ってジャーマン・スープレックスを仕掛けようとしているのに対し、足をフックしてこらえようとしていますね、こりゃ。かっこいいぞ。
ちなみに奥付にある發兌人の「内藤傳右衛門」は、今の山梨日日新聞の基礎を作った、甲府の書店温古堂の書籍商です。山梨ではちょっとした有名人ですね。
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