第23回都留音楽祭開幕
朝6時半に秋田を出発。Uターンラッシュを避けて行きと同じ日本海ルートで富士山へ。今日は予期せぬ渋滞もなく予定通り11時間で到着。到着20分後に再び車に乗って都留へ。さすがに腰が痛い。
なんとか都留音楽祭のオープニングコンサートに間に合いました。コンサートを聴きたいというのももちろんありますが、私は実行委員としてオリエンテーションの司会やら何やらをしなければなりませんので、とりあえず間に合って安堵いたしました。
疲れ切った肉体を癒してくれたのが講師陣総出演のオープニングコンサートでした。毎年こんな素晴らしい音楽を身近に聴けるのは本当に幸せなことです。この豪華なプログラムをご覧ください。
1 バッハ ヴァイオリン・ソナタ第4番ハ短調より〈ラルゴ〉
〈ジグ〉― ボレ(北風の神)/ゼフィール(西風の神)
音楽:バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より
構想/振付:浜中康子(ペクール他の舞踏譜に基づく)
〈ガボット〉パストラル
音楽:バッハ 無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調より
構想/振付:浜中
〈エア〉― 眠り/沈黙/夢
音楽:管弦楽組曲第3番ニ長調(BWV1068)より
振付:トーマス・ベアード
以上 浜中康子・北條耕男(Dance)、渡邊慶子・伊藤誠 (Violin)
福澤宏(Viola da gamba)、岡田龍之介(Cembalo)
2 コレッリ 2つのリコーダーのためのソナタ ヘ長調
吉澤実・大竹尚之(Recorder)、福澤宏(Viola da gamba)
土居瑞穂(Cembalo)
3 テレマン 新しい四重奏曲(パリ四重奏曲)第2番イ短調
中村忠(Flute)、渡邊(Violin)、福澤(Viola da gamba)
岡田(Cembalo)
4 ベートーヴェン ピアノソナタ 嬰ハ短調 作品27の2「月光」
小倉貴久子(Fortepiano)
5 ダウランド 〈彼の金髪も〉〈流れよ わが涙〉
〈うせろ 自分しか愛さない者たち〉〈時よ しばらく立ち止まれ〉
波多野睦美(Mezzosoprano)、つのだたかし(Lute)
どれも本当に素晴らしい演奏でした。1ではバッハの音楽がやはりダンスミュージックであることを再発見。私、以前バッハの無伴奏では踊れないみたいなことをこちらに書いていますが、撤回いたします(笑)。すみません。
2はコレッリの明るさ、純粋さの際立つ名演。吉澤さん、大竹さんの二人の個性の違いがまた楽しい。コレッリの音楽はある意味バランスが良すぎてバロックではない、だから難しい…と、チェンバロ・アシスタントの渡辺敏晴さんと話しました。ソロのお二人が微妙に違って初めてバロックらしくなっているとも言えますね。
3も良かったなあ。テレマンにしてはかなり気合いの入った曲です(笑)。どのパートも楽器の特性がフルに生かされていますね。音のバランスも非常によく、一つの塊としてよく聴こえてきました。テレマンってシロウトが弾くと、けっこうバラバラに聞こえやすいんですよね。弾いてる方は楽しいんですが。
4はちょっと衝撃的でした。これぞ「月光」ですよ。清冽で明確。そう、月光って案外ストレートなものですよね。影を見れば分かります。もともと太陽の光ですから。この前、ランカスターの録音を聴いた時も思いましたが、ベートーヴェンってフォルテピアノで弾くと俄然明確になりますね。やはり、ベートーヴェンは楽器の特性をよく理解した上で作曲しています(当たり前ですが)。フォルテピアノは現代ピアノとは違って音色が音域によって不連続に変化します。ある意味そのおかげで声部がはっきり聴きとれるんですね。まるで何種類かの楽器で合奏しているように。現代ピアノだとそのへんうまく混ざり合いすぎてはっきりしないんです…と、私はいつも思うんですが、どうでしょう。今日の演奏では、あの半音階のスケールのところなんか、こわいくらい粒立って聞こえましたよ。一つ一つの音のたびに鳥肌も立ちましたよ(笑)。
5の波多野さんの声もまた、まるで月光のように冴え冴えとしていました。つのださんのリュートは風のようにその光の周りを揺れています。美しい…。
というわけで、今年も音楽祭が始まりました。この音楽祭も23回目。毎年書いていますが、私の人生はこの音楽祭抜きでは語れません。そんな感謝の気持ちも込めて、今年も実行委員の仕事をし、そして演奏にも参加し、皆さんと存分楽しみたいと思っています。
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