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2008.08.18

ロベルタ・マメーリ ソプラノリサイタル

Mameli 楽祭三日目。私は午後から参加です。午前中は学校で夏季補習と、なぜかお坊さん風な仕事。墓石を動かしたり、お墓の中に上半身を突っ込んだりしたため腰をいためました。けっこうピンチ。
 そんな私の腰の痛みを和らげてくれたのが、マメーリさんの歌声でありました。夜のコンサート、音楽祭の講師としてイタリアよりお招きしているソプラノのロベルタ・マメーリさんらによるリサイタルは、それはそれはもう素晴らしい夢のような時間と空間でありました。
 昨年は都合で本番が聴けず、舞台袖からリハーサルを垣間見するだけでしたが、今年はしっかり客席から聴きましたよ。マメーリさんの天上の歌声とうぐいすホールの素晴らしい響きによって、この世にいることを忘れてしまうほどの感激を味わいました。音楽の、歌の、人の声の、言葉の力。
 プログラムは次の通りです。

1 カッチーニ 「甘きため息よ」
2 カッチーニ 「死なねばならないのか」
3 ステッファーニ 「あたりにそよ風が吹き」
4 フェッラーリ 「恋する男たちよ、教えてあげよう」
5 モンテヴェルディ 「アリアンナの嘆き」
6 ハイドン 「ナクソス島のアリアンナ」
7 ヴィヴァルディ 「この世に真の平和なく」
8 モンテヴェルディ 「ああ、ぼくの恋人はどこだ」
9 アンコール

 カッチーニから一気にあの世へ連れていかれました。パワフルなのに押しつけがましくない美声。限りない表現力。ステッファーニやフェッラーリは初めて聴きましたが、実に美しかった。まさに生き生きとしたバロックの精華。言葉と音楽の幸福なる合体。
 二つの「アリアンナ」を続けて聴けたのも良かった。モンテヴェルディは今まで何度も聴いてきたはずですが、これほどまでに劇的な演奏に触れるのは初めて。いやあ、モンテヴェルディは天才だ。ハイドンのカンタータは初めて聴きました。伴奏はイタリアから帰国した松岡友子さん。昨年のブルージュで「銅メダル」をとったお嬢さんです。彼女は高校生の時にこの音楽祭に来てチェンバロに目覚め、その後10年ほどの間に世界に飛び立った逸材です。音楽祭関係者として実に嬉しいですね。彼女がフォルテピアノを弾くというのも珍しいのかもしれません。やはり、イタリアで勉強しているからでしょうか、マメーリさんとの息もぴったりでしたね。
 弦楽合奏を従えたヴィヴァルディも名演でした。今年の全体アンサンブルはヴィヴァルディのマニフィカートなんですけれど、まあ、ヴィヴァルディというのは改めて鬼才だなあと感じます。モンテヴェルディ以来のドラマティックさなのではないでしょうか。二人ともいきなり新世界を切り開いた感があります。バッハがヴィヴァルディを研究しつくしたというのも納得です。
 さて、このリサイタルの圧巻、白眉は、何と言ってもメゾ・ソプラノの波多野睦美さんとのデュエットでありましょう。昨年もしびれまくりましたが、今年もまたすごかった。二人の声質や表現は違うわけですが、それが絶妙にブレンドしあった時の、あの奇跡の響きと躍動感は筆舌に尽くしがたい。まさにムジカ・ムンダーナ(天上の音楽)であります。アンコールはなんという曲だったかなあ。循環バスの上を自由に踊りまくる二人の天女。鳥肌が立ちっぱなしでした。
 こんな素晴らしい演奏会を、少人数のお客さんで独占できるなんて、本当に幸せなことです。まあ、ある意味もったいないというか、もっと多くの人に聴いていただきたいような気もしますね。しかし、本当に美しかった。マメーリさんに感謝。音楽に感謝。
 今日はお墓の中から天国まで、まあ浮世離れした一日でしたなあ。

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