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2009.03.19

実家のヘンなモノ

 墓参りのために実家に帰ってきました。ウチの親父は私とは違った意味でかなりの変わり者です。ある意味対照的かもしれません。私はいい加減の権化のような人間ですが、父はある意味マジメすぎるんですね。堅い、頑固とも言えるし。自分のポリシーに妙にこだわるというか。
 それが、母にとってはかなりストレスになるようです。まあ何十年も毎日これに付き合わされてたら、そりゃ大変でしょうね。私やカミさんは、ちょっと距離を置いてみてるんで、その一挙手一投足が単なるギャグに見えるんですけどね。
 皆さんにとってはどうでもいいことかもしれませんが、今日はその片鱗を少しだけ紹介します(笑)。
P1000370 まず、軽いところから。おじいちゃん(私の父)が孫のために買っておいてくれたもの。アカデミー賞の短編アニメ賞を受賞した「つみきのいえ」の書籍版です。で、それがこういうことになっちゃうわけですね。父は買った本には必ずカバーをします。それがどんな本であれ。
 私は、もともと本についているカバーや帯なんか、必ずはずして読むタイプですので、このように何重にもカバーされている状態というのは信じられません。だいいち、絵本は表紙にもこだわりがありますから、それを眺めたりしたいじゃないですか。
 父にかかると、全ての本は、このように「丸善の意匠+親父オリジナルフォント」という装丁になってしまいます。娘たちも苦笑していました(笑)。
 父によると、このような作業をするのは、本が傷まないためだそうです。装丁がいつまでも新品の状態を保つようにとのこと。しかし、こうして最初から封印されていたら、いつまで経ってもその新品ぶりを味わえないじゃないですかね(笑)。なんか本末転倒というか…。
 そう指摘しましたら、父は、古本屋に売る時にこうしておいた方が高く売れるんだと言いました。孫にプレゼントした絵本をも、いずれは古本屋に売ろうと考えているのでしょうか(笑)。
P1000369 次もやはり「物を大切にする」あまり、変なことになってしまっている例です。
 今日、あるアーティストのニューアルバムをネット購入したんですね。それでパソコンでそれを聴こうと思って、父に「ヘッドフォン貸してくれ」と頼んだんです。そしたら、2階の自室からこんなものを持ってきてくれました。
 これはすごいですね。シュールなオブジェです。超芸術でしょう。本人にはもちろん、芸術なんていう意識はありません。ギャグという意識もありません。いたってマジメです。
 これはですねえ、説明した方がいいでしょうね。もともとは、ソニーの普通のヘッドフォンですよ。その耳パッドの部分のスポンジというかカバーが劣化して、ボロボロになっちゃったそうです。でも、音はちゃんと出るしもったいないので、自分で修繕というか改造しちゃったらしい。
 その結果がこれです。なんだか黄色い布が黄色いビニールテープによって固定されています。そのテープのバッテンの中央部分には、ちゃんとオリジナルフォントにて「L」「R」と書かれています。素晴らしいデザイン。
 この黄色い布はなんだ?と聞きましたら、「仏壇拭きだ!」と大まじめに答えます。たしかにこの質感は仏壇拭きっぽいぞ。おそるおそるこのシュールヘッドフォンを装着してみますと、おお、なんとも心地よい装着感。さすが仏壇拭き。最も大切なものをフキフキするにふさわしい柔らかさ。生きた人間の肌にもとことん優しい(笑)。そうほめたら、父はどうだ!と言わんばかりの笑顔になりました。
P1000349_2 もう一つ。これこそ私にしてみれば大ギャグなんですけど、今まで何十年もこれを見て笑ったことがないというのだから、オヤジはすごい。
 今年の元旦、遊びに来ていたウチの娘が発見して、私も初めて知ったんですけど、親父の部屋にある古い時計、このカレンダー機能が変なことになってたんですね。31日の次が「32日」になっちゃうんですよ。
 つまり、今年の元旦、娘は「2008年12月32日」を示す時計を発見したわけですね。おじいちゃんの部屋だけ年を越してなかったと。時間と空間が親父の屈折したエネルギーにより歪んでいるのですね(笑)。
 なお、時計の振り子の所にちらっと見える紙のようなものは、なんだかこの時計の修理方法とかがメモしてある大事な紙だそうです。
 あと親父は、買ったもの全てに買った日や価格などを書き込みます。電化製品は当然として、ティッシュや洗剤に至るまで、全てに記録をしています。箱なんかも全部とっておきますね。私と正反対です。私なんか保証書さえ捨てちゃいますからね。
 こんな感じで、ウチの親父はかなりのお変人…いやいや、立派な(?)お人なんですよ。まあ、今回の例に限らず、全ては物を大切にする気持ち、もったいないの精神から生まれた行動なので、決して悪いことではないですし、私ももしかしたら見習わなければならないのかもしれません。ある意味尊敬に値するのは確かです。でもなあ、私にはできないなあ…。

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コメント

蘊恥庵庵主さま、こんにちは。

ブックカバーにオリジナルフォントを施すなんてかわいらしいですねww
このカバー+タイトルの背表紙の本がびっしり並んだ棚を想像すると、、、ヽ(´▽`)/

投稿: ニキータ | 2009.03.20 11:00

前略 薀恥庵御亭主 様
御尊父様は・・・「偉人」です。
とても素晴らしい御父様です。
「32日」には勘当×感動◎しました。 笑
いやぁぁぁぁぁぁ・・・
この随筆も「傑作」のひとつです。
合唱おじさん 
悲願駐日事務× 彼岸中日寺務所より 拝

投稿: 合唱おじさん | 2009.03.20 12:26

ヘッドホンのイヤパッドって奴は、付着した汗や皮脂が酸化してボロボロになってしまいますね。外して洗えるような素材にしてくれればいいのですがね。

要するに、もの凄く共感してしまったわけですよ。(T_T)

投稿: LUKE | 2009.03.21 01:07

ニキータさん、合唱おじさん様、LUKEさん、
皆さんお忙しいところ、わざわざコメントをありがとうございます。
それも、ウチの頑固親父のために、温かいお言葉を…。
本人もご満悦の様子です(笑)。
ウチの父…
まあ、なんだかんだ言って愛すべき存在なのでありますが。
父と息子はだいたい反発しあうもののようでして、
私には絶対にマネできない生き方であります。
しかし、一部には似ているとの意見もあります。
こだわりの場所は違っても、ある意味私も頑固と言えば頑固ですしね。
これから年をとるに従って、この親父みたいになるかと思うと、
ちょっと複雑な気持ちであります。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.03.21 13:17

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