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2008.10.05

東京クラシカルシンガーズ&オーケストラ・オン・ピリオド・トウキョウ第7回演奏会 その他もろもろ

宝石箱 ザルツブルク〜モーツァルトを導いた作曲家〜
Salzburg 来場くださった皆さま、ありがとうございました。大盛況のうちに終了いたしました。
 立派なソリストの方々と、音楽への真摯な姿勢にあふれた合唱団、そして古くからの音楽仲間の多いオーケストラ(ちなみに隣で弾いていた人は高校時代にも隣で弾いていた人)とこうして立派なホールで演奏できるのは、本当に幸せなことです。
 もちろん指揮者の坂本徹さんからは、本当にいろいろと学ぶことができます。昨年も感じましたが、器楽奏者もやっぱり歌が基本なんだなと。歌と一緒にやることによって、脳のある部分が目覚める感じです。
 坂本さんの指導にはいちいち納得です。まず、決めすぎないのがいい!こちらでキース・ジャレットが言っているとおりです。今生まれたかのように演奏しなければ。毎度言うことが違って当然です!私もあらゆる分野において、「知ることは何より重要だが、決めつける必要はない」というのをポリシーにしてますから(実は単に思いつきのハッタリ人生なんですけど…笑)、非常に共感しますよ。
 それにしても、今回はなかなか渋いプログラムでしたなあ。こういう機会でもないと一生演奏することも聴くこともないような曲目でしたからね、私としても貴重な経験ができました。さまに「知る」体験になりました。
 ザルツブルクの特徴なのか、ヴィオラのパートがない曲が多かったので、前半はちょっと余裕。舞台袖でゆっくり鑑賞させていただきました。
51adh80mg6l_sl500_aa240_ そうそう、歌から学ぶと言えばですね、最近歌謡曲バンドからもとっても学ぶことが多い。で、ですねえ、実は合唱団のバスパートに松田聖子マニアの方がいらして、前半と後半の間の休憩の時間には、ついつい神童モーツァルトそっちのけで、リアル神、松田聖子様のお話で盛り上がっちゃいましたよ。いやあ、熱い熱い。もう一生ついていきます!だそうです。なんでも若い頃ファンクラブに入っていらっしゃったそうで、結婚を機にその熱がさめていたのが、昨年突如再燃したとか。昨年の私と同様、今年さいたまスーパーアリーナでのコンサートに参戦されて感激されたとのこと。これもまた何かのご縁でしょう。
 後半のモーツァルト「孤児院ミサ」は、なんと彼が12歳の時の作品。たしかにちょっとした幼さものぞく作品ですけど、しかしなあ、メロディーの展開や斬新な和声、そして見事な対位法…たしかに天才だわ。天才というか、人間ではないな。ちょっと気持ち悪いかもしれないなあ。小学校6年生でしょ…。ウチの3年生の娘に「おい、3年後こんな曲作れるか?」と聴いたら、軽く「作れるよ」って言ってましたが(笑)。
 さて、本当は打ち上げで聖子ちゃん話の続きをしたかったのですが、実は今日は本番終了後すぐに来週の本番の練習があって移動しなくてはならなかったのです。指揮者を含めて、今回のオケとかけもちしている人が6人いまして、みんなダブルヘッダー。いやあ、なかなかハードですわ。
 で、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンを練習。私はベートーヴェンなんかほとんど弾きもしないし聴きもしないので、ある意味新鮮です。ちょうど昼間のコンサートでバロックのビーバーから少年モーツァルトへの流れが出来ていましたから、さらにその先、音楽史的な展開を体感できましたね。
 そう、私はほとんど当時の人と同じ体験をしてるんですよ。つまり、いきなりベートーヴェンの「英雄」の楽譜を渡された当時の楽士の気分です。これはショックですよね。それまでの音楽とあまりに違う。もちろん流れがあり、基礎的な部分は多くの先輩たちにならっているわけですけれど、それにしても新しいアイデアが豊富すぎる。これはプログレです!
 ハハハ、いやプログレがベートーヴェンの影響を受けてるんですけどね。私はプログレはたくさん聴きましたが、ベートーヴェンはあんまり知らないんで、発想が逆です(笑)。複雑な展開、過激な転調、変拍子、異様な長さ。ああ、そうか、プログレのバンドで演奏してると思えば楽しいな。
 しかし、疲れ切った頭と体には、慣れないプログレはきつかったなあ…。さすがに練習しないと弾けませんね。それなりに頑張ります。
61dyiussqvl_sl500_aa240_ と、疲労困憊して全てが終了したのが9時過ぎ。帰りの車の中では、意外な音楽が私を癒してくれました。ものすごく気持ちが楽になりました。それは、メタリカのニューアルバム『デス・マグネティック』です。うん、これは完全にバロックだ。単純なリズム。わかりやすい展開。ドミナント指向。循環コード。オン・ザ・ビートで分散和音のギター・ソロ。
 こちらにも書きましたね。ヘヴィーメタルは案外古典的だと。このアルバムはすごいですよ。ベテランによる古楽演奏という感じです。成熟した美しさです。なんだろうなあ、この叙情性は…。
 というわけで、今日は音楽三昧というか、なんというか。この世に音楽があって、本当によかった。とっても幸せな一日でした。皆さんありがとう!

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コメント

昨日はお疲れ様でした。まったく12歳とはどうにも信じがたい曲でした。

それにしても、コンサートといえば、クラシック以外ではメンバー紹介というのが当たり前ですが、今回のような場合でもソロ歌手だけでなく、ソロを担当した器楽奏者とかも立たせて紹介してもらいたいですね。そうして大きな拍手が来ると場も盛り上がりますし、本人にとっても気持ちいいと思います。大相撲の土俵入りとかプロレスのバトルロイヤルの入場とか(最近はほとんどないようですが)、毎度毎度のことですけど、いいですね。演奏がよければよいというだけでなく、こういう類の演出というのも大事だなとつい思ってしまいます。

12月もよろしくお願いします。

投稿: AH | 2008.10.06 11:47

AHさん、本当にお疲れさまでした。
ヴァイオリンは大変でしたね。

メンバー紹介大賛成です。
ウチのバンドでも必ずやりますよ。
で、呼ばれたら1フレーズかっこよく弾くわけですよ。
これってクラシックでもいいですよねえ。
ロックのライヴに行くといつも思います。
クラシックもこういう客席との一体感がほしいなあって。
演奏中にブラボーってやってもいいと思うんですけどね。

とりあえず来週またお会いしましょう。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.10.06 17:55

やっとインターネット復旧しました。で、拝見したらいやー、これって僕のことじゃないですかあ (*゚▽゚)ノ
ほんと、聖子ちゃん話したかったですねぇ。
聖子ちゃんについて語るブログはいろいろあるけど、蘊恥庵さんとこのは「神」聖子に正面からアプローチしていて独自の地位を占めていると思いますです。
ということで、僕的には不二草紙は聖子関連ブログカテでブックマークしてまーす。

投稿: のいちゃん | 2008.10.15 01:02

うわぉ!いのちゃんさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
すみません、勝手にネタにしちゃって(笑)。
うれしかったものですから…。
いやあ、ぜひ語りましょう「神」聖子。
というか、いろいろ教えてください。
そして、いつかご一緒しましょうね!

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.10.15 09:24

ワォ、ぜひ語りましょう「神」聖子!
しかし聖子ちゃんは何百年も語り継がれるべきお方。
そのためにも学生達の啓蒙ヨロシクです。
来年はサマーコンサート行きましょう!

投稿: のいちゃん | 2008.10.15 20:46

のいちゃんさま、どうもです。
最近の高校生は親が聖子ちゃん世代なので、案外知っています。
ところで、御存知と思いますが、
Pearl-White Eve
この珍しく緊張気味で音をはずしまくる聖子ちゃん、萌えですね(笑)。
私もある人に教えてもらって聴いた(観た)んですが、いつも胸がキュンとしちゃいます(笑)
神も人の子だった!ってことですかね。
…って、ビーバーやモーツァルトとはかけ離れた話で盛り上がってますね!
いや、神の音楽という意味では一緒ですかね。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.10.15 21:32

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