『ギラティナと氷空の花束 シェイミ』 湯山邦彦監督作品
ポケモンの映画を観てきました。劇場版ポケモンは初体験です。まず一言疲れた。
ポケモンはおととしで10周年でしたっけ。10年以上続くということは、これはすごいことです。その理由の一つとして「恋愛」が意図的に排除されているということが挙げられると、私は考えています。タケシという一目ぼれしやすいキャラはいるとは言え、それはもうほとんど恋愛ではなくギャグになっています。今回の映画でもしっかり彼の目はハートになっていましたが、そこでは場内の笑いを買っており、これは純粋な恋愛とは言えませんし、実際なんらかの形に発展することはありえないわけですね。サザエさんやちびまる子ちゃんのような長続きするファミリーアニメのご多分にもれず、このポケモンもまた、どんな形であれ完結への力が働きやすい恋愛を巧み排除しています。
登場人物たちが歳をとらないという意味においても、「もののあはれ」という日本的物語性が欠落しています。それが子供たちにはしっくり来るんですね。「モノ心」つかない子どもに「モノ」の本質を語ってもしかたありせまん。
大人から見ますと、そのへんに「モノ足りなさ」を感じるわけですが、逆に面白いと感じることもあるんですね。そう、今年卒業した男子生徒に、高校生にしてポケヲタというのがいまして、彼は昨年1年間は受験生ということで「ポケ断ち」したんですよ。それで、結局慶應義塾大学の薬学部に行った。ものすごい頑張りを見せました。彼を見ていると、ポケモンに関する学習経験が見事に受験に役立ったと思わせるものがあるんです。
すなわち、数多くのポケモンの名称を覚えなければならない、それもある程度の類型化と、イメージ化が必要なんです。さらにポケモンの命名には案外語源意識がしっかりしていまして、つまり、和語、漢語、英語、ギリシャ語、ラテン語、その他の言語が、その意味をもとに使われていることが多く、名前やそのキャラクターを覚えるということは、外国語の学習に直結しているようなんです。そう言えば私も1学期の古典文法のテストで、ポケモンの名称における「活用(進化)」を出しましたっけ(笑)。正格活用と変格活用とがあるんですよ。正格にもいろいろな種類があって面白い。
まあ、そんなこともあって、娘たちには大人になるまでポケヲタでいろ!と命じてあります。たいがい小学生の高学年になると卒業しちゃうんですよね。実際はそこからが勝負なのに…なんちゃって。
さて、そんなポケット・モンスターの劇場版を初めて観ました。テレビ版は、これはもうとてもアクション(格闘)系アニメとは思えないほどのセルの少なさで、いかにも日本的な「止め絵」や「紙芝居」による独特の躍動感を醸し出しております。いや、ホントすごいですよ、動かないで動きを表現するなんて。冗談抜きで日本絵画の伝統的な逆説的表現法ですよね。
それが、まあ映画だとこんなにも動くのか、これではディズニーよりたちが悪い、というほどうるさいものでした。CGも使い過ぎです。平坦化されたアニメーション部分と、リアルさを追求したCGとのバランスの悪さ。これは正直ひどいと思いました。いかんなあ。
ストーリーも案外難解というか、子どもにはあのくらい畳みかけるのがいいのかもしれませんが、しかし、大人からするとやや全体に動き過ぎ。また、テレビアニメの劇場版によくある、意外に感動的という展開でもなく、ドタバタで終わってしまったような気もします。また、前作を観ていないとわかりにくい部分、また次作へ引き継がれる部分も多く、ついでに前半ものすごい眠気に襲われて(笑)、脈絡がつかみきれませんでした。子ども向けの作品なのに…。
音も大きく派手、映像も賑やかで、そう、こういう時って人間は眠くなるんですよね。静かなシチュエーションより、こういう徹底的にうるさい方がよく眠れるのです。私はテレビ版アニメで充分ですね。娘は感激して涙していましたが。
ところで、いつかも書きましたが、「モンスター」の「mon」と「モノ」は同源である可能性もあります。つまりモンスター=物の怪というわけですね。そのモノノケを意のままに操る基本設定は、まあ闘犬や闘鶏、闘牛のようでもありますが、どちらかというと近代西洋文明的ともとれます。まあ、人間以外を自らの下位に見ているとも言える一方、互いに協力し信頼しあって成長していくとも言えますけど。いずれにしても、モノノケをまつろわぬモノとして抹殺したり、無視したり、幽閉したりするのではないあたり、考えようによっては日本的なのかも。案外、古代の人間と自然(モノ)との関係とは、こんな感じだったのかもしれませんね。シェイミもギラティナも神話や物語に出てくる神にも似てますし、レジギガスに至ってはダイダラボッチっていう感じでしたし。
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コメント
hello!
It"s very interesting.
I'm in Australia now.
I remember this article.
Pokemon and sazaesann Tibimaruko... is not have love
;says Mr.yamaguti before.
[I know what you do at school kousuke told us.]
says Matt. sumimasen+++
投稿: kousuke watanabe | 2008.08.14 18:11
あらら、オーストラリアからわざわざすまないねえ。
たしかに授業中話した内容だね、この記事。
Mattによろしく!
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.08.15 14:41