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2008.12.18

『エド・ウッド』 ティム・バートン監督作品

Ed やB級(いや、C級?)映画監督の頂点に君臨している(させられている)エド・ウッドの伝記映画。監督はエドを敬愛するティム・バートン。エドを演じるのは若きジョニー・デップです。
 私、エド自身の作品は「死霊の盆踊り」しか観ていません。ま、これは原作・脚本作品ですから、正確にはエドの作品とは言いがたい。私にとっては、この「死霊の盆踊り」以下の作品は想像できません。ですから、私にとって史上最低の映画監督と言えば、A・C・スティーブンですね。たぶんエドの作品を観たら、やっぱり「頂点」だと感じるのではないでしょうか。つまり、「底」じゃないっていうことです。
 実際、こうして多くの監督から敬愛され、伝記映画が感動を生むのですから、それだけの才能や魅力があったということでしょう。とりあえず、このティム・バートン作品からはそういう「何か」が伝わってきます。
 前も「ガギグゲゴ」とか「博士」の話でそんなこと書きましたが、どのへんなんでしょうね、許せないものと敬愛すべきものとの境目って。品格でしょうか。魂でしょうか。思い入れでしょうか。どれだけ真剣なのか…いや、それはないな。
 やっぱり、フィクションをフィクションとして提供するかどうかでしょうかね。いや、それも微妙に違うな。本人は真実だと思っている、これこそ正しいと信じているというケースもよくありますから。「だましてやろう」というあくどい魂胆がないっていうのが、基本かもしれない。いや、それもなんか微妙に違うような気もしますね。難しい。
 とにかく、エド・ウッドは神格化、美化されてよい「何か」を持っている監督なんですね、きっと。その「何か」を受けとってティム・バートンがこういう映画を作ったのでしょう。その「何か」とは、やはり純粋な映画への愛情なんでしょうか。あるいは商業主義に走りっぱなしのハリウッドに対する反骨精神なんでしょうか。
 この映画自体はなかなかよくまとまっていますし、ていねいに作られているので、エド・ウッドのことを知らない人でも充分に楽しめる作品だと思います。ジョニー・デップも好演してますし、なんといっても彼のステキな女装が観られるところがいい。エド自身も女装癖があったようですね。ジョニー・デップもこの映画で女装に目覚めたとか目覚めないとか(笑)。
Ed2 圧巻は助演男優賞を獲ったマーティン・ランドーのドラキュラ俳優ベラ・ルゴシ役でしょう。本当に素晴らしい演技です。映画への執念や、エドへの愛情、人生の悲哀など、いろいろなものを見事に表現しています。ちょっとうるっと来ちゃいますね。モノクロ映像の陰影と彼の演技が実にマッチしていて美しい。
 ティム・バートンはエドの映画のシーンを、見分けがつかないほど完璧に再現しているとのこと。実際に比較していないにもかかわらず、そういうこだわりというか愛情というか、あるいはオタク魂みたいなものは、存分に画面から受けとることができます。
 そう、プロレス・オタク的に非常に感激したのは、エドが怪物俳優トー・ジョンソンを勧誘するプロレス興行のシーンですかね。古き良きアメリカン・プロレスの雰囲気がよく出ていました。ちなみにトー役はWWFで大活躍したホンモノのプロレスラー、ジョージ・“ジ・アニマル”・スティールです。懐かしく観ました。今どうしてるかな。
 まあとにかくお馬鹿で純粋な男たちの悲哀と愛らしさに思わずジーンとするいい映画です。この2年後ですかね、ティム・バートンは「C級以下」「本物の史上最低」とも評価された「マーズ・アタック!」を製作し、ある意味師匠エド・ウッドを超える映画監督になりました。素晴らしいことですね。
 次はいよいよエド・ウッド自身の作品を観ようと思います。まあ基本的なところで「プラン9・フロム・アウター・スペース」かな。そして、日本で撮影されたという「エド・ウッドのX博士の復讐」でしょうか。また観たら報告します。

Amazon エド・ウッド

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コメント

前略 薀恥庵御亭主 様
宇宙人襲撃対策・・・・
「マーズ・アタック」専門家の愚僧
の意見と致しましては・・・笑。
えぇぇぇ・・・
さっそく物置から映画「マーズ・アタック」の
宇宙人の模型を持ってまいりました。
埃を拭いて・・・・
宇宙人のフィギュアを詳細綿密に
観察致しましたところ・・・・
恐ろしく完全完璧なデザインです。笑
今 怖い顔で愚僧を睨みつけています。
今にも動きだしそうです。うぅぅぅん。
まさに恐るべし・・・宇宙人。
家族の嫌われ物の宇宙人人形。
しかし 本当に好く出来ております。
本物の宇宙人からコピーした化膿性× 
可能性◎も捨て切れません。
エリア51が関係しているのか?
この宇宙人人形のデザインは正に紙×神◎の
領域です。愚僧 心底 寒心×感心◎致しております。
電池の消耗から かもしれませんが・・・
胸のボタンを押しますと・・・・
「ウェ・・ウェウェ」「ウェ・・・」 
と・・・なんか本物の宇宙人の
鳴き声みたいです。
くそぉぉぉ・・
また地球を襲うつもりか?
不気味です。笑
まぁぁぁ・・・しかし
我が娘が幼き時 この宇宙人人形を
嫌がって投げつけてしまい・・・・
頭部のプラスチックカバーが
破損しており・・・・
今後 火星人が 地球を襲う狩野姓× 可能性◎は
極めて低いと考察致しております。
合唱おじさん  まずは御報告まで

投稿: 合唱おじさん | 2008.12.20 09:37

お返事遅れてすみません。
いやあ、うらやましいですぞ。
マーズ・アタック!の火星人の人形なんて、
超レアじゃないですか。
私もあの映画大好きでして、必ず生徒に見せてます。
もしかして、頭部のカバーが破損しているということは、
どなたかの素晴らしい歌声のおかげとか(笑)。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.12.22 08:56

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