『フジファブリック ライヴ at 両国国技館』(フジファブリックツアー 武者巡業2007 ファイナル)
6月のZeppに続いてフジファブリックのライヴに参戦してまいりました。
今日は忙しくて、仕事が終わってすぐに地元の教会でちょっぴり演奏。それから両国まですっとんで行きました。富士吉田を出発したのが午後3時、開演は5時でした。Zeppの時と同様にギリギリに入場。それでもこうして2時間で東京の会場に行けるわけですから有難いとしましょう。
あっそうそう、今回は教会に行く前に、フジファブリックのバンド名の由来となった「富士ファブリック」の横を通ってきました。独身時代のワタクシの巣のご近所であります。いちおうライヴ前の聖地巡礼(?)ですね。
さて、ライヴの内容です。私は6月と全く同じ感想を持ちました。音楽的なことはそちらの記事をお読みください。今回は初のアリーナということもあってか、あるいは単に大相撲の聖地だからか、なんだか会場がシ〜ンとなるシーンが多く、私としてはじっくり音楽を聴くことができて楽しかったのですが、皆さんのノリ的にはイマイチだったのでは。
やっぱりお客さんが大会場に慣れてないって感じでしたね。志村くん本人も言ってましたけど、地方のライヴハウス規模だと、やっぱり「近い」。そういうのを大切にするバンドですし、音楽的、パフォーマンス的、あるいはMC的な微妙な味わいは、ホント近くないとわかりませんよ。金澤くんの靴下の裏の水玉なんか、私のいた2階席からじゃあ、全く見えませんよ(笑)。全然関係ないけど、いくらお相撲さんがでっかくても、この距離だと細かいとこ(ってどこ?)は見えませんね。やっぱりお金払わなきゃ…か。
1月発売のニューアルバム収録の新曲も何曲か披露されました。あいかわらずやりたい放題。気持ちがいいほどに「なんだこいつら」って感じです。好きですねえ、こういうの。エセプログレ的展開、調性すら確かでない曲があるかと思えば、コテコテの歌謡曲調あり。本当にいろいろな要素を織り交ぜ、しかし木に竹を接ぐような違和感はない。これこそが彼らのセンスの良さだと思いますね。
まじめとふまじめ、和と洋、かっこいいとかっこわるい、難解と簡明、屈折と直截、反復と変化、都会と田舎、悩みとお気楽、成熟と未熟、老獪さと若さ…そういう相矛盾するものをバランスよく配合するのが、彼らの魅力です。非常に多様なんだけれども、一本のフジ節というのがあるんですよね。正直やるな(ニヤッ)と思います。
今回は何曲かジーンと来てしまった。特にMCを含めて「若者のすべて」はぐっと来ましたね。切ないなあ。若いっていうのも切ないし、若さを失うっていうのもまた切ない。40も半ばにさしかかろうかというオジサンは両国国技館で妙におセンチになってしまったのでありました。
とにかくとっても楽しく充実した時間でしたよ。体も脳ミソもよく動きました。原始的本能的な「もの」と、理知的オタク的な「こと」の両方を満たしてくれる数少ないバンドであることはたしかです(もしかして私にとってはビートルズ以来だったりして!)。これからも応援しつづけましょう。
ps 奥田民生のカバーも演奏しました。私は奥田民生のわざとらしさ…いい意味でも悪い意味でも…よりもフジの自然なおかしさの方が好きですね。それを確認しました。奥田さんはやや才能におぼれてるのかも(なんてね)。
Amazon 若者のすべて
若者のすべて(YouTube)
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コメント
庵主さん、こんにちは!
先日は本当にありがとうございました。
とっても楽しいライブでした。
シ~ンに戸惑いつつ、かなり踊っちゃいました;
『地平線を越えて』や懐かしの『環状七号線』に感涙。
スクリーン越しのメンバーの演奏にはかっこえぇーと
何度も呟いてしまいました。
サポなのに城戸君はいつも素晴らしいなー。
学校が国技館のすぐ隣で、学園祭でFF5曲もやったのに
沖縄への修学旅行で来られなかった甥っ子。
セトリ見せたら悔しがりそう(笑)
奥民、私ニガテなんです。でもフジがやったらよかった。
志村くん、さすがです。
また行きたいっす!
投稿: くぅた | 2007.12.17 13:26
くぅたさん、本当にいつもお世話様です。
なかなか魅力的なセットでしたね。
本当に今回はじっくり鑑賞できました。
帰り、東京の空がものすごく切なかったっす。
彼らも都会の切なさ、田舎のいとおしさを歌にしてるのかなあって思いました。
もちろんレミオもそうですね。
てか、日本文学は全部そんな感じかな。
また、よろしくお願いします。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.12.17 14:14
はじめまして。
2か月ほど前に初めてフジファブリックの「若者のすべて」を聴き、その後youtubeにて「虹」を...
今は、両国国技館のDVDをBGMにコメントしております。
志村正彦という人、フジファブリックの音楽に年甲斐もなく魅了され、現在に至ります。
この2か月の間にさまざまな情報を得る中、こちらのブログでは他で感じる以上の愛ある記事に思わずコメントを書いている次第です。
もうこの世には存在しない志村正彦という人、そして志村
投稿: y | 2012.08.10 21:56