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2009.01.02

『俺たちは忘れない…10年目の再会 ジャイアント馬場 蘇る16文キック』(BS日テレ)

1_2 のたびの私の年越しの場は後楽園ホールでした。そして、元日、その後楽園ホールを主な舞台とするこの番組が放映されました。そして、今日その録画を観て、心から感動し心から懐かしみました。そして…。
 自分もそれなりの年齢になって、最近妙にノスタルジックに昭和を懐古することが多くなって、ちょっと自分らしくないなあ、なんて思うこともしばしば。こうして人類は、「昔は良かった」と言いながら歴史を紡いできたのでしょうか。
 考えようによっては、こういう姿勢は現状に対する不満というか、後ろ向きな発想というか、いずれにしてもネガティヴな感じがしないでもありません。でも、もしかすると、過去を肯定し、思い出を美化することによって、過去の遺産が正しく引き継がれていくのかもしれませんね。あの頃は良かった。だからもっと今も未来もしっかりしなくちゃ。
 番組でも多くの弟子たちが「また、このやろう○○って叱ってください」と語っていました。そういうおっかないオヤジっていうか、とんでもなく強く、とんでもなく優しい、とんでもなく大きなオヤジみたいなのがいないと、この世はどんどんダメになっていってしまうんでしょう。
 正直、この2時間番組を観て、自分も喝を入れてほしくなりましたよ。馬場さんたちの次の世代の大人として、本当に若い人たちを育てているんだろうかって不安になりました。特に自分は教師という立場ですからね。なんだか、若いもんに媚を売って、若いもんにまずはその場だけ好かれようとしているんじゃないかって。そんな気もします。
Img_main_2 この番組の素晴らしかったところは、単にお宝映像が最新デジタル技術できれいによみがえったということだけではありません。王貞治さん、天龍源一郎さん、高千穂明久さん、大仁田厚さん、三沢光晴さん、百田光雄さん、和田京平さん、市瀬英俊さん、アニマル浜口さん、佐々木健介さんらの貴重な証言を聞くことができたのは大きな収穫でした。
 おそらくこの方々も皆、程度の違いこそあれ、私と同じような気持ちなのかもしれない。本当に今、私たちは人々に夢や希望を与えているだろうか。大きな経済の波に呑まれてしまって、今さえ良ければ、自分さえ良ければいいというような生き方をしてしまっていないか。馬場さんという偉大な神、いや仏かもしれませんね、そういう人を思い出し、温かい気持ちになりつつ、反面厳しい自戒の念を抱いているように見えました。
 馬場さんは闘いの場でも、あるいはビジネスの場でも、基本を信用と信頼に置いていました。そんな馬場さんを、ある意味裏切ってしまった人たちも登場していましたが、きっと馬場さんは彼らのことも決して恨んだり憎んだりしていないと思います。今振り返ってみると、そういう危機から、必ず新しい局面が生まれ、新たなヒーローが生まれ、新しい時代が動いていったからです。
 そういう考え方、人生の捉え方というのは、私たちにとっても非常に重要な示唆を与えてくれますね。ピンチをチャンスに転換する智慧です。思い通りにならない時こそ、成長や変革のチャンスだということです。
 今日のこの番組は、そういう意味で、単に馬場さんを懐古するだけのものでもなく、全日本プロレスを総括する番組でもなく、昭和を懐かしむためだけのものでもありませんでした。この閉塞感に満ちた平成の世にとって、もっともっと大きな意味があったと思います。平成21年のスタートに、この番組をしっかり味わうことができたのは本当に幸運なことでした。もう一度、今度は家族で見直してみようと思います。

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コメント

こんなすばらしい番組がやっていたなんて知りませんでした。NTVと馬場夫人の微妙な関係は修復されたのでしょうか?それはともかく、いまから思い返せば、大きいだけでなく、包容力、懐の深さを感じますね。大人になったいまだから気がつくこともあるでしょう。解説での穏やかながらも手厳しい弟子、特にジャンボ鶴田への注文が今でも印象に残ります。

長州が始めて馬場と対決した時のコメント「馬場さんの脚は強かった」(たぶんサソリ固めをかけようとして抵抗された時だとは思いますが)、というところに、傍から見ていたのではわからない強さを感じます。

投稿: AH | 2009.01.03 22:05

AHさん、あけましておめでとうございます。
今年もいろいろとよろしくお願いします。
いやあ、本当に元旦早々いい番組でした。
馬場さんだけでなく、往年の名レスラーのすごさを再認識しました。
もちろん、ジャンボの怪物ぶりもです。
私も長州のあのコメントは印象に残っていますね。
今回の番組では、高千穂(カブキ)が、「シューティングも強かったですよ。下半身がしっかりしていたから」みたいなことを語ってました。
やっぱり本当に強かったんですね。
近いうちに録画をお持ちしますよ。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.01.04 07:19

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