『プニッとやみつき にゃウンド肉球』 (エポック社)
なんだかとんでもなく忙しいので、今日は非常に軽めに行きます。今、とってもほしいものです。
ウチには黒猫が3匹おりますので、都合12個(?)のリアル肉球があるわけですが、それらはそんなにしょっちゅうプニプニするわけにもいきませんし、外に持ち歩くわけにはいきませんよね。でも、携帯できるなら携帯して、そして癒されたい…。
そんな時、とっても重宝しそうなのがコレです。
まあ、これはいわゆる「萌え」の対象というわけですね。で、私の「萌え」の定義は「國文學」に書きましたように、基本「所有欲」でありますからして、このような製品が生まれ、そして人気を博すというのはごもっともなことであります。
なんでも、こだわりの素材&設計により、非常にリアルに肉球感を出しているとのこと。肉球部分はTPE(熱可塑性エラストマー)を使用し、周辺の短毛の生えた部分は同社がシルバニアシリーズで培ったフロッキー加工を施しているとか。
そこまでこだわるなら、押した時の猫の鳴き声とやらもリアル猫の鳴き声をサンプリングしたものかと言いますと、なぜかそこはヴァーチャルというかフィクショナルでして、あの初音ミクの声優さん、リアル藤田咲さん(?)の声をサンプリングしたものだそうです。
ま、そのへんが、絶妙なさじ加減ということでしょうかね。完全なリアルを目指すと、逆にリアル感に欠けるというパラドックスが生じるんです。リアル感、特に愛すべきものへのリアル感というのは、その当事者の主観によって形成されるものなので、人それぞれの萌えスポットはどんどん狭まってしまい、ちょっと的が外れただけで、非萌え(萎え)になってしまう。ですから、わざと、リアリズムから距離感を保って、万人がある程度満足する作品を提供するというのは得策です。
日本ではそういう、西洋的なものとは違った、別のリアリズムが発達しました。皆さん御存知の通りです。それが例えば西洋で印象派を生むきっかけになったりしましたね。つまり、人それぞれのこだわりや愛情の部分を、逆説的に利用して、妄想的、想像的にフィクションのすき間を埋めるという方法です。フィクションからリアルを喚起させる。これは昨日の「能」なんかにも言えます。もちろんプロレスにも。
おっと、また理屈っぽくなってしまった。そんなことはどうでもいいのだ。とにかく、これが今ほしいのです。で、この「ほしい」、「こちらに招きたい」、「所有したい」というのが「萌え(=をかし)」であると、私は実感的にも日本語学的にも文化史的にも信じているわけであります。
そうだなあ、一番ほしいのは、やっぱり黒猫飼いとしてのこだわりで、黒猫の黒肉球バージョンでしょうか。
ちなみに、ガチャガチャに入っているのはフロッキー加工をしていない廉価版ということです。
Amazon にゃウンド肉球レアセット
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