『フォーレ レクイエム(ピアノ編曲版)』 ナウモフ
今日はレクイエムを聴かねばなりません。昨年の春も大変に辛い別れがあったのですが、今年もまた…。あまりに若すぎます。辛すぎます。
私の人生を変えるきっかけを与えてくれた方がまた亡くなってしまいました。それも私よりいくつも若い…。また永遠に恩に報いる機会を失ってしまいました。
悲しすぎると涙なんて出ないものです。と言いますか、正直まだ事実を処理しきれていません。ですから、もう生きている私が、とにかくしっかり、この時を大切にしていくしかありません。
ただこのふわふわしたような気持ちをいかにすればよいのか、たいへんに難しいのです。そんな私のどこかたよりない魂を、優しく鎮めてくれる音楽がここにあります。
レクイエムとは、いったい誰の魂を鎮めるものなのでしょう。レクイエムを聴くのはいったい誰なのでしょう。誰のために演奏されるべきものなのでしょうか。これは音楽がいったい誰のためのものなのかという、根本的なテーマにも関わってきます。
フォーレのレクイエムと言えば、私はこちらのラター盤を最高のものと思っているのですが、今日はあえて珍しいピアノ独奏版を聴きました。この演奏はもう10年近く前にもなりましょうか、FMか何かでふと耳にして、大変に好ましく思った記憶があります。
それが、今日NMLのトップページを開いたら、ちょうどそこに紹介されていました。これも不思議なことでした。もう、これは彼と自分のために聴くしかありません。
人の声からピアノの音へ。この抽象が、私の魂を透明にしてくれます。
しかし、彼にとって、この現世の音の連なりがどれほど意味のあるものなのか、それは分かりませんし、正直どこか頼りないような気もします…。
もしかすると、音楽は、生きている私たちにとっては、単なる麻薬のようなものなのかもしれません。そんな気すらしてしまうのでした。そうでないと信じたい自分ももちろんいるのですが…。
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