グラッペリのバッハ
ちょっと面白い音源を見つけましたので紹介します。この前はグールドのバッハを紹介しましたね。あれはすごかった。こちらは楽しいですよ。あのヴァイオリンの神ステファン・グラッペリの弾くバッハの二つのヴァイオリンのための協奏曲第1楽章です。
もちろん彼のことですからフツーの演奏ではありませんよ。楽しいというかカッコいいことになっています。
この録音は1937年のものですから、もう70年以上前ですか。これは著作権の問題もクリアー…なのかな。とにかくアップします。まずは聴いてみてくださいな。
伴奏は、これまた神中の神、ジャンゴ・ラインハルトですよ〜!もう一人のヴァイオリンはエディー・サウスという黒人ヴァイオリニストです。
どうですか。カッコいいでしょ。テイク1では比較的普通に弾いてますけど、テイク2はかなりやりたい放題になってますね。きっとニコニコしながらアドリブ合戦を繰り広げているんでしょう。
おそらく誰かが「この曲かっこいいからやってみようか」って言い出して、ちょっと録音してみたっていう感じなんでしょう。この時、ジャンゴは27歳、グラッペリは29歳、エディーは33歳。若さ溢れる演奏ですね。
この演奏を聴いて思ったんですけど、この私も弾き古した曲、実はジプシーっぽいんですね。半音階的進行のフーガのテーマや、10度の跳躍を含むソロのテーマなんか、実はちょっとエキゾチックだったんだ。確かに第3楽章も変だよな。
バッハの家系ってハンガリーかどこかがルーツではなかったかな。そういう血が流れてるのかもしれませんね。バッハと言いますと、ドイツやヨーロッパを代表する硬い音楽を連想してしまいますが、ちょっと違う観点から見ますと、彼の音楽がある意味特殊で、バロックというより「バッハ」というジャンルを形成していることがわかりますよね。だって変だもん。変だから当時受け入れられなかったんでしょう。当時はやったフランス趣味なんかからしますと、かなりダサい音楽だとも言えますよね。
そんなことを考えさせられるグラッペリたちのバッハでありました。私、今年はバッハを違う目で見てみようかな、なんて考えています。また何か変なものを探してみます。
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