あんたがたどこさ
↓船場橋の狸(?)のモニュメント
季節柄忙しいので、もういっちょ音楽ネタです(ちょっと手抜き)。
今、学校にオーストラリアの姉妹校から交歓生が来ています。で、日本の文化を紹介するということでしょうか、ある先生の授業で「あんたがたどこさ」をやりました。それで、改めて私もこの手まり唄について考えてみたんですけど、これってけっこうすごいですね。
楽譜にしてみて気づいたんですけど、これをいわゆる西洋風の五線譜にすると、とってもプログレなことになりますなあ。文脈というか、フレーズ的に言いますと、「あんたがたどこさ」が4拍子、「ひごさ」が2拍子、「ひごどこさ」「くまもとさ」がそれぞれ3拍子、「くまもとどこさ」が4拍子、「せんばさ」が2拍子。「せんばやまには」「たぬきがおってさ」「それをりょうしが」「てっぽうでうってさ」がそれぞれ4拍子、「にてさ」「やいてさ」「くってさ」がそれぞれ2拍子、「それをこのはで」が4拍子。「ちょいとかぶせ」は4拍子あるいは3拍子+1拍子(?)。
ま、もともとこういうカウント法にムリがあるんで、異論もあるでしょうけど、いちおうこんな感じで分節してみますと、まあかなり複雑な変拍子ということになりますね。さらに御存知のように、それぞれの「さ」のところで足を挙げて鞠をくぐらすので、そこにアクセント(気合い)が来ます。かな〜り斬新なシンコペーションですな。
我々の意識の中では、もちろんこんなプログレなことにはなっていなくて、日本人の感覚は基本的に1拍子ですから、そうなるともうなんでもありなわけです。
そして、旋法的にも西洋的な感覚からかけはなれています。ペンタトニックにもなってない。4音です。調性を確定することも難しい。
ですから、これを西洋風なテクニックで編曲、演奏すると次のようなことになってしまいます。手元にあったある童謡のCDはこんな感じ。
あらら、やっちゃった。やりたくなる気持ちはよく分かりますが…。この半音下降のバスは、これは狸の受難に対する涙もしくはため息の比喩でしょうか(笑)。
あと、YouTubeで見つけた、この矢野顕子ヴァージョンはなかなかオシャレ。さすがですね。
続いて、これもやらかしでしょうか(失礼)。なんで、合唱の曲ってこうなっちゃうんでしょうね…いや、すごい編曲テクです。これぞプログレ。
というわけで、結局はシンプルな手まり唄が一番いいということで。
ちなみにこの唄の素性や歌詞についても、いろいろと謎があるようです。次のサイトを参考にしてみてください。
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