USBメモリー購入〜大事なものは取っておくべきか
ふだんはこちらで紹介したトランセンドのオシャレなUSBメモリーを使ってます。で、今回ちょっと必要がありまして、1GのUSBメモリーをいくつか買いました。上海問屋さんの上海問屋セレクトが一番安かったので、さっそく注文しまして、到着した商品を見たら、全部トランセンドの製品でした。有名メーカーさんの製品がこのお値段(677円)なんて。まったくどうなっているのでしょう。
トランセンド(transcend)とは、「超越する」「理解を超える」という意味ですよね。まさに「まったくどうなっているのでしょう」です。
少し前に読んで感銘を受けた中沢新一さんの「僕の叔父さん」にも何回かトランセンデンタルという言葉が出てきました。超越した、深遠な、人知を超えたというようなニュアンスでしょうか。
パソコン用のメモリーは、まさにどんどん過去を超越してゆき、とどまることを知らない大容量化が進んでいます。トランセンドという社名も、そういうイメージから付けられたのかな。
ところで、メモリーが増える一方なのは機械での話であって、我々の人間のメモリーはある意味トランセンデンタルに小容量化していきます。私もけっこうやばいですよ、最近。もう「ディスクがいっぱいです」なのか、新しい情報は記憶されないし、それどころか過去のデータも壊れているらしく、読み出せないこともしばしば。
ところで、ハードディスクなんかもそうですけど、やたら大容量化すると恐い一面もありますよね。全てのデータを一瞬で失うとか、盗まれるとか、なくすとか。人間の場合も同じかもしれません。最近もある本を読んでいて思いました。天才的な頭を持った人が突然亡くなってしまったりすると、ものすごく不安になるんですね。人間のメモリーの場合、バックアップを取る技術が未完成ですから、本人が壊れちゃったり消えちゃったりすると、烏有に帰すことになっちゃいます。
そう考えると、人間の脳ミソのデータというのも適当に分散させておくのがいいかもしれませんね。一人の天才にまかせておくと、結局全部失う時が来る。数十年で装置の寿命が来ちゃいますから。
いや、天才が早世し、凡才や憎まれっ子が長生きするのは、神様の「なくなっていいようなものは取っとくけど、なくなって困るものは取っとかない」という究極のやり方なのかもしれませんね。
天才自身も、「自分」という大事なものを取っておこうとしない傾向がある。酒に溺れたり、薬に走ったり、自死も多いし。我々非天才は自分を後生大事にしますよね。どうせなくなっちゃうのに。
よく、「大事なことを忘れた」とか「どうでもいいことは覚えてる」とかいう言葉をよく聞きます。これは、実は正常なことなのかもしれません。だいたい、その「大事」とか「どうでもいい」とかの判断基準って、どんなところにあるんでしょうね。そのへんの「意味」について考えるのもまた一興かと。
というわけで、いわゆる「大事なもの」を取っておきたがり、そして取っておくがために不安に陥っているのは、案外人間だけかもしれませぬぞ…と言いつつ、今日もこうして記録し続けるワタシ。いや、これは大切なデータじゃないから、取っておいていいのか…。
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