『演歌の逆襲~ヒット連発の秘密~』(NHKクローズアップ現代)
都倉俊一降臨!今日のクローズアップ現代は良かった。ここ数年私が思っていたこと、感じていたことを都倉俊一さんが全部言ってくれました。
最近、演歌や歌謡曲が売れていると言います。若い人たちも買っているとのこと。ただ若者たちに消費されるだけのJ-POPに対して、「大人に長く愛される歌」を目指す制作者や作家、そして歌手たちの逆襲が始まりました。非常に素晴らしいことです。
番組では、黒人演歌歌手ジェロや還暦デビューの秋元順子さん、盲目の現役高校生歌手清水博正くん、そしてストリートで人気のあさみちゆきさんが紹介されました。たしかに新しい演歌、歌謡曲の時代の到来を感じさせる、しかし一方で「原点」を思い出させてくれる歌手の皆さんでした。そうそう、あと、ジェロの曲を試行錯誤しながら書く宇崎竜童さんの姿には感動したなあ。
さてさて、最近ネット上でJ-POPの王道進行が物議を醸していますね。全く同じことを私はこちらに書いていました。そこで、私はあえて「これは演歌」だと言っていますね。そう、そういう聴き方をしないといわゆる単なる「消費される音楽」になってしまうんです。ですから、あの記事は私にとってはかなり苦しまぎれで書いたものでした。ある意味強烈な批判になっていたわけです。ま、そういう空気を読み取ってくれた方も多かったと思います。
で、今日の番組での都倉俊一さんの穏やかだが熱いお話は、それこそ強烈な現代J-POP批判になっていたと思います。今日は彼の言葉をここに残しておきましょう。要約して載せます。
「日本の音楽界はジャンル分けを画一的にしてきた。その代表がニューミュージック。歌手がアーティストになり、作詞・作曲・歌を全て自分たちでやらなければならなくなった。そんな中我々は本物の歌い手の復権を待っていたのかもしれない。演歌の人たちは歌唱力もある言葉の説得力もある。ニューミュージックとかJ-POPとかいうのは売り手の論理で貼ったレッテル。ジェロはそれを越えた」
「70年代80年代は演歌と歌謡曲とニューミュージックがチャートを競い合い、作品の提供もし合っていた。クロスオーバーし画一的に硬直化していなかった。その頃の音楽業界はすごいエネルギーがあった」
「長く愛される歌を作るには歌詞が大事。美しい日本語をどう使うか。今日取り上げた人たちはの歌に共通するのは、きれいな日本語が私たちにすっと入ってくること。これは本来当り前だった。日本語の歌詞は深みがあった。それがいつしかソングがミュージックになってしまって声が楽器になってしまった。大人の言葉を聞かせる歌い手、それを作る作家が復権してきているのでは」
「シンガーソングライターは自分の考えやメッセージを伝える。聴く人もその人を聴きたい。作詞家・作曲家はいい詞、いい曲を作って、それを歌ってくれる素晴らしい声を探している。そういう人に歌ってもらえる歌を一生懸命作る。歌手もそれを歌いこなそうとしてすごい努力をする。歌も作詞も作曲もすごく深くて、切磋琢磨して楽曲の価値を芸術性を高めるというのが本来の姿」
「シンガーソングライターももちろんいなくてはならない。しかし、エンターテインメントとしての歌、完成度の高い歌がこれから出てくるのではないかと期待する。子どもの歌ばかりでは音楽業界成り立たない。成熟したいろんなジャンルの歌が出てくることは間違いない」
うむ、これ以上言うことはないでしょう。私も付け加えることは全くありませんが、あと、番組中挿入された阿久悠さんの言葉を引用して今日は終わりにしたいと思います。神々の言葉は重いなあ…。私も歌謡曲・演歌バンドをやっている者として、彼らの言葉をしっかりと受け止めたいと思います。
「現代の歌で、いちばん欠けているのは、『場面』だと思います。『気持ち』を訴えるものはありますが、さて、それが、どのような『場面』で成立しているのかわかりません。その『場面』の多くは、聴く人と共有できる愛しい体験だと思います。歌は、そうした小さな結び目を作りながら、時代を証明するのです」
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