BUMP OF CHICKEN 『メーデー』&『花の名』
来月頭のコンサートに向けて最後の合わせで八王子へ。車中でじっくり聴いてみました。今回も彼ららしい濃い世界が展開されてました。
私はバンプのものすごいファンというわけでもないし、ふだんそれほど聴いているわけではありません。だいたいバンプのファンというのはかなりコアな人が多く、他はあんまり聴かない、バンプ最高という人が多い。逆に「何がいいの?」「きもい」という人も多い。そういうバンドですね。私は時々聴いて感動するというタイプのファンです。
ここのところやや商業的な活動も目立ちましたが、それでもなんというか、ただ売れ線を狙ったというか、あからさまなメジャー路線になったわけではなく、いつもどおりの彼ららしいアプローチでした。
それでもそういう動きに抵抗を持つファン、まあたいがいそういう人たちは昔からのオタクなファンであるわけですが、そういう人もいるようです。今回のシングルもなんだか違う、という声も聞きます。「花の名」はメジャーな映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の主題歌ということですからね。単純に喜べない気持ちも分かりますが。いつかもどこかで書きましたけれど、ファンというのは実にわがままなものです。才能のある人たちの成長に、凡人である自分がついていけていないことに気づかずに…。
さてさて、今回のシングル、疾走感あふれる「メーデー」と叙情感あふれる「花の名」、見事なコントラストを描いていますね。ものすごく名曲だとか、あっやられた、とかいう感じはありませんが、好感は持ちました。じっくり味わってみたいタイプの曲。カップリングもしみじみとしていて良い。
彼らの、というか藤原くんの楽曲というのは、コード進行にはほとんどひねりや新味はない、と言いますか、すでに多くあるおいしい展開がほとんどなんです。でも、そこに乗せるメロディーにのびのびとした解放感、浮遊感があって魅力的なんですよね。上空を飛んでいる感じなのに、不思議と安定しているのがよろしい。
そしてなんといっても歌詞。バンプの多くのファンはそこに惚れているんでしょう。今回も実に美しく感動的な日本語が並んでいます。特に今回は、人の縁と恩についての言葉が多く、ふむふむと感じるところ多々あり。
先ほど失礼にも「オタク」という言葉を使いましたが、これはある意味ほめ言葉でありまして、つまり、心が外ではなく内に向かう人、能天気に今を楽しむというタイプではなく、なんとなく日常が生きにくいと思っている人、そういう意味では実は人生や世の中の本質をわかってしまっている人が共感するのが、藤原くんの詩です。
簡単に言ってしまうとですね、そういう人への応援歌的なところがある。彼の曲はほとんどが長調ですし、とても伸び伸びとしていて自由な感じがする。いろいろと悩んでいるところに、とっても優しく希望を与えてくれる言葉を投げ掛けてくれたりする。さっきも書いた通り、日常って実は一番厄介じゃないですか。それを誰かの支えでなんとか乗り越えていこう。やたら大きな夢を描いたりするんじゃなくて、まずはお互い助け合って毎日をしっかり生きていこう。そんなメッセージを感じるんですよね。言い古された言葉ですけど、「一人じゃない」ってやつですか。
思い通りにいかないのが、すなわち「もののあはれ」が人生の本質です。それを表現して共感を得るというのが、日本の文学や「歌」の特徴です。「ああ(あはれ)」と言ってため息をついて終わるタイプもありますし、バンプのようにそれでもなんとかやっていこうよという一歩進んだものもある。いずれにしても、「もののあはれ」を感じないような鈍感な人、あるいは意図的に感じないようにしているずるい人、または「もののあはれ」に沈殿してしまっている人には、彼らの歌はあんまり意味がないんじゃないでしょうか。
まさにメーデー(SOS)を発する人、たくさんの花の中から一つを選び出す人、そういうもう一歩の努力ができる人たちのために、彼らは唄い続けるのでしょう。
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受信: 2007.10.30 19:48


コメント
こんにちは!
まったく同感の感想です。あたしはそこまでコアなファンではないですけど(BUMPを取るか風味堂を取るか悩んでるくらいですから…)、最近のBUMPは聴くたびにいい味が出てくるというか、そうだったのか!と気づけるっていうか…。なんか今までと違う、でもやっぱりBUMPだった!って思える曲たちですね。書いている人たちだって日常を過ごしていて変化していっているわけですから、ずっと同じであるはずがないわけだし…。メーデーと花の名が出てから、最近のシングルをよく聴くようになりました(笑)
長々すみません..m(__)m
投稿: ユキ | 2007.10.30 11:42
ユキねえさん、こんにちは。
BUMPも我々も成長しないとね。
私はようやく色々な人たちの変化を素直に受け入れられるようになってきましたよ(なんて、オレ何歳なんだ?)。
ところで、この2枚のシングル、間違って2セット注文してしまいました。
どなたか未開封のものを買ってくれませんかね?
お安くしときます。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.10.30 13:14
私も同感です。
なんとなくではなく、切実に日々生きにくいと思っているので、藤くんの詞にはいつも泣かされます。
彼の優しいけど強い歌詞は、唯一無二のように感じています。
いい意味で、真綿で首を絞められるような(笑)
ただ、私もコアなファンではないので、レミオも聴くし、吉井和哉も聴くし、ついでに(ついでって・・・)チャゲアスも聴いちゃったりするんですが。
投稿: mio | 2007.10.31 01:28
mioさん、コメントありがとうございました。
たしかに優しくて強い詞ですね。
彼自身、かなり生きにくさを感じてるのではないでしょうか。
でも、それをああいうふうに昇華できるというのは、まさに彼の優しさと強さのなせるわざでしょう。
とりあえず向き合って逃げないでいこうということですね。
だって、どう考えても生きにくいって考えてる人の方が正しいんで。
それが確かですから、こうして私もなんとかやってるわけでして…。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.10.31 09:27
CDをお安く!?残念、もうあたしは買ってしまったんです…↓とっても残念…(笑)あ、フジファブリックもちゃんとお返事してないですね…すみません(T_T)
投稿: ユキ | 2007.11.04 16:52
CDまだあります。誰かいませんかね。
フジの方、私は行こうかと思ってます。
新曲いいですよねえ。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.11.05 07:44