『クリップ携帯ストラップ』 (南青山ABITAX)
本来の、手首に通して落下を防ぐ通し輪(ランヤード)としての機能をほとんど失った「現代の根付」、ケータイストラップ。
今回私が買ったこのストラップも全然ストラップじゃありませんね。だいいち、閉じた輪ではありません。完全にクリップ型をしています。でも、落下防止という機能性という意味では、多少本来の面影を残しているとも言えましょう。
ほんと面白い文化ですね、ケータイストラップ。私なんか、これぞ日本の伝統文化だと思いますよ。
根付は、江戸時代、帯に小物(印籠や煙草入れなど)を吊るすために使われた道具です。先っちょに様々にデザインされた「もの」が付いており、それが帯の上部に出て落下を防いでいたわけですね。その「もの」の装飾性が、市民の小さな、しかし大きな楽しみになってゆき、しまいには世界中で高く評価される「芸術品」になりました。
ケータイストラップも似た進化を遂げていますね。最近では、日本得意のミニチュア工芸技術の粋を尽くして、まあいろんなものがあるわあるわ。今回私はこういう、ある意味変ったものを買いましたが、これを買った携帯グッズ専門店ストラップヤ.comでは、ホントいろんな「工芸品」を見ることができまして、しばし楽しく鑑賞させていただきましたよ。
こういうケータイ文化は日本だけなんでしょうかね。ま、外国にも多少はあるでしょうけど、ここまで発展してないんじゃないでしょうか。
で、私はですね、とにかく「落下を防ぐ」という機能を重視する変わり者(なんか納得いきませんが…笑)でして、今までは、あのパチンと止めるクリップが先っちょにあって、ビヨ〜ンと伸びる螺旋状のヒモ(?)が付いているヤツを使ってたんですけど、なにしろあまりに洒落っ気がないというか、オヤジ臭くてですね、まあ生徒からも非常に評判が悪かったんですよ。
それで、今まで使っていたそのパチンビヨ〜ンが壊れたのを機に、ちょっとシャレたのを探しましてね、見つけたのがコレというわけです。
なになに?南青山ABITAX?なんかカッコいいぞ。えっと、ABITAXやデザイナー山口和馬さんについてはこちらの記事を読むとよ〜くわかります。なるほど本格的である。これなら生徒も文句言えないでしょう(笑)。
で、実際使ってみますと、なかなかよろしい。本当に構造はシンプルでして、単に素材の弾性によって挟むだけのシロモノです。でもその質感や操作感(操作というほどのものではありませんが)が確かに素晴らしい。プロダクト・デザインの奥深さを感じる…大げさでなくちょっと感心しました。
そのパッチン感、挟む力は、バネ的な機構が付いていないのでそれほど強力ではありません。ですから、ワイシャツの胸ポケットなどのように薄い素材ですと、ほとんど挟んでいない状態ですので落下の危険性がありますね。しかし、上着やズボンのポケット、ベルトやカバンなどに装着すると、なかなかしっかりした固定感(ひっかかり感)があります。
豊富で魅力的なカラーがあるんですけど、私は地味にオリーブ色を選びました。いちおう仕事中も装着していますし、いろんな色の服に合うかなと思いまして。
上の写真はワイシャツの胸ポケットにとめた図。こちらは茶色のフリースに装着した図です。まあなかなかさりげないけれども、しかし微妙に自己主張していていいですね。
女性なんかで、カバンにケータイを放り込んでおく人には、うってつけかもしれません。ウチのカミさんなんかも、しょっちゅうゴソゴソ探してますからねえ。ファッション的にもワンポイントになりますでしょ。
皆さんは今、どういうストラップを使っていますか?いくつ付けてますか?いずれにせよ、ちょっとした小物にあなたの個性が現れるという、その文化的側面に注目してみるのもまた面白いですし、その小さな、しかし大きなこだわりから、自分自身を客観的に見直すのもまたオツなものですよ。
ps iPhoneに替えましたが相変わらず重宝してます。こちらの記事参照。
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コメント
これ、便利そうですね!
あたしもいつもかばんの中をガサゴソしてしまいます…
かばんの内ポケットに引っ掛けても探しやすいかも。
しかしすでにあたしのケータイには
飾りだけのストラップが3つも付いています…。。
投稿: ユキ | 2009.01.17 13:44
ユキねえさん、おひさしぶり。
これはシンプルでなかなかいいですよ。
本体とヒモの部分が簡単に外れるので、本体は常にカバンにひっかけておいて、ケータイをカバンの中に入れる時だけ、ヒモ部分をセット…という手もあるかも。
それじゃあ、意味ないか…な?
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.01.17 18:21