« 土方巽・生誕80年記念  HOMAGE TO HIJIKATA vol.1 舞踏・新研究フォーラム2008 | トップページ | “Wonderful&Beautiful”レミオロメン TOUR 2008 at 山梨県民文化ホール »

2008.03.10

『風かおる草原 中央アジア』(はじめての民族音楽シリーズ)

46fh 小学校2年の娘がなんだか泣きながら教科書を読んでいるので、そんなに勉強がいやなのかと思ったら、どうもちょっと違うらしい。のぞきこんでみると、おお懐かしい、「スーホの白い馬」ではありませんか。まだ教科書に載ってるんだ。40年ちかく前、私も小学校2年生の時読んだ覚えがあります。定番教材なんですね。
 で、娘は白馬がかわいそうすぎて泣いちゃってるわけです。むせんで朗読の宿題が一向に進まないと。あれ?どんな話だったっけ。そんなに悲しい話だっけ。よしパパが読んでやる。ということで、いちおう国語の先生であもあるし、たまにはかっこいいとこ見せてやろうと思って読み始めたら、あらら確かにこれは悲惨な話だ。教育上よろしくないんじゃないのか、というくらい残酷なお話ですね。泣きはしないけれど、けっこうショックですねえ。
 読み終えた私は、馬頭琴の音を聞かせようと思って、二階のCDコレクションをあさり始めました。たしか「草原のチェロ」という馬頭琴だけのCDを持っていたはずだ。15年ほど前、ある方のお宅で、モンゴルからツアーに来ていた馬頭琴奏者の方とジャムセッションをやったことがありまして、その時にすっかりその音色に魅了され、さっそくCDを買ったのでした。しかし、そのCDが見つからない。
 代わりに見つかったのが「はじめての民族音楽」シリーズ「風かおる草原 中央アジア」です。ああ、こんなのも買ったっけな。1曲目が馬頭琴による演奏「ボー・ジンホア」です。これをかけながら娘に朗読をさせたんです。この音を聴きながら、スーホや白馬の気持ちを考えて読みなさいって(笑)。それは酷ですよねえ。よけい悲しくなる。哀愁の音色ですから。
 いやあ、いいですねえ。馬頭琴やホーミーのモンゴル音楽もいいんですが、その他のカザフ、キルギス、ウイグル、タジク、ウズベク、トルクメン、アゼルバイジャンの音楽。音階やリズムが実に多様です。もろにシルクロードですからね。けっこう西洋モードに入ってる曲もある。かと思うと、これは完全に日本の民謡ではないかというものもある。
 まあ民族音楽と言っても、完全に古いものが残っているわけではありませんからね。楽器にしても、たとえば馬頭琴なんかずいぶんと改良されてしまい、それこそチェロみたいになってしまいました。木製だしf字孔はあるし魂柱は立ってるし弦もナイロンだったり。その他の地域の楽器にしても、案外日本の正倉院のものが最も古いオリジナル楽器だったりするんですよね。
 そうそう、「スーホの白い馬」では、死んだ馬の骨や皮を使ってモリンホール(馬頭琴)を作りますが、今や馬頭琴にはほとんど馬の体の一部は使われていません。せいぜい弓の毛(馬のしっぽ)くらいかな。昔は弦もしっぽをよって作ったんですけどね。弦が雄のしっぽ、弓が雌のしっぽ…あれ?逆だったっけな。
 ところで、「スーホの白い馬」という話、モンゴルではほとんど知られていないらしいですね。モリンホール誕生譚としては「フフー・ナムジル」が圧倒的に有名です。こちらは不倫のお話。愛人に「これで通って来て」と羽の生えた駿馬をプレゼントされ、夜な夜なそれに乗って奥さんにナイショで飛んでくんですよ。それで朝帰りする。でも最終的にばれて、激怒した奥さんがでっかいハサミで羽をヂョキンと切ってしまう。それで馬は死んじゃうんですね。ショックで男はその馬の皮やなんかを使って楽器を作るんですよ。こっちは悲しいというより恐い話ですね。ダンナが金持ち女のヒモだったことを知った奥さんが、女が買い与えた高級車をボッコボコにぶっつぶす…みたいなもんかな(笑)。こりゃあ、教科書には載せられないな。

Amazon 風かおる草原

不二草紙に戻る

|

« 土方巽・生誕80年記念  HOMAGE TO HIJIKATA vol.1 舞踏・新研究フォーラム2008 | トップページ | “Wonderful&Beautiful”レミオロメン TOUR 2008 at 山梨県民文化ホール »

教育」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

モダン馬頭琴ならうちにあります。こんどお見せしましょうか?魂柱まであって弦以外はほとんどバイオリン族の楽器のようにソビエト指導の下で「改良」されてしまったようです。
あ、そうそう我が家にもネルグイさんという奏者の方がおいでになって演奏していただいたことがありますよ。

投稿: 貧乏伯爵 | 2008.03.11 17:47

伯爵さま、おはようございます。
ぜひぜひ見せて下さい。
弾いて聴かせて下さい。
「改良」すなわち「西洋化」ですな(笑)。
そういうものばかりですね。
私がお会いしたのもネルグイさんかも?

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2008.03.12 07:42

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/55913/40461272

この記事へのトラックバック一覧です: 『風かおる草原 中央アジア』(はじめての民族音楽シリーズ):

« 土方巽・生誕80年記念  HOMAGE TO HIJIKATA vol.1 舞踏・新研究フォーラム2008 | トップページ | “Wonderful&Beautiful”レミオロメン TOUR 2008 at 山梨県民文化ホール »