「おみおつけ」の語源
今日あるクラスの授業に行ったら、ホワイトボードに「御御御御付け(おんおみおつけ)」と書いてありました。最初の「おん」はおまけにしても、単なる汁物に「御」を三つもつけるなんて、日本人は面白いね、という話になりました。
御存知のとおり、「おみこし」や「おみくじ」、「おみき」といった神社系の用語や、「おみあし」などという語の「おみ」は「御御」であることが知られています。これらには、それ以前に「みこし」「みくじ」「みき」「みあし」といった語があり、また、それ以前には当然「こし」「くじ」「あし」などがったということが容易に想像できます。
では、「おみおつけ」がどうかと言いますと、ちょっとそれらとは違うというのが本当のところです。「つけ」→「おつけ」→「みおつけ」→「おみおつけ」と変化したわけではないんですね。つまり、「みおつけ」という形で使われた形跡がないのです(ちなみに「つけ」の存在も微妙)。
そうしますと、どうも語源的には違うと考えるのが自然で、一般に言われている「御御御付け」説は間違いということになります。では、本当のところはどうだったのでしょう。
まず、中核になる「おつけ」ですが、これは米のご飯に添えられる「付け汁」の女房言葉のようです。17世紀初頭に発行されたキリシタンの日葡辞書にも「Votçuqe 飯と共に食べる汁。女性語」と出ています。そして、接頭の「おみ」ですが、実はこれも女房言葉で、つまり「おみそ」のことなんです。今でも西日本を中心に、味噌汁のことを「おみ」とか「おみい」とか「おみさん」とか「おみいさん」とか言う地方があります。
ということで、「おみおつけ」とは「御味御付け」である可能性が高いのでした。味噌仕立てのお汁ということでね。たしかに「おつけ」という言葉は現代でも使われますが、味噌の入っていない透明な汁物、すなわち「おすまし」「すましじる」であることもありますよね。ですから、やはり「おみおつけ」は「おみそ」ヴァージョンの「おつけ」であると考えるのが自然でしょう。
ちなみに、「おつけ」にはちょっとエロチックな意味もあります。ここには書けませんが…笑。
さて、私は一日一食なので朝食は食べません。朝出勤前に、家族が朝の「御味御付け」を食べている(飲んでいる?)のを見ると、さすがに唾液が分泌してきまして、どうにも我慢できなくなる時があります。たまに禁を破って一杯ご馳走になっちゃう時もあります。それがまた格別うまく感じるんですね。特に、最近ですね、あの「無添くら寿司」の影響を受けまして、おつけに化学調味料を使わないことにしましたら、ほんとそれが地味だけど滋味でして、おいしいのなんのって。
なんだかんだ言って、日本人で良かったって思う瞬間ですよね、おみおつけを口に含む時。具材も季節感豊かですし、ほとんど無限のヴァリエーションが楽しめますし、時にお行儀悪く家族みんなでやってしまう「猫まんま」のまた美味いことと言ったら…これはたまりませんね。そうそう、「猫まんま」もまた、地方によっていろいろな形態がありまして、単に鰹節をまぜたご飯であったり、味噌汁をかけたものだったり、すまし汁をかけたものだったり、煮干しを混ぜたものだったり。ちなみに私は味噌汁のお椀にご飯をぶっこみますが、皆さんはいかがなさってますか?いや、そんなお下品なことはなさらないでしょうか(笑)。
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