『常識はウソだらけ』 日垣隆 (WAC)
地球温暖化問題をはじめとする環境問題が、結局のところ政治問題、そして政治は経済のためのもの、すなわち環境問題がカネになるというようなことを、繰りかえし書いてきました。
世の中でも、それに関する論議が盛んです。環境問題のウソのような本が出るかと思えば、環境問題のウソのウソのような本も出る始末。結局、カネになるんですよね。
友人から借りたこの本は、環境問題に限らず、さまざまな世のブームや世の常識が実はウソであるということを語っています。
採り上げられている「常識=ウソ」は次の八つ。
1 リサイクル
2 定期検診
3 血液型診断
4 犯罪報道
5 動物保護
6 クジラ肉
7 不妊治療
8 カウンセラー
これらのいずれもが、私たちの知っている常識とはかけ離れた実情を持っているというわけです。それぞれの専門分野の方々に、日垣さんがインタビューするという形式のため、適度なツッコミも入るし、また私たちシロウトの代弁(疑問)もあるので、全体に読みやすいし理解しやすい。
本当なら「賛成派」と「反対派」みたいに、別の立場の人たちの論議をすれば面白いかもしれないけれども、しかし、それをやってしまうと、どこかのテレビ番組のように、どうせ収拾がつかなくなるだけですから、まあこういう一方的な語りというのも、わかりやすくていいんじゃないでしょうか。
結局は、ここで語られていることも含めて、我々が情報を鵜呑みにするのではなく、ある程度は自分の頭で考えてみる必要があるということでしょうね。そして、自分の立ち位置を自分で決めると。もちろん、その位置はいつでも変わっていいわけですし、あるいは常に自己検証していかねばならないということですよね。
学校の先生なんかやってると、ほとんどが暗記させるばかりになりがちです。まあ私も生徒だったころはそうでしたが、教科書に書いてあることや先生の言うこと、あるいはニュースや新聞で報道されることは正しいと思っていましたっけ。
それがいつごろからでしょうね。世の中、というか大人の世界がウソで固められているということを意識したのは。そして、そのウソが結局カネのためのものであるということを知ったのは。自分がそういう大人になってみて分かったんでしょうかね。
最近、思うんですよね。資本主義、市場経済主義というのは、人間の悪い部分を助長するシステムだって。オリンピックを観てても思うんですよ。ルールぎりぎりまで悪いことしたヤツ、いや、見つからないように悪いことしたヤツが勝つ世界なんですよ。自由に競争させると、そういうことになる。悪いことしないと勝てない、もうからない。正直者はバカを見てしまう。偽装だって単純にそういうことです。単なるカネのためのウソですよね。
今日、谷亮子選手が準決勝で負けました。柔道がスポーツになりさがった結果、あんな柔道でもなんでもない試合を見るハメになってしまう。勝ち負けをガチンコでやると、ああいうずるい試合になってしまう。あれは柔道でもなんでもないですよ。
と、全然関係ない話になってしまいましたが、人間は単なる勝ち負けだけにとらわれると、いやなヤツになっちゃうんです。いかに相手をだますか、ということに終始してしまうんです。この本で挙げられている「常識=ウソ」もそういうことでしょう。
かといって、単なる勝ち負けではない経済システムである共産主義は、別の意味で人間を堕落させます。やっぱり第三の経済システムを考える必要があるんでしょうね。仏教経済学かなあ。仏教経済学だったらこの本の八つの常識はずいぶんと違ったとらえ方になりそうですね。
Amazon 常識はウソだらけ
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コメント
>それがいつごろからでしょうね。世の中、というか大人の世界がウソで固められているということを意識したのは。
幸いなことに意識した時を私はハッキリと覚えています。中学一年生の理科の授業中でしたね。先生自身が、教科書に書いてあることなんて、
「今のところ正しいとされているだけですよ。」
と仰いました。
また中にはまじめに授業を受けている生徒もいますから、
「じゃぁ、1+1=2じゃないってこと?」
と疑問を投げかけると、
「そうかも知れませんよ。今のところ1+1=2にしとくのが都合がいいですからね。」
........。
リテラシー。当時はそんな言葉を知りませんでしたが、そういう意識が芽生えた瞬間でした。
------------
さて、話は飛躍します。
「とある事象に対し、立脚点の違う当事者が複数あったとすると、果たして真実は一つと成り得るか?」
その問いに対し私は、
「真実なんて無い。」
言い方を変えれば
「真実は人の数だけ存在する。」
と、答えます。
世の中争い事は絶えませんが、自己が正しいと主張するだけでは決して折り合いは付かないでしょう。
「相手を理解する。」
難しいことなんでしょうね、現状を見ると。
投稿: LUKE | 2008.08.10 10:03
柔道は本当につまらなくなりましたね。
国際柔道協会を牛耳っているのがルーマニア人の
カジノ経営者らしいです。ガチンコの裏にやくざという図式は
某総合団体にもあったような・・・・・。
投稿: 貧乏伯爵 | 2008.08.10 18:24
LUKEさん、おはようございます。
いやあ、本当に難しいですよ。
真実は一つ…なんて絶対ありえませんね。
あるとすれば、真実は一つではないという真実です。
私はそういう意味で「真実に到達するかも」と言っているんですよ。
あまり自分の真実にこだわると苦しくなりますよね。
他を攻撃しなくてはならなくなりますし。
たとえば戦争の原因は全てそういう姿勢にあるのかもしれませんし。
それにしても、先生という仕事は因果なもんです。
私は国語なんで、真実は一つでないという真実を教えられますが(笑)。
伯爵さま、どうもです。
そうなんですかあ。柔道も終わりですね。
剣道はなんとか頑張ってます…でしょうか。
武士道とスポーツはなじみませんね。
ヤクザの世界も最近野暮ですよ。
案外武士道的な世界だったんですけどね、今や経済システムに呑まれてしまいました。
あ〜あ。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.08.11 08:14
私も剣道は最後まで大丈夫なのではと考えていました。テレビで見るだけなのですが、礼の仕方のなっていない人はいないみたいですし。
また、真剣より圧倒的に軽い竹刀を使うなど、柔道に比べても実戦からおよそかけ離れたヴァーチャルな世界を構築していますから、わかる人だけにわかるというスタンスを取り続けられるし、そうせざるを得ないということで、自然と妙なものが入り込まないですみそうに思えるのです。
投稿: 貧乏伯爵 | 2008.08.11 22:50
剣道の世界選手権とか見ても、もう圧倒的に日本が強いですよね。
てか、外国人には無理ですよ。
それでいいじゃないですかね。
スポーツとか国際化とか、どうでもいい世界があってもいいと思います。
剣道7段だか8段だかのおじいさんの試合のビデオ観ましたが、
あれはもう神の世界というか、逆に笑っちゃいましたよ。
なんじゃ、こりゃって。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.08.12 09:26