『メディア・リテラシー—マスメディアを読み解く』 カナダ・オンタリオ州教育省 (リベルタ出版)
昨日、メディアリテラシーの教材を提示いたしましたが、今日もまたメディアリテラシーの必要性を感じる出来事やらニュースやらがたくさんありましたので、そのあたりについてウブでもヤボでもないと自認する私が、ちょっとグチります。
まずこれからいきますか。今日、職場つまり学校で「食育」についての講演会がありました。保護者対象です。3食ちゃんと食べましょう、食べさせましょうと。ま、その内容自体は成長期の高校生に関することが中心でしたので、それほど問題はなかったし、至極当然のこと、世間でよく言われてることでした。1日1食しか食べない、それも朝昼抜きで丸3年以上、いたって健康の私にとっては耳の痛い話でしたけどね。大人の、たとえばメタボの話や生活習慣病の話も出てきましたので、私はクラスごとの会合では、その講演者と逆の話をさせていただきましたが。大人は減食によってカロリー制限せよとね。肥満も生活習慣病も3大疾病も、日本人が3食ちゃんと食べるようになってから急増したと。
で、その講演の中にも当然のように出てきたんですが、「朝食を食べない子どもはキレやすい、集中力がない」ってやつ。どう思いますか?私はいつも逆だと思ってるんですよ。逆。
つまり、「キレやすい、集中力がない子どもの親は(ダメ親で)朝食すら作らない、食べさせない」ってこと。現場の人間から言わせると、たぶんこっちの方が正しいっす。ものすごく乱暴に言ってしまうと、「ダメな子どもの親はダメ親」、いや「ダメな親の子どもはダメ」ってことです。
なんて話をしたんですが、親御さんたちはいったいどんなリテラシーをもって私の話を聞いたことでしょう。ちなみに生徒は私の話はまず疑って聞きますので、「またハッタリ言ってる〜」って言うでしょう。いいことです。でも、実はホントのこと言ってるんだよなあ、オレ…(笑)。
さて、さて、テレビやネットや新聞のニュースがまた面白かった。
「内藤vs亀田」…昨日観れなかったので、今日ニコ動で観ました。コメントも含めて大変楽しませていただきました。あれはまさにルール無視の自爆テロ。プロレスにもなってません。いや、ルール厳守のプロレスとは正反対です。単なるガキのケンカ。毎度のことですが、TBSの「煽り」に対しては皆さんちゃんとリテラシーを発揮されているようですね。いいことです。そういう意味ではGJなのかもしれません、TBS。
ビックリしたのはゴアさんがノーベル平和賞を獲ったことです。ちょうどイギリスで(!)この本に誤りがあったという判決が出たところでしたし、なんとも面白いタイミングでした。これによってまた、メディアリテラシーのない連中は無批判無責任に「地球温暖化だ!地球を守れ!」って言い出すんでしょう。ノーベル賞もずいぶんと政治的なものですよね、昔から。どうせじゃ、ゴアさん、ペレリマンみたいに辞退した上に出家でもして見せればいいのに。飛行機乗り回してないでさあ。それこそ地球に優しいっすよ。
そのほかにも「角福」「赤福」「赤白」という、まるでしりとりのようなニュースが連続していて笑ってしまいました。「角福」はもちろん第二次角福戦争のこと。「赤福」は赤福の製造年月日捏造のこと。「赤白」は楳図かずおさんの赤白ストライプの家の話です。どれもニュースが煽る、煽る。特に民放。
とにかくちゃんと私たちがメディアに対する接し方を知ってなきゃダメです。メディアとは私の「モノコト論」ですと、「コト化」の装置のことです。「モノ」と「コト」の中間、ミーディアムの複数形です。中間といいますか、コトの最先端部分なんですね、それが「コトの端(言の葉)」です。私たちにとって外部の未知情報(モノ)が内部の既知情報(コト)になる、その瞬間部分なんです。そこんとこを無防備にしておきますと、他人の「カタル(語る・騙る)」コトがそのままこっちの内部に侵入してきて、そして成長増殖するんですよ。だから、ちょっと関所を設けるといいますか、免疫力をつけるというか、フィルタリングするというか、そういう知恵が必要なわけです。それを世の中ではメディアリテラシーって言うようですね。
ちょっと前に「国語におけるメディアリテラシー教育」の発表をした(させられた)ので、その時大量の参考文献を読みました。本を読みながら西洋からの直輸入に自己満足している輩が多いことに辟易しつつも、なんとか得意のハッタリ力で発表は乗り切りました。まあ、勉強になることも多々ありましたよ。ですので、いちおう今日はメディアリテラシー教育のバイブルというか古典と言われている本を紹介しておきます。
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コメント
ノーベル平和賞にゴアさんって話を聞きまして、私も大変ショックを受けました。orz 権威も地に落ちたと申しましょうかね。
省エネ、結構! 環境保全、大変結構! 私はそれらに異を唱えようなんて思っていません。しかし、昨今の環境バカ共の巻き起こす、ファッショ的な風潮には恐ろしさすら感じてしまいます。奴らは環境問題で儲けてやろうと必死になっています。
今本当に必要なのはものは、“環境問題を考慮した”新しいビジネス・モデルと、環境問題そのものをビジネスにしようと躍起になっている風潮とを混同しないための、個々人のリテラシーです。環境問題をビジネスにした時点で終わりだと思っています。
投稿: LUKE | 2007.10.13 15:11
LUKEさん、こんばんは。
完全に同意いたします。
こういう偽善にすっかり騙されるこまったちゃんが多くて疲れます。
いわゆる「先生」にも多いんですよねえ。
どうしましょ、って感じです。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.10.13 19:45