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2009.01.27

『原色小倉百人一首 朗詠CDつき』 (文英堂シグマベスト)

57810082 ず最初に、私は百人一首があまり好きではありません。だから、ほとんど覚えていません。
 高校時代など、ずいぶんと自分では和歌を作り、女の子に送ったりしていましたから(…って、かなりキモい!笑)、それなりにいろいろな歌を鑑賞してきたました。でも、どうも百人一首に採用されている歌は好きになれない。
 ま、簡単に言ってしまえば、駄作が多いということです。同じ作り手であれば、もっといい作品があるのに…と、そう思う人もけっこういらっしゃるようで、そういう人はどちらに進むかというと、以前も書きました「百人一首の謎」とか「百人一首の暗号」とかなんですね。たしかにそっちの方がずっと楽しめる。
 あとは当然カルタです。カルテ。カード。つまりゲームです。歌留多取りであります。そうそう、一昨年前のクリスマス、娘たちにプレゼントした江戸のカードゲームこと百人一首カルタですが、今一つ人気が出ませんでしたねえ。
 これは日本最古のポケモンカードだぞ!ほら、「セミマル、坊主ポケモン…」「ウコン、姫ポケモン…」とかやりましたが、結局興味を示しません(笑)。しまいには泣き出す始末。ま、父親が覚えてないくらいですから、しかたないでしょう。
 あっ、一つ百人一首ネタを思い出した。いやな思い出。いや、一種の武勇伝だな。ある県の教員採用試験を受けた時のことです。国語の試験で、なんと百人一首が出たんです。20くらい上の句であって、下の句を書けと!
 はぁ?こんなんで教員を選びやがるのかよ!と思い、まあさすがにほとんど分かったんですけど、あえてですね、本来の答を書かないで、下の句を全部作ってやりました。オリジナル作品です。上の句の意味から瞬時にアドリブで作ってやりました(笑)。はっきり言って、百人一首を暗記してるのと、こうして歌を作れるのと、どっちが優秀だと思うんだ!?という気持ちでした。いろいろな修辞法も駆使して堂々と自信作を書いてやったのです。
 結果は…不合格でした(笑)。
 だいたい、前日に大学の先輩と徹夜で飲み明かして試験に向かったくらいですから、もともと受かる気なんてなかったんですけどね。しかし、採点官はどう思ったんだろう。読まずに╳つけたんだろうな、どうせ。チキショー!こうして20の名作が闇に葬られたのであった…。
 ま、それは笑い話として、今回買ったのはその百人一首の解説本です。皆さんも高校時代とか買わされませんでしたか?こういうの。で、これはですね、生徒に買わせたのではなくて、国語科として買ったのです。なにしろ、これにはオマケで朗詠CDが付いてくるんで。
 私ではありませんが、どこかのクラスで百人一首大会をやるとかで、まあ先生が朗々と詠みあげてもいいんですが、はっきり言って面倒だし、ちょっと気恥ずかしいということでしょうかね。主任、ぜひCDを買ってください、というのです。それで購入しました。
 こういうCDは何種類か出てるんですが、普通CD単独で売っていて、それで数千円したりする。それに比べてこれは安すぎます。かなりしっかりしたオールカラーの解説本と、「日本かるた院本院理事長」鈴山葵さんの朗詠CDが付いて、なんと893円!価格破壊ですね。
 皆さん、ご存知のように、CDには99のトラックを作ることができます。ということは、100首は入らないということですね。そうなんです。最後の歌、えっと順徳院の「ももひき」…じゃなくて「ももしきや…」は99番目の、えっと後鳥羽院の「人も惜し…」と一緒のトラックに入っています。残念ですが、それは仕方ありませんね。
 で、ご想像のとおり、これをCDプレイヤーのランダムモードで再生するわけです。そうすると立派な詠み手になってくれるというわけです。便利な世の中になりましたね。
 それにしても、この、えっとえっと「日本かるた院本院」理事長さんの朗詠は渋い。渋すぎる。ものすごいプロなんでしょうけど、あまりに渋い。お歳はおいくつくらいでしょうか。生徒たちにはちょっと…。まあ、これが典雅な世界だということで。
 たしか、「萌え(ツンデレ)系」の百人一首朗詠CDもあったような。今度はそっちを入手してみるかな(笑)。

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