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2008.09.30

『親愛なるマリー・キュリー 女性科学者10人の研究する人生』 猿橋勝子(監修) (東京図書)

Gh7878 性は科学に向いているか…どうも向いているようですね。
 前に理科の先生から『偉大な、アマチュア科学者たち』をお借りして読みました。アマチュアもプロ並み、いやそれ以上に活躍できるフィールドなんだなあ、科学の世界って…と思いました。同じ理科の先生(女性)に今度はこういう本をお借りして読みました。女性も男性並み、いやそれ以上に活躍できるフィールドなんだなあ、科学の世界って…と思いました。
 考えてみれば、アニメやマンガや特撮モノなんかには、アマチュア科学者や女性科学者たちがけっこう出てましたね。あれってリアルなことだったのか。
 昨年、世界的な日本人女性科学者第一号であり、「猿橋賞」の創設者でもある地球化学学者猿橋勝子さんが亡くなりました。その時、NHKのクローズアップ現代で「女性科学者の闘い~猿橋勝子さんが遺したもの~」というのが放映されましてね、私はそれを観たんです。それでちょっと感動してしまった。猿橋さんについてはお名前は知っていましたが、そんな波乱の人生があったとはつゆぞ知りませんでした。アメリカという親玉国家を相手に道場破りですからね。そして勝ってしまった…。
 当然、そこには女性としてのハンディとの闘いもありました。男尊女卑のムード、そして家事や子育てと研究の両立。これは朝の連ドラ化した方がいいですよ。そのくらい壮絶です。
Photo24991 この本は、その猿橋勝子さんの監修による猿橋賞受賞者たちのエッセイ集です。では、この本はとんでもなく壮絶かと言いますと、そういうイメージはなくて、最初に書いたように、私は女性は科学というフィールドに向いていると思ってしまいました。
 それはどういうことかと言いますと、こういうことなんです。なにしろ、どの方の文章も柔らかくて伸び伸びしていて、全然壮絶な感じがしないんですよ。これが男性だったら、ぜったい必要以上、現実以上に厳しく重く書いちゃいますよ。
 本当は大変な苦労だったのに、さらっとそれを書いてのけちゃう。これは逆にすごいなと思いました。だって、10人の皆さん、みんなそういう感じなんだもん。こりゃあ男にはできないぞ、と思いました。
 それぞれの研究内容についてもとっても優しく易しく書いてくれているので分かりよかった。うん、科学は女性が噛み砕いて教えた方がいいのかもしれないなあ。教育者としても女性の方がいいということか。
 あとはやはり、女性の持つ女性性が科学にも必要だということ。恋愛をして結婚をして妊娠して出産して子育てしてダンナの世話を焼いてご飯を作って掃除をして…そういう日常性というか生活感というものが、科学の勝手な暴走や自己満足を制御するんですよね。ものすごく簡単に言ってしまうと、男性の科学はどうしても科学のための科学になってしまうのに対し、女性の科学はあくまでも人間のための科学という気がするんです。男性の科学は戦争を起こしますが、女性の科学はそういうことがないような気がします。
 女性は社会的にも生物的にも男性より多くのことをこなさなければなりません。それはある意味、それができるからそうなっているのであって、おそらく男性は基本それらをこなせないから仕事に専念するんでしょう。で、人にいろいろなことを押しつけておいて、いざとなると、そんないろいろなことをやっていると一つのことに専念できないから大成しないよ、なんて言うんでしょうね。
 あと、最近いろいろな文化論を語る中でよく思うんですけど、女性より男性の方がジメジメしてますよね。引きずる。女は案外あっさりしますよ。上書きして生きてくじゃないですか、女性は。男は全部後生大事に保存していきますからね、記憶を。今までは、そういう違いをもってして、男性は女性を蔑視してきたわけですが、はっきり申して、実は「今」を大切にする女性性の方が強いんですよ。男性だったら、あの出産の苦痛を一度知ったら(私は知りませんが…笑)、もう二度と子どもを産もうなんて思いません。
 やっぱり女は強いよな。実際持続力もあるし、爆発力もあるし、根性もあるし。今、私のクラスは女子ばかりなんですが、はっきり言って私は小さくなってます。彼女らものすごいパワーです。最近、男女クラスでも女子の方が強いし、勉強もできる。地道にやる。男は気が散るし、持続力が案外ない。
 男女平等とか男女共同参画とか言わなくても、もうとっくに昔から女中心に世の中は回っているんです。男がいろいろな障壁を作れば作るほど、実は女はパワーアップしていくのでありました。
 そんなことをしみじみ感じさせてくれる良書でありました。女性が読んで勇気を得るのもいいけれど、男性が読んで苦笑するのもいいのではないでしょうか。

Amazon 親愛なるマリー・キュリー

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コメント

前略 蘊恥庵御亭主 様
蘊恥庵御亭主様の御意見に・・・
100% 胴囲×同意◎致します。
情報技術でも情報科学でも・・・
一番大切なことは・・・「同時処理」
「並行処理」であります。
要するに「御料理」ですね。笑
愚僧は料理(片付け含)の
手際の良い女性は・・・基本的に
「プログラマー」に適職だと
信じております。笑
無理・無駄・斑がありませんから。
女性に科学は最適だと思います。
愚僧など・・・・本当に
手際が・・・悪い悪い。苦笑
子育て・・認知症の両親の介護・・・
炊事・洗濯・御掃除・家計簿・・・・
愚僧の妻は まさに「スーパーウーマン」です。
まさに「女性は太陽」ですね。
愚僧は 怒声× 土製× 土星◎でしょう。
別名 鎮星 Saturn・・・・
占星術では・・・・「災いの星」笑
合唱おじさん   軽薄× 敬白◎


投稿: 合唱おじさん | 2008.10.01 20:02

合唱おじさん様、おはようございます。
まったくその通りです。
女性にはかないませんよ。
そのへんを女性自身もしっかりわかって、
そして男にいばらせてくれてればいいんですが、
どうも最近そういう意味では女性もちょっと愚かになったというか…。
いずれにせよ、男性の肩身の狭いのはかわりませんね(笑)

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.10.02 09:25

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