地納豆「栄養納豆」&「富士納豆」
最近の納豆はずいぶんとスマートになりまして、スーパーで売っているものは、ほとんどが小粒で臭くなく、そして柔らかい。昔ながらの「便所の臭いのする」納豆がほとんどなくなってしまいました。第一、「便所の臭いのする」便所がなくなっちゃったか(笑)。
さて、そんな中で、納豆通をうならせる納豆が我が地元にあります。そう、あのフジファブリックを生んだ昭和レトロの街、下吉田にある丸屋納豆・豆腐製造所さんの「五湖名産 栄養納豆」です。
さすが、昭和の遺跡とも言われる街で作られているだけのことはあって、昔ながらの見事な味わいと歯ごたえを提供してくれていますよ。
まずはパッケージが素晴らしい。デザインが秀逸。鮮やかな赤の単色刷りで描かれた芸術的(?)な富士山と桜と鳥居は、もうそれだけで日本人の郷愁を誘います。
第一、「栄養納豆」というネーミングがいいじゃないですか。ある意味非常にストレートですが、案外不思議な語感もある。やはり納豆を食べる目的は栄養補給でしょう。そういう原点すら、ノスタルジーの対象になってしまったのでしょうか。
そして、今や少なくなってしまった大きめな長方形のパッケージのフタを開けると、まず感動するのは、「タレ」が入っていないこと。小さな「カラシ」は入っていますが、タレはなし。これもいいですねえ。やっぱり醤油か塩ですよ、納豆は。最近の付属のタレはなんだか甘くてどうしようもない。合成調味料の味しかしない。家に醤油くらいあるでしょう。たしかにカラシはない可能性がありますから、こうやって付いてくると助かりますよね。
さて、納豆本体ですが、これがまた懐かしい。豆がでかい。それこそ最近の量販品は、大豆とは言えないような、小豆のような大豆ばかり。それにくらべてこれはまさに単なる大豆という感じがして、なぜか安心します。そして、プ〜ンと匂ってくる、いや臭ってくるこの「便所臭」…いや「納豆臭」。ウ〜ン、もうすでに唾液の分泌が活発になっているぞ。
さて、醤油をかけまして、少量のカラシも入れつつ、グルグルゴシゴシとかき混ぜます。本来の納豆はこのかき混ぜ具合で味の調整ができるものです。今日はあんまりたくさんかき混ぜずに、大豆のストレートな味を楽しんでみましょうか。
そして、この歯ごたえ。固い、硬い、堅い。いいですねえ。この存在感。あの軟弱な連中には納豆の名を名乗らせたくない。舌の上に広がるこの苦味、渋味。これですよ、納豆の醍醐味は。白いご飯にもピッタリ合いますし、卵と混ぜた時も、あのトロトロの中のゴロゴロとした感じが実にいいんですよね。
まあ、昔の納豆はみんなこんな感じでして、あるいはこの丸屋納豆が特別おいしいわけではないのかもしれませんけど、一種の郷愁とも言うべきものが味覚に影響しているのは事実のようです。あの街並みを思い出しつつ、そしてフジファブリックを聴きながら、この納豆を食す幸せは何物にも代えがたい(フジファブリックはいちおう今の音楽のはずですが…笑)。
この丸屋の栄養納豆、ネットでも買えるので、ぜひ一度ご賞味ください。
ついでと言ってはなんですが、もう一つ。こちらはちょっと違った味わいですが、大月の富士納豆販売所さんの「富士納豆」も紹介しておきましょう。こちらは丸屋に比べますと、豆も柔らかく臭みも少ないのですが、飽きのこない優しい味です。私はけっこう好きですね。
こちらのパッケージ・デザインもいいですねえ。モチーフは丸屋さんとほぼ同じですが、3色刷りで少しゴージャスな感じがします。非常にバランスの良いデザインではないでしょうか。
富士納豆販売所さんは、国の重要文化財「星野家住宅」を所有する星野さんが社長さんを務めています。星野家住宅は、甲州街道の花咲宿の本陣だった建物で、明治天皇も休憩されたこともある由緒ある建物です。
ちなみに星野さんのおじいさん置塩奇(おしほくすし)さんは、あの有名な北大の寮歌『瓔珞みがく』の作曲者なんだそうな。そのようなこともあるのか、星野家住宅ではよくコンサートが催されています。私もいつかあそこで演奏してみたいなあ。
そういえば、最近納豆作ってないなあ。こちらの記事によりますとちょうど3年前ですね。あれ以来納豆作ってない。3年前と同様、もうすぐ納豆発祥の地秋田に行きますので、今度こそいい丸大豆を手に入れてこようかな。
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コメント
前略 蘊恥庵御亭主 様
愚僧は 納豆は 「良薬」だと感じています。
納豆 や ヨーグルトなどの
醗酵食品は 健康維持にとても大切です。
えぇぇぇ・・・それから
麹菌の「甘酒」や 大豆の「豆乳」なども
健康に良いようです。
あとは・・・・大豆の醗酵食品・・・
味噌汁なども・・・大切ですね。
隊長不良× 体調不良の愚僧も
納豆・味噌汁は毎日 食しております。
納豆は寺院でも古来より食されていましたし・・・
ヨーグルトなどの乳酸菌飲料は・・・まさしく
醍醐の味覚で体調管理に最適です。
愚僧も尚一層 薄幸× 醗酵食品を取り入れ・・・
体調を整え・・夫婦で「共通道楽」の落語や
歌舞伎の鑑賞を楽しみたいと考えております。
あっ・・仏道の精進も・・・笑
合唱おじさん
投稿: 合唱おじさん | 2008.06.27 21:45
合唱おじさん様、こんばんは。
夫婦の共通道楽のために秋田に来ております。
秋田は発酵の里です。
いろいろあります。
お酒もおいしく、もうすでにかなり酔っぱらっております。
般若湯ですね。
発酵とはまさに他力ですね。
仏道そのものです。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.06.27 23:10