宝塚を観てきました!
東京宝塚劇場で行われている花組公演「愛と死のアラビア」に行ってきました。私は生宝塚初体験です。
教え子にかなり熱いヅカファンがいまして、彼女が在学当時からなかば強引にDVDの鑑賞などをさせられていました。それについてはけっこう記事にしてきました。最初は「宝塚だけは分からない」というスタンスだった私も、さすがによく訓練されたエンターテインメントに感心したり、日本にしかない特殊な文化としてとらえて、歌舞伎やBL文化との比較対照などをしているうちに、慣れてきたのか、あるいは免疫がついてきたのか、それなりに楽しみ方もわかるようになってしまい(笑)、まあいずれは生で観てみようかなあ、などと漠然とは思っていたんです。
で、今回彼女がなんだかよくわかりませんが、スペシャルなシートをゲットできたとかで、私を誘ってくれまして、とうとう生観戦…じゃなくて生観劇が実現したわけです。
結論から申しましょう。やっぱり生はいいですね。あと、これはプロレスに近い。いかにフィクション世界に没入できるか。そのへんは私はけっこう鍛えていますから、かなりすんなり入り込めましたよ。感動した部分と、多少不満に思った部分もありましたが、それらについてはのちほど。
今回は文化的考察も含めての観劇でした。けっこう早く現地に到着したので、多くのファンの方々の様子を観察させていただきました(笑)。劇場前にテーブルを準備する各団員さんのファンクラブの皆様や、空気を読めない初心者団体バスツアー客のおばさんたち、単独行動するいかにも腐女子然としたコアなファンの方など、昨年の夏休みの初体験ジャニーズ(関ジャニ∞)なみの面白さがありましたね。
そんないろいろなファンの方々をしりめに、私たちはなんだかスペシャルな形でチケットを受けとりました。チケット販売窓口でもなく、テーブルでもなく、テールというんでしょうか、とにかくちょっと特別な場所で、ある団員さんの名前を名乗って取り置きのチケットを受けとりました。おいおい、初体験にしてこのマニア感はなんなんだ(笑)。ちょっと優越感…エセですが。私、関ジャニ∞の時もそうでしたが、かなり怪しい風貌なので、一見業界の人に見えるんですよね、ハハハ…エセですが。
さあ、それで入場しまして、席に着く前にカフェや売店を観察。う〜む、なかなかの腐臭ですぞ。なんかいろんな生写真が壁に貼ってあって、それをみんなケータイで撮影しています。そうそう、マニア度が高くなればなるほど、ケータイを首から提げてる率が高まるように感じました。常に戦闘態勢ということでしょうか。ちなみに男子率は関ジャニ∞とほぼ同レベル。1バーセントくらいでしょうか。もう少し低いかな。まあとにかくかなりのアウェー感。夫婦で来ているベテラン男子もいますが、ちょっとびっくりしたのは、いかにもオタク風な男二人組が数組いたことでしょうか。
連れはカフェでサンドウィッチやデザートを食べていました。あのサンドウィッチが900円!?ありえねえ。帰りに寄ったショップでのすさまじい消費力もそうですが、やっぱり宝塚文化というのは、戦後の女性の地位向上、あるいは経済力向上が支えてますね。DVD1万円というのも高すぎる。でも、もうカネにいとめをつけない…どころか、消費力を競い合っている風さえある。微妙なファン同志のライバル意識のようなものは、どの世界も一緒ですね(笑)。
私も子どもたちにおみやげ(ヅカ&キティちゃんコラボあられ)やらプログラムやらを買いました。そうこうしているうちに開演時間が迫ってきまして、着席しました。おお、ど真ん中の好位置。全体をバランスよく見渡せる、これは初体験には最高のロケーションですぞ。劇場自体は思ったより狭く、これなら最後尾でも役者さんの表情がよく見えますね。大劇場はもっと広いのでしょうか。東京はこじんまりしていて、いい感じでした。
さあ開演です。肝心の内容に関しては、案外簡単な感想になります。まあシロウトですから、あんまり偉そうなこと、マニアックなことは言えません。
まず、お芝居の「愛と死のアラビア」ですが、脚本が少し弱かったかなあ。もっと宝塚らしいコテコテの純愛成就ものを期待していたんですが、本作はどちらかというと男女の関係よりも、男と男、あるいは男と国家や政治という部分が強調されていて、まあそれは逆にマニア的には特別な感じがしていいのかもしれませんが、初体験の者にとっては、ちょっとカタルシスが足りないような気がしました。たしかに戦争に対するメッセージ性、宗教や文化、言語の壁を越えた崇高なヒューマニズムを感じましたが、どうなんでしょう、宝塚にいらしている方々の求めているものはもっとコテコテなものじゃないんですか?
実話をもとにしているために難しい部分があったんでしょうね。これはしかたない。ラストもなんとなくあっけなかった。私が脚本家だったら、ちょっと違うエンディングにしたと思います。同じ結末にしても、無理矢理でも「愛のカタルシス」を強調したと思いますが…まあそれもシロウト的な考えなんでしょうか。
役者さん的にも、門外漢にいろいろと言われたくないでしょうけれど、やや不満も残りました。主役である真飛聖さんは、まあそつなくこなしていたと思いますが、やや早口でセリフが聞き取りにくい時がありました。もっと落ち着いた役柄だと思います。歌や踊りもそこそこですが、存在感というかオーラは今一つ。どちらかというと大空佑飛さんの方が存在感はありました。ただ彼…いや彼女は意外にセリフが少なかった。ある意味真飛さんを喰わないようにとの配慮かもしれません。でも、もう少し演じさせても良かったのでは。彼…いや彼女はいいものを持っていると思うので。
真飛さんとコンビを組んだ桜乃彩音さん、彼女はどうなんでしょう、調子が悪かったのか、歌が今一つでしたね。特にファルセットになった時にパワーが落ちます。ですから、デュエットなんかでは、真飛さんとのバランスが悪い。せっかくの聞かせ所で、感動できませんでした。
壮一帆さんは、上手でしたね。役柄的にも実は重要な位置。さりげなくもそつなくこなしていました。セリフ以外の部分でもキャラクターをうまく作り上げていましたね。他の人たちは、正直どれが誰かわかりませんでした(笑)。
お芝居が終わりまして、30分の休憩時間になると、お客さんは席上で皆さんお弁当などを食べ始めたのにはビックリ。そういう文化なんですね。
さて、後半のショー『Red Hot Sea』は、これは前半のお芝居の不完全燃焼を忘れさせてくれる、豪華絢爛これぞ宝塚という素晴らしいものでした。DVDで観ていたのとは違って、その立体感、奥行き感は本当に素晴らしい。生ならではです。テンポよくあっという間に1時間が過ぎてしまいました。初めて観るラインダンスにもちょっと感激。若いこの子たちの内、誰がこの厳しい世界を勝ち抜いていくんでしょうか。
教え子に言わせると、今回のショーはどちらかというと特殊な感じだったということでした。たしかに黒燕尾によるダンディーなダンスのシーンなんかはありませんでしたね。でも、しっかり純愛カタルシスも表現されていて満足いくものでした。
あっ、あと感動したのは、バンドというかオーケストラのうまさですね。よく訓練されてます。編曲的にもけっこう楽しめましたけれど、演奏自体をよく聴いていても面白かった。特に感心したのは、弦楽器の方々ですね。特に途中のヴァイオリン二重奏は美しかった。ヴィブラートを抑え、正確な音程で絡んでいて実に古楽的。一瞬、バロックオペラを鑑賞しているのかと思ったほどです。GJ!!
というわけで、ちょっと不満も残る部分もありましたが、全体としてはやはり豪華絢爛かつよく訓練されたパフォーマンスで感激しましたね。女性の心理的な部分も含めた文化的考察もかなりできましたし満足です。それにしてもなあ、以前も書きましたけれど、なんであんなにたくさんスタイリッシュな美女が集まってるのに、私は「女性」を感じないのだろう。やはり、巧みに女性性を隠蔽してるんだよなあ。それが女性の支持を得ている理由なんでしょうね。そういう意味ではやはり歌舞伎の対極とは言えないし、BL世界とも明らかに手段が違うよなあ。ジャニーズ的発想とも違うし、どちらかというと韓流の世界に近いかなあ。不思議な妄想世界です。もっともっと研究してみたいと思いました。また機会があったら観てみましょう。
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コメント
楽しんで頂けたようでホッとしました。
何故あんなに女性がハマっちゃうのか、って当事者はあまり考えない、というか考えてる暇がないんですよ(笑)。
だから、こうやって客観的に考察していただくのはすごく有り難いですね。
機会があればぜひ観劇してみて下さい。
投稿: LUNA | 2008.08.11 12:58
どうもありがとね。
楽しかったし、勉強になったよ。
また違った演目を観てみたいね。
いやあ、ホント文化として面白いよなあ。
不思議すぎ。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.08.12 09:23
ヅカおたくとして興味深く読みました!
今年の高2になったばかりの4月、ズキュ―(゜∀゜)―ンてはまりました。本当、自分でも何でこんなに女に惚れてんだろって思います。
男として見てる訳ではないんですが
かといって、あゆやaikoや、「デキる女」に憧れたりするのとも全然違うし
この感覚は宝塚以外ではなかなか味わえないから、ハマる人がいて長く続いてるんでしょうね。
投稿: みく | 2008.09.06 18:56
みくさん、こんにちは。
コメントありがとうございました。
なんだか、ヅカおたくでもないのにいろいろ語ってごめんなさい(笑)。
今回生体験しまして、やはりこれは日本独特の文化であり、
古来の「何か」があるのだなと確信しました。
私は個人的にそういう文化をちょっと研究しているので、
今後もいろいろと勉強してみようと思ってます。
その時はまたいろいろ教えてください。
やっぱり当事者たちに聞くのが一番なので。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.09.08 10:21