スウィングル・シンガーズ 『アンラップト(クリスマス・ソング集)』
The Swingle Singers ...Unwrapped
クリスマス・イヴ。なんとなく今年は自粛ムードでしょうか。さらに愛ちゃんの訃報が…。なんとも哀しい聖夜になってしまいましたね。
ウチでは、カミさんと子どもは教会で歌の奉仕。私は一人寂しく日本酒をいただきました。
いつも思うんですけど、まあこの年末年始の宗教のはしごはいいとして、やっぱりイスラム教のイベントも一つ年中行事に加えた方がいいんじゃないのかなあ。そうすればよりバランスが取れるし、いらぬ誤解も受けなくて済むような気がします。ラマダンとかね。いや、日本の年中行事は食品(菓子)業界が主導してるから、ラマダンじゃダメですね(笑)。
さて、私は一人日本酒を呑みながらこのアルバムを聴きました。いいですよ〜。究極のクリスマスソング集でしょう。
まず!第1曲が、昨日私が演奏したコレルリのクリスマス協奏曲です。なんと、アカペラ・ヴァージョンですよ!演奏は、かのスウィングル・シンガーズです。まずは、ちょっと聴いてみてください。試聴の方は冒頭の30秒だけですが。
ちゃんと即興も入っているぞ。残念ながら途中までの抜粋ですが、かっこいいですね。さすが、バッハで鍛えられています。バロックはお手の物です。
スウィングル・シンガーズは1962年に結成ですから、今年で結成46年ですか!我らがカメムジより古い。もちろんメンバーも当時とは完全に入れ替わりましたし、活動拠点もフランスからイギリスに移りました。でも、クラシック、特にバッハを中心としたバロック音楽をジャズ風アレンジで軽妙に聴かせるという基本姿勢は変わっていませんし、その卓越したテクニックは常に世界のトップを走ってきたと言っていいでしょう。
私も高校時代からずいぶんと聴いてきました。平均律とかフーガの技法とかは、彼らの演奏から入りました。そういうクラシック音楽、特にバッハやバロックに親しむきっかけをたくさん作ったという意味で、歴史に残る功績を残した団体だと思います。考えてみれば、私の場合、ジャズへの興味も彼らが入り口になっていたかもしれません。彼らからMJQに行きましたからねえ。
さて、彼らの長い歴史で言えば、ごく最近録音されたこのアルバム、コレルリのあと、いろんなジャンルのクリスマスソングの名曲が並びます。曲目を紹介しましょうか。
1. Concerto Gross, Op. 6/8 "Christmas Concerto"/ [Excerpt]
2. In the Bleak Midwinter
3. Christmas Song
4. River
5. Snowman/Walking in the Air
6. Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!
7. O Tannenbaum
8. Rockin' Around the Christmas Tree
9. Santa Baby
10. Away in a Manger
11. Carol of the Drum
12. Amazing Grace
13. Rudolph the Red-Nosed Reindeer
14. Last Christmas
15. Happy Christmas (War Is Over)
16. Hotaru No Hikari
古今東西・硬軟聖俗、まさに不二草紙好みの選曲ですね。素晴らしい。それにしても、なぜ最終曲が「蛍の光」なんでしょう。それもAmazonやNMLでは「Kikari」になってるし(笑)。これもちょっと聴いてみてください。
なんか、あのジェンツの舟唄を彷彿させますね(笑)。せっかく日本語で歌ってるのに、このアルバムは日本未発売なのはなぜ?
まあ、いいでしょう。こうして聴けるのですから。いやあ、なぜか日本酒(にごり酒)と合うなあ。いろいろあってなんとなく切ない聖夜にこうして一人しみじみと、しかしちょっと無理やりスウィングさせて酔うにはうってつけのアルバムではないでしょうか。
あっ、最後に蛇足。ジョージ・マイケル(Wham!)のラスト・クリスマス、最後のクリスマスじゃないっすよね。去年のクリスマスですよね。今気づきました(冷汗)。
スウィングル・シンガーズ公式
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- ラモー 『優雅なインドの国々より未開人の踊り』(2024.08.12)
- ロベルタ・マメーリ『ラウンドМ〜モンテヴェルディ・ミーツ・ジャズ』(2024.07.23)
- まなびの杜(富士河口湖町)(2024.07.21)
- リンダ・キャリエール 『リンダ・キャリエール』(2024.07.20)
- グラウプナーのシャコンヌニ長調(2024.07.19)
コメント