Fuoco e Cenere 『FANTASY IN BLUE - Purcell and Gershwin』
パーセル/ガーシュウィン:ファンタジー・イン・ブルー
おめでとう!ガーシュウィン。今日はガーシュウィンの110回目の誕生日です。
こちらに書いたとおり、ここのところちょっとガーシュウィンを勉強してます。ガーシュウィンを勉強するこということは、クラシックとジャズと民族音楽をいっぺんに勉強するということでして、とっても楽しいのでした。
さて、今日はお誕生日にちなんで面白いCDを紹介します。この前の記事で、ガーシュウィン自身のガーシュウィン作品の演奏が古楽的だと書きましたが、このCDは古楽そのものです。
フランスの古楽団体Fuoco e Cenereによるパーセルとガーシュウィンの演奏です。パーセルとガーシュウィンという組み合わせがすごいですねえ。その二人の楽曲が交互に演奏されるんですが、意外にというか、かなり自然です。楽器はヴィオール群とリコーダーです。
ガンバとブルースが案外合うというのは、例の古楽版ビートルズでも感じていました。つまり、古楽器というのは半分民族楽器なんですよ。近代化してしまう直前なんですね。だから、ガーシュウィンと合うわけです。ちゃんと理由がある。
あとパーセルの現代性でしょう。ガーシュウィンに負けず劣らずの不協和音ぶりでして、当時はそうとう斬新に聞こえたでしょうねえ。最近ベートーヴェンを弾いて、彼がかなりアナーキーだということに遅ればせながら気づきつつあるんですけど、パーセルはそれ以上に過激ですよねえ。
このCDで歌を歌っているリナ・シャハムはイスラエル出身のメゾ・ソプラノです。古楽から現代音楽までなんでもこなす人のようです。けっこう重要なオペラ演奏にも参加しているとのこと。ま、この録音ではパーセルもガーシュウィンもみんな一緒にオペラチックに歌ってますね。逆にそれがいいのかもしれません。もともと時代やジャンルを超えている企画ですから。
パーセルにせよ、ベートーヴェンにせよ、ガーシュウィンにせよ、ビートルズにせよ、とにかく新発見をしたんですよね。最近強く感じることです。発見する能力に長けている人を天才という。ま、当たり前ですが。
で、ちょっと思うんですよね。彼らは意識して発見を目指したんでしょうか。新しいことをやらねばと思っていろいろ試行錯誤したんでしょうか。それとも我々凡人がいつもとらわれる常識や習慣にとらわれない才能を持っていて、新しい何かを「自然」に感じて、それを我々に紹介してくれるたんでしょうか。
一番最近の天才であり、詳細な記録の残っている、あるいは本人(の一部)が生きているビートルズを見るかぎり、そのどちらも正しいような気がします。その両方の才能が必要なのかもしれませんね。そういうのって、音楽に限らず、他の芸術分野、あるいは科学の分野、ビジネスの分野でも言えることだと思います。
あとそれぞれに言えるのは、いろいろなものを組み合わせたということですかね。生物の進化のように、時代という変化する環境に対応するべく、異質なものどうしが混血していく。その媒介をしたのが彼ら天才たちなのかもしれません。
このCDのような一見とんでもない組み合わせによって、私たち凡人もこういう面白い発見をすることができますよね。たまには、私たち自身で私たち自身を縛っている様々な枠組みをはずしてみることも大切なようです。
Amazon Fantasy in Blue
iTunes Fantasy in Blue
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- キース・エマーソン・バンド 『Moscow(DVD)』(2012.02.06)
- 『迷える者の禅修行―ドイツ人住職が見た日本仏教 』 ネルケ無方 (新潮新書)(2012.02.05)
- アンデシュ・ダンマン 『オール・ユー・ニード〜クラヴサン組曲』(2012.02.02)
- 古楽版ビートルズ完コピ…Beatles Baroque (Les Boreades de Montreal) ライヴ(2012.02.01)
- エマーソン・レイク&パーマー 『 Live in Japan(1972年後楽園球場)』(2012.01.31)

コメント