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2009.02.23

フィクションから生まれるリアルのお話をちょっと

Ad4353a9 しいフィクションとは…。フィクションから生まれるリアルとは…。いつも考えているテーマです。
 私たちが感じる「リアル」とは、あくまでも人間としてのリアルです。本当の現実に、なんらかの手を加え、私たちは私たちのためのリアルを作り出します。その「なんらかの手」こそ、ルールであり、演出であり、ワタクシの言うところの「モノガタリ」ということになります。本来無常で不随意な「モノ」を固定するんですね。
 今日、そういう美しい「モノガタリ」を感じる二つの出来事がありました。
 まず、日本の2作品がアカデミー賞を受賞したことです。「おくりびと」、実はまだ観ていないのですが、観ていなくともじゅうぶんに想像できます。作品としての物語というのももちろんありますが、それ以上に、それ以前に、「納棺師」というお仕事の持つ美しいフィクション性が感動を呼んだのであろうと。
 人間の死はあくまで現実です。それは単純に悲しいもの、あるいは悲惨なもの、汚いものとしてとして片づけられるものではありません。そこに、実に形式的で、様式的で、ある意味フィクショナルな儀式が加わることによって、ある次元に高められるわけですね。そこには、単純な現実を超えたリアルが生まれます。それぞれの人の持つ、それぞれの感情が昇華され、オーガナイズされ、一つの形に収斂していく。
 そのような「カタリ(語り・騙り・形り・固り)」がなければ、私たちはたいがい残酷な現実にさらされて途方にくれるものです。
2009022400000001spnavifightview00_2 もう一つ、夜、「K-1 WORLD MAX2009〜日本代表決定トーナメント〜」を観ました。格闘技もいろいろ観ますけれど、やはり、ルールや形式は重要だなと思いました。総合格闘技隆盛の現代でありますが、やはり、より「カタ」が決まっていた方が…すなわち、制限が多い方が…観ていて面白いし、その選手の人間性、精神力、人生というものが見えてきますね。
 人間の生死と同様に、勝敗というのは、実に残酷なものです。単なる弱肉強食や、偶然性の高い勝負には、瞬間的な興奮は得られるかもしれませんけれど、感動はしませんよね。「バーリ・トゥード」「ノー・ホールズ・バード」は、より「自然」であり「現実的」であるかもしれません。しかし、それが人間的に、あるいは文化的により高度であり,リアルであるとはかぎりません。
 そういう意味で、今日のトーナメントでは、ケガによる途中棄権が何件かありました。そこはK-1のワンデー・トーナメントの問題点ですね。それを一つの物語として享受することもできないことはないのですが、やはり肩透かしを喰らったような気がするのも事実です。ま、私は格闘技の必須事項は、「ケガをしないためのルールとテクニックと肉体」だと思っていますので。
 あと、今日面白かったのは、「長島☆自演乙☆雄一郎」くんでしょうかね。コスプレ格闘家、戦うアニヲタとして派手に登場しましたが、柔道、空手、日本拳法をベースにする、なかなかの実力派ですよね。特にそういった日本古来の武術とオタク文化の関係に、私はずっと注目してきましたので、彼の存在は非常に興味深い。
 単純にプロの選手としてキャラを立てるという意味でも立派だと思います。その点、我が地元の雄、忍野の不良ボクサー渡辺一久くんは、長島くんの影響を受けすぎたのか、まさに自演乙(自らのパンチでダウン)をやらかしてしまいましたね。ちょっとフィクションが過ぎたのかもしれません(笑)。自爆乙!?でも、彼もいいものを持っているので、ぜひ今後もK-1のリングに立ってほしいものです。うまく使えば視聴率稼げますよ。まあ、当然、オタク対不良みたいなストーリーは考えていると思いますが。

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コメント

前略 薀恥庵御亭主 様
やっぱり・・・・
「おくりびと」はいい映画ですね。
「東京物語」のように・・・
長く鑑賞に耐えうる名作でありましょう。
監督も素晴らしいです。
愚僧は・・・随分前に
滝田洋二郎監督の・・・
「コミック雑誌なんかいらない」
を映画館で拝見した時「天才監督誕生」
と心の中で万歳三唱いたしました。笑
えぇぇぇぇ・・・それからぁぁぁ。
「おくりびと」はまさに本木雅弘様の
すばらしい「おひとがら」の
集大成の映画ですね。
「ファンシイダンス」での
「お笑い」の素晴らしいセンス。
音楽家としての「チェロ」への
素晴らしい集中力と情熱。
そして・・・・
人格者として「インド放浪」や・・・
青木新門様の「納棺夫日記」との
出会いが縁(えにし)を結んで「花開いた映画」こそが
「おくりびと」なのでありましょう。
次の御仕事・・・
ドラマ「坂の上の雲」にも期待致しております。
うぅぅぅぅぅん。
愚僧など「インド」へ行った時・・・
ニューデリーの駅付近で迷子になって
「半泣き」したことぐらいしか覚えてません。笑
合唱おじさん  頓首百拝


投稿: 合唱おじさん | 2009.02.24 10:21

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