やまやの辛子明太子
生徒がお土産にもらったとのこと。少しおすそ分けしていただきました。いやあ、これはうまい。さすが本場の辛子明太子ですな。
まず、学校で二切れほどつまませていただきましたが、適度な塩気と辛味、甘味、そして絶妙な柚子の芳香。新鮮で元気のよい歯ごたえ。もう、スーパーの明太子は食べられませんなあ。
で、もっと食べたかったんですけど、これはぜったいに白いご飯か日本酒が必要ということで我慢我慢。ウチに帰ってからさっそくそれらを用意してたっぷりじっくり堪能いたしました。
うむ、幸せの極致ですね。日本人で良かった、と思う瞬間です。美味。
そうそう、ウチの学校の2年生が月曜日から韓国へ行きます。今、円高ウォン安だからいいですね。むこうにも明太子みたいものはあるようですから、買ってきてもらうかな。
というか、「めんたい」って韓国語でスケトウダラのことを指す「ミョンテ(明太)」から来てるんですよね。だから「めんたいこ」というのはそのまま「たらこ」のことになります。つまり、唐辛子などで辛くしたものは「辛子明太子」と言うのが正確なんですね。実際、本場では「たらこ」のことを「明太子」と呼び、辛いのはちゃんと辛子明太子と呼ぶようです。全国的は単に「めんたい」とか言っちゃいますが、それだと単なる「タラ」になっちゃうってことですね。ってことは、「チーズ鱈」と「明太チーズ」は同じものってことになっちゃうのか(笑)。
ところで、その「辛子」ですけど、今ではあの赤い唐辛子って韓国の専売特許みたいに思いますよね。キムチなんかのイメージがありますので。でも実際は、御存知と思いますけど、いわゆる唐辛子は日本から朝鮮半島に伝わったものなんですよね。本来のキムチは無色の発酵食品でした。
つまり、辛子明太子に使われる唐辛子は、まずポルトガルあたりから日本に伝来し、それが江戸時代くらいに朝鮮半島に渡った。そして、当地で明太の味付け及び保存手段として使われ、それがまた、九州や中国地方に伝わったということですね。ちょっと複雑な経路になっています。
さて、話を戻しまして、やまやさんの辛子明太子です。公式サイトを見ますと、そのこだわりぶりがよくかります。168時間熟成ですか…7日、つまり1週間ということですな…タウリン1000ミリグラムっていうのと同じだな…1グラムって言うより1000ミリグラムの方が「多い!」っていう気がするというやつです(笑)。
で、全然関係ないんですけど、ちょっと気になったこと。やまやさんのホームページのトップに、その味へのこだわりを紹介したページに飛ぶバナーがあるじゃないですか、真ん中へんに。そこに「味への追及」って書いてある。これって間違いですよね。「追及」って「責任を追及する」とか「犯人を追及する」とか、そういう使い方する語でしょう。味なら「追究」だと思うんですけど。
で、バナーを押してみるとそこのページには「味への追求」とある。あれ?「追求」かなあ…。「理想の味の追求」だったら解るんですけど。だいいち「味へのツイキュウ」って変な気もする。助詞は「への」でいいのかなあ。「の」じゃないのかなあ。「味への探求心」とかだったらいいと思うんですけどね。どんなもんでしょう、やまやさん。ま、おいしいから細かいことはいいか(笑)。
というわけで、今日もこのくらいにしときます。
| 固定リンク
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- 『彼岸花』 小津安二郎 監督作品(2024.06.16)
- KOSelig JAPAN cafe(コーシェリジャパンカフェ) 福岡二日市店(2024.05.03)
- TAXIめし リターンズ(ミヤテレ)(2024.04.04)
- 東洋軒のブラックカレー(2024.03.28)
- 味の素は悪魔か?(2024.02.23)
コメント
>唐辛子は日本から朝鮮半島に伝わったものなんですよね。
確か、秀吉の朝鮮出兵で伝わったと聞いたことがあります。あの侵略行為がなければ、現在美味しいキムチも辛子明太子も食べることが出来なかったのでしょうかね。
因みに、薫り高く辛みもマイルドで味わい深い韓国唐辛子。その種を日本で栽培しても、単に辛い唐辛子になってしまうとか。韓国の土壌や気候が大事なんですね。
投稿: LUKE | 2008.11.09 03:26
歴史をひもとくと、悲劇が生んだ文化ってたくさんありますね。
ジャズなんかもそうですね。
いずれにせよ、強制的な混血がないと、新しいものは生まれないということでしょうか。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.11.09 09:39