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2009.01.17

キース・ジャレット・トリオ『ザ・キュア』+受験の思い出(涙)

The Cure
Keith Jarrett Trio with Gary Peacock and Jack De Johnett
31avkttns8l_sl500_aa240_ ンター試験1日目ということで、微妙に緊張気味な私。ウチのクラスの娘っ子たち、いくつかの(考えられない)アクシデントはあったようですが、なんとか乗り切ったようです。
 こんな時は少し気持ちを落ち着けましょう。私も若かりし日々、共通一次試験の日を思い出して、このアルバムのこの曲を聴きましょうか。大好きな「Blame It on My Youth」です。「私の若さを責めてくれ」…若気の至りですな(笑)。この演奏は神懸かり的ですよ〜。
 ちなみに私の受験は大失敗でした。二次試験で遅刻した上に鼻血を噴出して会場中に迷惑をかけた以前に(ってこれもかなりひどいっすね)、共通一次でも妙なことがあったんですよ。
 てか、その前からだな。生徒にはよく話して笑ってもらってるんですけど、その年のお正月に初詣に行った時のことです。まずは近所の山の上にある「マイ神社」…誰も行かないような山の中の小さな祠…に元旦に行きましてね、それで気合い入れてあの鈴を思いっきり振ったら、根元から取れちゃいまして、結果背中に鈴を背負う状況になっちゃったんですよ(笑)。で、直そうと思ったけど届かない。まあ誰もいないからということで、下に置いて帰ってきちゃいました。その日の日記には「合格をもぎ取ったのです!」とか書いてありますが、今考えればフツーに落ちてるよな(笑)。若気の至り。「Blame It on My Youth」。
 で、翌日だったでしょうか、メジャーな大きな神社にも参ったんです。ものすごい人ごみで、なかなか賽銭箱までたどりつけません。なので、みんな遠くから投げてます。投げ銭。神社側もそれを承知で、でっかい網を賽銭箱から四方に張り巡していて、多少変な所に飛んでってもちゃんと回収できるようになってるんです。いちおう私、野球部でピッチャーやってましたから、そこんとこは自信あったんですよね。で、ピューッとストライク狙って投げたんですよ。20メートルくらい手前から。そしたら、見事に賽銭箱に吸い込まれていった…と思ったら、その賽銭箱と網のつなぎ目くらいに当たったんでしょうかね、ちょうど絶妙な弾力がある部分だったのか、とにかくトンでもないことが起きたんです。
 なななんと、投げた百円玉がそのまま帰ってきたんですよ!あり得ない…。というか、それを見事キャッチしたので、周りの人が大喝采してくれました。これは新年から縁起がいいぞ!とそのまま帰ってきました…おいおい、それって賽銭拒否されてるし、だいいちそのまま帰ってきたんだから、料金未納で大願成就するわけないじゃん!ううむ…若気の至り。「Blame It on My Youth」。
 もうその時に、自らの受験の失敗を予想すべきでした。しかし、私はその時若すぎた…。
 で、共通一次本番ですよ。ここでもホント不思議な、あり得ないことが起きました。さすがにビビった。たしか1時間目の英語の時間だと思います。それほど緊張もせず、調子よく問題を解いていて、さあ何分くらい経ったかなと、机上に置いた腕時計を見た瞬間です。
 ピシッ!
 私はたしかにその音を聞きました。な、なんと目の前の時計(当時としては高価なデジアナ時計で、私の宝物でした)のガラスが、ど真ん中縦一直線に割れたんです!
 いや、例えば、見たら割れてた…というならまだ分かりますよ。それが見た瞬間にピシッ!です。あり得ません。さすがにショックというか、動揺しましたよ。だって、大事な時計でしたし、その後ずっと時間を確認するたびに見るわけでしょ、その哀しい姿を…。ううむ、これは何だったのでしょう。これは、若気の至りでは解決できませんね。
 ちなみに共通一次の結果は悲惨なものでした。特に得意だったはずの国語が、予定より50点以上マイナス…それでも国語の先生になっちゃうんだから、人生は分かりませんね。
 そして、二次試験での悪夢の大渋滞→5キロ全力疾走+重度の花粉症=25分遅刻+鼻血大噴出…。まあ、これほど悲惨な大学受験もないでしょう(笑)。さらに発表の日にオチがあるんですが、もう辛くて語れません…笑。
 ま、そのおかげで、今こうしてここで楽しく教員させていただいてるので、人生どうなるか分かりませんね。失敗も不幸も含めて、人生には無駄なことは一つもない!全てなるべくしてなった運命です。たぶん、神様は若くて空気が読めない私に、いろいろなサインを送って、道を外れないようにしたのでしょう。なかなか気づかないので、どんどんエスカレートしてったということでしょうか。まったく、若気の至りというのは恐ろしい、というかタチが悪いっすね。「Blame It on My Youth」。
 おっと、なんだか全然関係ない話になってしまった。とにかく、このアルバムにキュアしてもらいましょう。なぜか、このアルバム、邦題は「ボディ・アンド・ソウル」になってしまっています。余計なお世話ですね。キュアでいいじゃないですか。「The Cure」という曲はキースのオリジナル。プリミティヴなビートとメロディーの名曲です。
 それにしても、このライヴでの「Blame It on My Youth」、とても若気の至りとは思えない成熟度です。これ以上の名演はないだろう、と思っていたら、キースはこちら『The Melody At Night, With You』で、さらにとんでもない名演奏を聴かせてくれました。長い闘病生活の末に至った境地です。
 そう考えると、この1990年の演奏は、まだ若気の至りだったのでしょうね。人はいつまでも成長していくものなのでした。そして、失敗や不幸や病気が、その人を大人にするのでした。人生には本当に無駄なんかありませんね。

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コメント

すごい話だね!びっくり!

いやはや、

なんというおみちびきでしょう、

おかげ(?)で富士方面で会えたひとがたくさん。

投稿: ひろえみ | 2009.01.18 09:49

お・・おもろすぎる・・・

発表の日の落ちとは一体??

投稿: 庵主セコンド | 2009.01.18 10:01

ひろえみさん、コメントありがとう。
実はそういうわけで私たちは知り合ったのでした(笑)。
人生は面白いよなあ…。
しかし、神様もあまりに強引だよなあ。
でも、第一志望に受かってたら、どうなってたかなあ。
一部ではB'zのメンバーになってたのでは、とも言われてる。
稲葉と同級、同学部だからね(笑)。

セコンドよ、どうも。
そういうわけで、私たちは夫婦になったのであった(笑)。
発表のオチまで聞くか?
それより本番の遅刻&鼻血の話ももうちょっと詳しくしなくちゃね。
今日の記事に書くかな。
ドラマ化決定でしょ(笑)。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.01.18 12:34

前略 薀恥庵御亭主 様
莫迦×摩訶◎不思議な「出会い」や
「経験」は・・・
ほんと御座いますね。
無駄な「出会い」など・・・
この世には存在しないと思います。
えぇぇぇぇ・・・。
ここ数日・・・
日本映画の名作「地獄」三大作品を
絞殺×考察◎致しておりました。
「大蔵貢」様の関連作品ですが・・・
中川信夫様の「地獄」1960
神代辰巳様の「地獄」1979
石井輝男様の「地獄」1999
いずれも「地獄」が・・・実に
親しみ深く描かれております。笑
とても魅力的な「アトラクション」
満載であります。
やはり極楽より地獄が
魅力的なのですね。笑
大道社様発行の宗教教育漫画・・・・
名著「地獄と極楽」でも・・・
地獄の部分がとても「いきいき」と
描かれております。笑
うぅぅぅん。
不思議な御縁。
愚僧も坊主になったおかげ様で
実に「地獄」と親しくさせて
頂いている毎日であります。笑
合唱おじさん  百拝


投稿: 合唱おじさん | 2009.01.20 23:23

合唱おじさんさま、おはようございます。
本当にご縁というのは不思議で有難いものですね。
そのご縁に感謝し、いかに活用できるか。
それが仏教の教えの根幹にあると思います。
そういう意味では「地獄」の沙汰もご縁次第でしょう。
私も学生時代から「地獄」には親しんでおります。
どうせ地獄ゆきは決定ですから、楽しもうと。
いちおう「地獄で会おう会」の会長なんですよ(笑)。
「地獄」のアトラクション攻略法なんてのを出した記憶があります。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.01.21 08:57

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