『ラジオ付き ウォークマン WM-FX202』 (SONY)
先日ちょっと書きました、カセットテープの件です。
自分でもちょっと哀しくなっちゃうんですが、昔あんなに録りためて、そして大事に大事にしていたカセットテープたちが、今や地下室でカビにまみれて眠っています。
世の中のデジタル化の波に、最初はちょっと抗ってみたものの、結局はそれにすっかり流されて、いやそれどころか積極的に乗っかってしまい、なんとも味気ないオーディオ生活を送っている私です。
真空管アンプやバスレフスピーカーを自作したり、ラジカセを分解してバイアスの可変抵抗を見つけ、テープの音質を変えたり、憧れのレコード針に大枚をはたいたり…いったいあの頃のあの熱意はなんだったのでしょう。本当の音楽からすれば、オーディオはにせものに過ぎないはずですし、ある意味デジタル・オーディオの方が、ずっと本物に近いはずなのに。
で、厖大なカセットテープ資産が聴かれないまま眠っているのはもったいないし、実際そろそろ久しぶりに聴いてみたいという欲求も出てきまして、それで生まれて初めてカセットテープのウォークマンというものを買いました。ウォークマン誕生からほぼ30年目ですね(DATウォークマンは持ってました)。
前の記事にも書きましたように、ウチにはラジカセやカセットデッキやその他カセット再生機がそれぞれ複数台あるんですけど、どれもなんらかの故障をかかえており、また、今や車にもカセットデッキが装備されていない時代になってしまって、ここ数年本当にカセットテープを聴く機会がなくなっていたんです。そんなわけで、カセットテープ資産を改めて聴く、あるいは必要なものはデジタル化して保存する(これもまたなんだか胡散臭いというか頼りない作業ですが…)ために安い再生機を買う運びになったわけですね。
考えてみれば、当時はノーマル (TypeI/NORMAL)、クローム/ハイポジション (TypeII/CrO2)、フェリクローム (TypeIII/Fe-Cr) メタル (TypeIV/METAL) という4種類のテープを使っていましたし(私はFe-Crの大ファンで、各社のものを集めていましたっけ)、ドルビーもBやらCやらSやらいろいろ使ってましたので、本当はそれら全てに対応する機器を買わないといけないんですが、今どきそんなものはありません(たぶん)。第一予算がないので、そのあたりはまあ気持ちで(!?)対応、あるいはパソコンで対応するとして、まずはそこそこの音質で聴けるものをということで、このウォークマンを選びました。
てか、一番安いのを買ったんですよ。有名メーカーで一番安いヤツ。なにしろ3500円ですから。昔なら一ケタ違ってたでしょうなあ。AM/FM/テレビ(1〜12チャンネル)の3バンドに対応したシンセ・チューナーも搭載してこのお値段ですからね。考えてみるとウチには災害時用のポータブル・ラジオがなかった。そういう時のための乾電池仕様のラジオを買ったと思っても、まあかなりお安いと言えるでしょう。なんだかすごい時代になりましたね。
音質もなかなかいい。全然問題ありません。MEGA BASSという低音強調機能もなかなか強力です。邪道と言えば邪道ですけど、今風な音作りを楽しむには便利ですね。ラジオの感度もなかなかよく、ここ富士山でも東京のテレビの音が聞けました。ま、2011年には聞けなくなるんでしょうが…。
で、さっそく30年前のカセットとかを聴き始めてるんですが、ううむ、懐かしいというか、逆に新鮮というか、こりゃあたまりませんねえ。ほとんどがFMをエアチェックしたものですから、また懐かしいじゃありませんか。ロックにバロックにクロスオーバー(!)。なんだか怪しいAM番組や短波放送、そしてテレビのスピーカーの前で録音したもの。お風呂場でレコーディングした自分の下手くそなヴァイオリン。生録した自然音。大学の学園祭の音風景…。
いやあ、映像とは違う感慨がありますねえ。思い出というのはどんどん朧化して美化されていくものですから、実はあんまりリアルに(たとえばビデオのように)残っているのは、問題なんですよね。昔のように写真という静止画や、8ミリという音がない動画や、カセットという映像のない音で残すくらいがちょうどいいんじゃないでしょうか。あるいはもっと古典的に文字で残すとかね。
そう考えると、どんどんコピーでき、理論的には劣化しないで保存できるデジタル技術というのは、人間の本質的な性質であり、かつ強力な武器である忘却(美化)にとって、実は敵対する技術なのかもしれませんね。つまりモノ的無常に対するコト的指向の産物であり、ワタクシ的に極論してしまうと「もののあはれ」を直視しないオタク的技術なのでした。
Amazon WM-FX202
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コメント
> 考えてみれば、当時はーマル (TypeI/NORMAL)、
↑ふふ、脱字発見。
テープのヒス・ノイズは私の心を和ませます。(笑)
ドルビーはあえて使わなかったですね。
その方が素直な気がしてました。
因みに愛用していたテープは TDK の HX でした。
短期間しか販売されなかったクロームポジションの
テープで、メタル並みにハイ・エナジーの代わりに
ヒス・ノイズも盛大に出るという諸刃の剣でした。
でも Rock には相性良かったんですよね。
買いだめするほど沢山使用していましたが、
結婚を機にテープは殆ど捨ててしまいました。
後悔してます。(ノω・、)
投稿: LUKE | 2008.09.04 21:57
LUKEさん、どうもです。
うわっ脱字…コピペしたのがバレバレですね。
こんな脱字普通じゃありえないし。
たしかにヒスは和みますね。
初めてCDを聴いた時、気持ち悪かったもんなあ…。
TDKのHX、ありましたねえ。
私も何本か持ってますよ、たぶん。
あの頃は、新しいカセットが出ると必ず試したものです。
太陽誘電が参入した時もある意味衝撃的だったなあ…。
なんかノスタルジックですね。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.09.05 17:56