『愛こそはすべて』…世紀の大誤訳??
昨日BS11で放送された「大人の自由時間 ビートルズ研究所」の録画を観ました。どういうわけか後半しか録画されておらずガッカリ。あさって朝再放送があるようですが、時間が半分くらいになっちゃってます。編集版ってことですね。昨日のは生放送でしたので。
で、いかにもマニアックな、しかしマニアックすぎて、2時間45分では語り切れないという、予想通りの内容になってましたね。NHKの「とことん○○」のような番組でも大概そういう不完全燃焼感が避けられません。嬉しいけど悲しいといういつもの状況。
ビートルズなんておそらく丸1年ぶっとおしで特番やっても語り切れてないでしょうね。もしかすると、人類史上最も多く語られてきたネタかもしれない。
私はそれなりのビートルズファンですが、もちろん上には上がたくさんいるので、あんまり偉そうな口はきけません。ちょっと観た今日の番組の内容もほとんど知らないことばかり。ある意味ついていけない。
で、勉強不足な私が最もショックだったのは、あの「All You Need Is Love(愛こそはすべて)」の大誤訳の話でした。私もその誤訳を信じていた。全く疑うことありませんでしたから。かなり恥ずかしいですね。皆さんは、あの歌詞、どのような内容だと思っていましたか?ちなみに発売当初から日本では次のように訳されてきました。歌詞カードがこういう感じになってたんですね。英語も載せちゃいましょう。
『All You Need Is Love』
Love, love, love・・・・
There's nothing you can do that can't be done
Nothing you can sing that can't be sung
Nothing you can say
But you can learn how to play the game
It's easy
Nothing you can make that can't be made
No one you can save that can't be saved
Nothing you can do
But you can learn how to be you in time
It's easy
All you need is love
All you need is love
All you need is love, love
Love is all you need
Nothing you can know that isn't known
Nothing you can see that isn't shown
Nowhere you can be
That isn't where you're meant to be
It's easy
All you need is love
All you need is love
All you need is love, love
Love is all you need
愛 愛 愛
思ってもみなかったことしようとしても
心に浮かんだことのない調べを歌おうとしても
耳にしたことのない言葉を話そうとしても無理さ
でもいくらでも 楽しくなれる
簡単さ
作れないものを作ろうったって無理さ
救いようのない人を救おうったって無理さ
君は無力に等しい
でも おいおい自分らしさを身につけることはできる
簡単さ
愛があればそれでいい
愛があればそれでいい
愛さえあれば何もいらない
愛こそはすべて
未知のものを知ろうったって無理さ
見えてもいないものを見ようったって無理さ
本来自分の居場所でないところに
落ち着こうとしても落ち着けるわけがない
だけど 簡単さ
愛があればそれでいい
愛があればそれでいい
愛さえあれば何もいらない
愛こそはすべて
う〜む、英語力のない私には、この訳が正しく思えてしまう。でも、言われてみると、あの“Our World”という全世界への衛星中継された番組の中で、この悲観的な、あるいは逃避的な歌詞はおかしいよなあ、たしかに。でも、なんとなくですが、これはジョン一流の禅問答みたいなもので、逆説的に高邁なメッセージを送ってきているんだと、勝手に思ってました。というか、あんまり深く考えなかった。とにかく「愛」なんだなと。
で、番組ではビートルズ研究所の本多康宏さんが、「全く逆だ。私たちにはできないことはない。それをするために必要なのは愛だ。君に足りないのは愛だ。そう言っている。英米の人たちに日本人があのようにとらえていたことを言ったら笑われた」というような内容のことを語りました。司会のロバート・ハリスさんも驚いていました。私もびっくり。
なんとなく二重否定っぽいし、関係代名詞が二つあるような構文なので、よく考えても私には正確には把握しかねると言わざるを得ない(三重否定だな…笑)。でも、なんとなくスッキリしました。そりゃあ、ひどい誤訳だよなあ。もし、本当なら。
さらに本多さんが言ってましたが、ビートルズのテーマである「愛」は、男女の愛なんていう狭小なものではなくて、世界の宇宙のコミュニケーション、夢、希望、勇気、可能性というようなポジティブなアティテュードを表す言葉であるといこと、これは非常に重要ですね。すなわち、番組のテーマにもなっていた、行動から変革へというビートルズの本質ですよ。
最近も、レミオロメンやフジファブリックなどの新譜を聴いて、やれ昔の方が良かったとか、あんなの○○じゃないとか、まあいろいろ言う人がいるんですけど、どんなもんでしょうねえ、そういうの。ビートルズなんて、たった7年の中でどれだけ変化してるんだ。似たアルバムが一枚もないじゃないですか。当時リアルタイムに彼らを享受していた人たちは、本当についていくのが大変だったと思います。いや、ついていけなかったかもしれない。それでも、彼らは走り続けた。行動し続けた。変わり続けた。それで「ビートルズ」が全体として完成したわけですよね。
そうそう、そういう意味では、ゲストとしてビートルズ・ナンバーを生演奏してくれた馬渕ヒデマサさんのことにも触れなくちゃ。彼は言わずと知れた THE SILVER BEATS のジョン(マブジョン)でした。この8月にバンドを脱退して、ソロとしてオリジナル曲などを演奏していくとのこと。彼もまた行動し自らを変革していくのですね。ジョン・レノンからの旅立ちということでしょう。応援します。
彼らの歌う「YOU」という言葉には、もちろん「私」とか「私たち」という意味もありますし、もっと大きく広く「人類」かもしれないし、「宇宙」かもしれない。そういうスケールの言葉と音楽を残したのが、ビートルズなのでした。
改めてとんでもない人たちであったと思ったのでありました。ビートルズより後に生まれて幸せです。人類の歴史の中で、彼らを知っているのは、ほんの一握りなんですから。
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受信: 2008.12.07 16:13


コメント
番組は見てませんが、和訳もこの日本語だけを深読みしたらあながち間違いと言い切れないような気も。もちろん、「そのように」日本で受け止められていたから、番組でのネタになったんでしょうけど。
verseの4行目、Butから始まるところの日本語をどう解釈するかが鍵でしょうね。私はCDが出てから聴き始めたくちなので、歌詞対訳は全然見てなかったです。
GeorgeのThis is Loveに、They(=the problem) also can be overcome when we use the power provided free to everyone, this is love.というフレーズがあるので、そのまんまの意味だと思ってました。
投稿: TKJ | 2008.11.09 21:22
TKJさん、おはようございます。
なるほど、ジョージのあの歌のことは頭にありませんでした。
言われてみると、そんな気もしますね。
ジョージ流のジョン解釈とも言えるのかも。
まあ、詞というか詩とはそういうものですよね。
ところで、ジェフの詞は、英語的にはどうなんでしょう。
私は英語がからきしダメなので日本語訳ばかり見てましたが、
日本語だと彼の詞は深読みできないような感じがしてました(笑)。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.11.10 10:08