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2008.11.12

『迫る棋士シカマル』…過去の助動詞「き」の活用表

Shikamaru の古典文法の授業はかなり個性的です。「活用表は覚えるな!」がモットーですからね(笑)。かなり変わっているんではないでしょうか。あの活用表を覚えるという馬鹿げた作業で、だいたい古文嫌いになる。私もそうでしたので、そこんとこを工夫して繰り返される悲劇を避けているわけです。で、実際覚えなくてもなんの問題もなく問題が解けます。
 その具体的方法は企業秘密なのでここには書きません。いずれ参考書でも書きますかね。生徒たちはウチだけにしてくれって言いますけど(笑)。だいいち、その方法にはウチの学校でしか通用しないローカルなネタが使われていたりするので、あんまり一般的じゃないんですよ。
 で、「覚えるな!」と言いつつ、実は唯一「覚えろ!」という活用表があります。それが古典文法界の問題児「き」のそれです。こればっかりはどうしてもうまく説明できないし、もう丸暗記するしかない。
 皆さんも記憶にあるんじゃないでしょうか。こいつ、「せ・○・き・し・しか・○」って活用するんですよ。ひどい変わり者ですよね。なんで、「き」が「せ」になったり、「し」になったり、しまいには「しか」になったりするんでしょう。
 これは国語学会…いや日本語学会でも昔から大問題でした。結局今のところ誰もその結論に至っていません。ワタクシ的結論は…やっぱり出ていません。ただ、カ変動詞「来」、サ変動詞「す」、そして代名詞的副詞「しか」と関係があるかな、という程度の考察しかできていません。
 こういうワタクシ的に素性が分からないものは、もう丸暗記するしかないわけです。逆に言えば、ワタクシ的に素性が分かっているものは、それを生徒に教えて、そこからそれぞれの活用形を想像するという勉強法をやっているわけですね。
 というわけで、この過去(「過去」とするのもやや問題がありますが)の助動詞「き」の暗記法ですけど、今まではフツーに「せーまるきーしーしかまる」と呪文のように繰り返して覚えさせていたんですね。まあ、なにしろこれたった一つですから、それで問題ないわけです。
 それがこの前、あるオタク率の非常に高い(具体的には88.888…%)のクラスでこれを教えていたら、いかにもな覚え方が発見されたんですよ。
「迫る棋士シカマル」
 これは分かる人には分かるんだそうです。ちなみに私は分かりませんでした。
 今世で人気のマンガ&アニメ「NARUTO−ナルト」に、なんでも奈良シカマルというまんまなキャラがいるらしい。そして彼は将棋が強いらしい。ということで、「迫る棋士シカマル」というのは文脈としてもしっかり成り立つわけで、たしかにこれはうまく出来たぞと。
 実は「迫る岸〜」というローカルな覚え方は今までもあったんです。でもこれはあまりにローカルだし、その岸というキャラの濃い生徒はもう卒業してしまったので、そろそろ使えないな、ということになっていたんです。そこによりグローバルな(なにしろNARUTOは世界的な人気ですから)暗記法が登場したということで、これはとりあえず日本中に広めておこうと。
Chara_01 あと、ヲタクラス的には、こんな会話も成立します。未然形の「せ」は「せば」という形でしか現れません。「花のなかりせば」とか「夢と知りせば」ってやつですね。やつらは「せば」という音の響きを聞くと、もうすぐに「セバス」→「セバスチャン」になっちゃう。「黒執事」というやつです。じゃあ、思い切って「セバスチャンきーしーしかスチャン」ってのはどうでしょう。全く意味分かりませんが(笑)。
 高校生諸君、もし良かったらこの覚え方で期末テストを乗り切ってください。

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