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2008.09.20

富士学苑高校ジャズバンド部 第6回リサイタル〜INNOCENT ROAD〜

Uni_1493 晴らしい音楽をありがとう!音楽とは喜びに満ちた時間と空間だという、そんな本当に基本的なことをいつも思い出させてくれる彼ら。また手前MISOになってしまいますが、本当に素晴らしい生徒たちです。手放しでほめたたえ、そして感謝し、尊敬します。
 数々の賞を総なめにし、音楽界からも絶賛され、プロ以上にハードなスケジュールをこなす…今や日本一の学生ビッグバンドになったと言っても過言ではない、我が富士学苑高校ジャズバンド部「ムーン・インレット・サウンズ・オーケストラ(Moon Inlet Sounds Orchestra)」第6回リサイタルに行って参りました。いつ聴いても感動する彼らの演奏ですが、今日はまた格別でした。
 まずシンプルな感想。またうまくなってる!おそるべし高校生。たしかにあれだけの練習と本番を重ねれば当然なのかもしれないけれど、やはり高校生という特別な時期だからこそ可能な、あの驚異的な伸びには、あらためて「ああ、青春というものの土台はこの神懸かり的な成長にあるのだな」と実感。
 そういう意味では、このステージを最後に引退する3年生はもちろんですが、あえて私は2年生の成長に賛辞を贈りたいと思います。うまくなった!
 しかし、本当にいいですね。そういう純粋な成長の中から生まれる音楽。これはどんな老練なプロでも不可能な一つの境地です。ある種の美しさというのは、そういう純粋さの中にしか宿りません。このバンドの不二なる魅力は、その無垢なひた向きさにあるのです。そして、それが音の塊に表現される不思議…。
 この前のキース&チックでキースが語っていたいくつかのことが、今日のリサイタルで実感されましたね。
 「知りすぎていると新しいものは生まれてこないよ…決めすぎてはいけない。意味がない…そう、常に変化してるしね」ということ。彼らは毎日練習し、そして各曲を完璧に自分たちのものにしているようですが、しかしですね、ちょっとこれは微妙な表現になってしまいますが、彼らはいい意味で知らないんですよ。
 7月のフェスティバルの記事にも書きましたが、たとえばこれが大学生になってしまうと、急に彼らは知りすぎてしまうんです。もちろん、私なんかも変な知識や、それからこうして書いている妙な蘊蓄ばっかりで、ある意味余計なことまで知りすぎてしまっている。それが音楽を阻害してしまうことが往々にしてあるんです。キースがキースなりに、あのあまりにも有名で、そして完璧に弾きこなしているはずのモーツァルトを、今生まれたかのように演奏した(あの楽譜に書かれたカデンツァをも!)のは、あれはやはり特別な事件なのです。
Uni_1502 だから、彼らの佳き無知(無垢)は限りなく音楽の福音になりうるんですよね。まさに無垢。今回のリサイタルのタイトル、そして今回彼らに内堀勝さんから贈られた曲の曲名でもある「Innocent Road」。これが全てを物語っています。
 もしかすると、大昔の音楽家は、皆こういう無垢な存在だったのかもしれません。大人になってもそういう状態で音楽に奉仕できる人こそが、神や自然と私たちを結びつけていたのかもしれません。おおげさでなく、そんなことを感じさせる生徒たちの演奏でした。
 そして、やっぱりそういう彼らの「Innocent Road」を用意し、彼らにそこをしっかり歩ませる、顧問であり偉大なるプロデューサーでありディレクターであるO先生はすごい人です。もし私が指導したら、「ininnocent」(?)もしくは「nocent」(?)になっちゃういますね、きっと(笑)。
 3年生諸君、お疲れさま。そして、ありがとう。よく頑張った。きつい時もあったけれど、きっとほとんどが楽しい時間だったでしょう。これからはそのinnocentな心をいつまでも忘れず(なかなか難しいけどね)、それぞれの世界ではばたいていってください。絶対に音楽をやめないこと。演奏し続けること。そして、音楽を通じていろいろな人たちと出会い、いろいろな縁と恩に恵まれた人生を送ること。
 最後に。今日のコンサートを楽しみ、心から感動したのは、会場にいた私たちだけではないでしょう。天国のInnocent君、君が一番喜んでくれてるかもしれないね。いや、今日の感動は君からの贈り物かもしれない。きっとそうだ。ありがとう。

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