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2009.03.07

紅白いちご

13155 節柄、紅白幕をよく見ますね。卒業式、入学式、入社式などなど。
 なんで慶事が紅白なのか。皆さんご存知でしょうか。私の知る限りでは、次のような理由がまことしやかにささやかれております。
 まず、紅(赤)は赤子、赤ちゃんで、白は死を意味し、誕生と死で人生全体を示すという説。死じゃあ慶事じゃないじゃん!とツッコミを入れたくなります。ま、死もめでたいという考え方も古来ありますけどね。
 次に、日の丸のイメージのデフォルメという説。旭日ですね。白い空に朝日が昇るというめでたさ。
 そして、源平合戦、いや、順番からすると平家(紅組)源氏(白組)ですかね、敵同士が仲良く並ぶことで、平和をイメージするという説。紅白歌合戦なんかもそういう発想でしょうか。
 実際はどうなんでしょうか。私の勝手な想像では、以下のとおりです。
 古来、日本では「白」を特別視してきました。いわゆる白無垢という発想です。汚れていない純粋なまっさらな状態というイメージですね。ですから、平安時代にはすでに、出生や元服、婚礼や出家、そして葬儀にいたるまで、白を基調としたセレモニーが行われた記録があります。
 一方、中国ではどうだったかというと、慶事は赤(紅)、弔事は白です。昔も今もけっこう明確にそういう区別があると聞きました。ですから、中国では「紅白事」というと、婚礼と葬儀を表すそうです。
 おそらく、平安時代にそういった中国のイメージが輸入されてですね、日本古来のものと合体したんじゃないでしょうか。非常にシンプルな発想ですが、日本の「ハレ」を表す「白」と、中国の慶事を表す「赤」を同等に並列したのが、日本の「紅白」の端緒じゃないでしょうか。ま、私の勝手な想像ですけど。
 ついでに言っておきますと、なぜ「赤」という文字を使わず「紅」なのか。これは、中国における「赤」という漢字の意味に関連しています。赤には、「一切を失う」という悪いイメージもあるんです。赤貧とか、赤窮とか、赤裸とか、赤立とかいいますね。ですから、悪いイメージのない、単純にカラーを表す「紅」を用いるようになったらしい。
Ichigo_hatsukoinokaori_hikaku_c というわけで、紅白饅頭なんか慶事にはつきものですが、今日紹介するのは、ちょっと新しい感覚の紅白ものです。
 写真を見ておわかりの通り、これは紅白のいちごです。
 いちごと言えば、普通は赤(紅)と決まっています。実際、右に見える見慣れた色合いのいちごは「紅ほっぺ」です。紅ほっぺと言えば「うごのいちご」ちゃんってのもいましたね(笑)。
 で、左の見慣れない色白のいちごちゃんはいったい何者かといいますと、とっても素敵な名前ですよ。「初恋の香り」。色白ほっぺにちょっと赤みがさした感じ。いいじゃないですか。
 これは、山梨県にある三好アグリテックさんが開発した商品です。なんでも、今大人気で、小粒の白8粒・赤12粒のパックが6000円、大粒の赤9粒・白6粒が8000円と、かなり高価にもかかわらず、すぐに売り切れてしまうとのことです。
 結婚式なんかにぴったりですよね。いちごと言うと、やはりその甘酸っぱさから、純粋な「初恋」をイメージさせます。新郎新婦がそういう原点を思い出しつつ、新たな門出を迎えるために、この紅白いちごは一役買いそうですね。ま、そんな初々しい気持ちも、いずれ熟れ切ってどす黒くなるんですけど…なんて、無粋なことは言わないでおこう(笑)。

三好アグリテック株式会社

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コメント

前略 薀恥庵御亭主 様
昔の葬儀式では 喪服は「白い着物」で
あったそうです。
ですから・・・葬式幕も「白」ですね。
死に行く人も・・・  「白装束」ですね。
そういえば・・・
切腹の場面でも すべて「白色一色」。
それが・・・
「西洋文明」が入ってきて・・・
「タキシード」なんかの「黒白文化」
によって・・・喪服も 「白黒」
「葬式幕」も当然・・・「黒白」
になったそうです。笑 「鯨幕」の別称も
あるそうです。
時代の流れによって色彩にも変化があります。
愚僧もここ何週間か「時間」が持てました。
「時」の流れがゆったりして「しあわせ」でした。
えぇぇぇ・・・
二十年程前 知人の「難病」の情報収集
の為に始めた「パソコン通信」。
現在では「情報過多」で・・・
なにが役に立つのか愚僧さっぱり判りません。笑
その点・・・
「不二草子」様は最高であります。
無料でこんな「為になる素晴らしい情報」が
手に入るなんて汗夢量×感無量◎です。
「駄目になる愚想コメント」の幕もそろそろ
降ろす時がやってまいりました。笑
合唱おじさん        頓首百拝
 

投稿: 合唱おじさん | 2009.03.08 20:27

合唱おじさん様、おはようございます。
昔は葬式は真っ白でしたね。
個人的には私は白がいいと思うんですが。
昭和初期の秋田の写真集を見たら、お葬式真っ白でしたね。
神葬も仏葬も。
雪景色に溶け込んでとっても美しかったのを思い出しました。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.03.09 08:41

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