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2007.10.02

『数学者はキノコ狩りの夢を見る〜ポアンカレ予想・100年の格闘〜』(NHKハイビジョン特集)

071001a 昨日録画したものを観ました。これは面白かった。ヘタな映画よりもずっとエキサイティングでした。これは生徒に見せなければ。
 ちょっと前に「コマ大数学科」の記事を書きましたね。あの時のコマ大フィールズ賞はコマ大チーム(たけし軍団)が獲りましたっけ。で、今日はホントのフィールズ賞のお話。数学のノーベル賞と言われる、そのフィールズ賞を辞退した上に、行方までくらましてしまったロシアの天才数学者グリゴリ・ペレリマンをめぐる物語(ドキュメント)です。
 20世紀の数学的難問の一つ、フランスのこれまた天才数学者アンリ・ポアンカレ(ポワンカレ)が残した「単連結な3次元閉多様体は3次元球面と同相と言えるか?」というあれですね…って全然わかりません(笑)。当たり前です。番組でも紹介されていましたが、とにかく100年間天才たちがこの難問に翻弄され続けてきたのですから。
 この番組では、まずはこの難解なポアンカレ予想を、私たち凡才にもわかりやすく説明してくれました。ここがまず秀逸でした。1本のロープをロケットにくくりつけて宇宙を1周させ、そのロープを地球で引っ張って回収できたら、宇宙は丸いという証明になる、ということを、NHKは実写やCGを駆使して見事に説明してくれました。今回の番組は特に映像や編集が優れていたように思います。BBCの上質な科学ドキュメントを観ているような感覚におそわれました。いずれにせよ、難しいことを易しく(優しく)伝えるというのは易しくなく難しいことでして、そこには優しさが必須なのです(って難解な文だな)。
 さて、なんだか難しいけれど壮大で面白いポアンカレ予想。あっそうそう、ポアンカレ自身についても少し紹介されてましたね。彼もかなりの天才的変人というか、変人的天才というか…こちらにも書きましたが、数学者ってホント魅力的です(ハタから見てるとね)。で、その後もこのポアンカレ予想に変態的…いや天才的な数学者たちが振り回され続けます。なんでしょうね。もうこれは恋愛ですね。ライバル同士の心理状態は、これは完全に恋愛状態です。ほかのことなんかどうでもいい。もうポアンカレ予想ちゃんだけが人生になってしまう。ますます変態的でよろしい。
 途中、伝統的な微分幾何学の世界からトポロジーへと、その主役が移っていきます。すなわち、ポアちゃん(…ポアってなんか懐かしい響きだな)をゲットしそうな、ナウいイケメンが現れたって感じです。トポくん。このトポロジーというのもかなりぶっ飛んでますね。たしかに革命的な発想です。トポロジーはある意味視覚的ですし、一見シンプルですので、CGの得意とするところですよね。実際、番組のトポロジーに関する部分は実に活き活きとしていました。序盤と終盤のどよ〜んとした空気に対して、中盤はポップな感じで楽しかった。
 実はそのままポップなトポくんが、なにげにさりげにポアちゃんゲットしそうな雰囲気だったんですね、実際の数学界でも。フィールズ賞もトポロジー系が独占していたとか。中でもサーストンの幾何化予想はすごいですねえ。「宇宙がどんな形であれ、必ず八つの断片からなりたっているはずだ…3次元多様体は一様な幾何構造の断片に分解できるだろう」。なんだかよくわかりませんが、意外なほどシンプルで美しい。これにはポアちゃんも参るだろう…。
 そんなところに現れたのが崩壊ソ連からアメリカにやってきたペレリマンです。彼はとにかく自由人であり、また明るく社交的だったと言います。彼の専門は時代遅れともとられていた微分幾何学でした。難問の一つソウル予想を実に簡潔に証明してしまったり、その天才ぶりを発揮しつつあった頃、彼は運命的な出会いをしてしまいます。物理学の分野であるリッチフロー方程式を入り口にポアンカレ予想の世界に取り憑かれてしまうんですね。
 ロシアに帰ったペレリマンは、全く人が変わってしまったようにひきこもってしまいます。恋の病ですね。そして2年のひきこもりののち、彼はさりげなくインターネット上にポアンカレ予想を証明した論文を掲載します。これには世界中の数学者が驚きました。もちろん、最初は眉唾ものだとタカをくくっていたんですが、どうも論理矛盾が見当たらない。いったいこれは…もしかして。
Perelman アメリカの大学に呼ばれたペレリマンは、ものすごい勢いでその証明について講義をしました。世界中の天才数学者たちの恋が破れる瞬間です。なんとペレリマンは、トポロジーではなく、微分幾何学や物理学を使って証明してしまったのです。
 その瞬間のことについて、ある学者はこう言っていました。「証明が終わってしまったと落胆し、トポロジーが使われないことに落胆し、さらに証明が理解できないことに落胆した」…これって、失恋に落胆した上に、もともと自分には恋の成就の可能性がなかったことに気づかされるってことですよね。たしかにきついわ、こりゃ。
 しかし、しかし、彼はその後数学の世界から、いや数学だけではなくほとんどこの世から姿を消してしまいます。誰も連絡すら取れません。その姿を見かける人もほとんどいません。世の中からは忘れ去られていきます。冒頭でペレリマンの写真を見たロシア人が「俳優?テロリスト?」みたいなことを言っていたのには、つい笑ってしまいましたが。
 いったい彼に何があったのでしょう。今、彼は故郷の森でキノコ狩りをしているのだとか。彼はいったい何を見てしまったのでしょうか。恋が成就した途端、ポアちゃんだけでなく、女全てに興味がなくなってしまったのでしょうか。あるいは、その証明の過程に彼は神と交信してしまったのでしょうか。人の世に嫌気がさしたのでしょうか。何度も書いている通り、数学と宗教は「コト(脳内世界)」の究極の形であり、その意味では両者とも完全なるフィクションとも言えます。その世界を垣間見てしまった彼。彼が「出家」するのもなんとなく理解できなくもありません。
 番組の最後に、彼は恩師の訪問をも拒否します。完全に彼は私たちとは違う世界にいるようです。しかし、友人にはこう語ったと言います。私はその言葉に希望と恐怖を覚えました。
 「今、興味を持っていることがある。それが何かはまだ話せない」

追記 再放送を観て(2009.11.23)

Amazon ポアンカレ予想・100年の格闘 ~数学者はキノコ狩りの夢を見る~ [DVD] ポアンカレ予想を解いた数学者


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コメント

こんばんは
先程見ました!!NHKで。
なぞなぞがわかったときの「あはっ」は誰でも快感ですよね?謎に取りつかれるのもわかる気がします。何かを突きつめるときって頭がどこか違う次元にいってしまうんでしょう。そのまま、もどってこれなくなるんじゃないでしょうかねぇ。「ポアンカレ病」といって茶化す家族のあったかさがよかったです。

投稿: まっこ | 2007.10.23 00:29

まっこさん、おはようございます。
朝起きたら、この記事のアクセス数がとんでもないことになっててビックリしました。
皆さんご覧になって興味を持たれたのでしょうね。

ちなみに昨夜の番組は短縮版でした。
「数学者はキノコ狩りの夢を見る」は1時間50分ものでした。
でも、コンパクト版もテンポよくて良かったですね。

いやあ、つくづく自分は天才じゃなくてよかったと思いますよ。
あの教授もそれこそ家族が茶化してくれなかったら…。
でもなあ、宗教にはまってる人もそうですけど、
茶化すと怒るヤツもけっこういるからなあ(笑)。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.10.23 05:59

(他記事にコメントいただいたので、こちらに転載します)

10月22日のNHKテレビ番組で、このポアンカレ予想の問題を見ました。私なりに考えてみました。ご意見をお寄せ下さい。
問題は、『地球からロケットに乗り、そのロケットに長い長いロープを付けて、宇宙のありとあらゆる所を旅行します。そして、旅行が終わり地球に辿り着いた時、手元にはロープの始まりと終わりの両端があります。そのロープの両端を持ったまま離さないで、ロープ全体を手元に引き寄せます。そして、ロープが全て手元に引き寄せられた時、この宇宙はおおむね丸いと言えるか。』という問題でした。宇宙が仮にドーナツ形であれば、ロープは穴に引っかかって引き寄せられません。
トポロジーでは、小さい差異には拘りません。形は自由に伸ばしたり縮めたり出来ます。その様に加工して同じ形になれば、同じ形と考えます。球体・円錐・三角錐・円柱・立方体も全て同じ形と考えます。この問題では、伸ばしたり縮めたりして球体になる形を『おおむね丸い形』と定義します。球体をいくら伸ばしたり縮めたりしても、穴が無いのでドーナツ形にはなりません。トポロジーでは球体とドーナツ形は異なる形と考えます。この問題は、球体以外の形で、内部にロープをありとあらゆるコースを辿って張り巡らせて、その両端を離さずに引っ張って全てを回収できる形があるかということを言っています。
物には色々な形が有ります。ドーナツ形も在れば、穴の2つ3つのドーナツ形や、ドーナツの途中に1つの結び目のある形、または2つ3つの結び目のある形と、さまざまな無限の種類の形があります。それらの形はいくら伸ばしたり縮めたりしても、球体にはならないので、『おおむね丸い形』ではないと言えます。
そこで、ロケットに付けたロープを長い円柱形であると考えてみましょう。ドーナツ形は、ロープ(=円柱形)の両端をくっ付けた形です。ドーナッツの途中に1つの結び目のある形は、ロープで1つの結び目を作り、両端をくっ付けた形です。穴が2つあるドーナツ形は、ドーナツ形を2つくっ付けた形です。この様に円柱形のロープをいろんな風にぐるぐると括ったり絡ませたりした上で、その両端をくっ付けることで、異なる形を無限に作ることが出来ます。そして、それら1つ1つを組み合わせることで、ありとあらゆる形を作り出せるのです。逆にいえば、物の取りうる形は、その様にして作り上げた形以外にはないと言えます。(ロープの途中をくっ付けることは、トポロジーでは両端をくっ付けること同じです。くっ付けたところから先を、縮めて無くしてしまえばいいのです。)
そのロープの絡ませ方で異なる形になり、その絡ませ方は無限で、両端をくっ付ければ、無限に異なる形を作ることが出来ます。しかし、ロープの両端をくっ付けない限り、そのロープは複雑に曲がりくねってはいますが、円柱形であり、伸ばしたり縮めたりすれば、結局球体になります。ロープの両端をくっ付けて初めて、球体とは別の形になるのです。
今度はそのロープ自体を、この問題の宇宙と考えて見ましょう。円柱のロープの中心に、一本の赤い紐があるとします。(その赤い紐は、この問題にあるロケットに取り付けたロープです。)円柱のロープの両端をくっ付けてしまうと、途中でどの様にぐるぐるとロープを絡ませても、中心にある赤い紐の両端を離さずには、赤い紐全てを引き寄せることは出来ません。(ホースの中に赤い紐を一本通して、そのホースを色々複雑に絡ませた上で、両方のホースの口をくっ付けたと考えてください。そうすると中の赤い紐の両端を持ったままで、全てを引き寄せることは不可能であることは、容易に分かります。)ロープの両端をくっ付けない時のみ(=円柱=球体である時のみ)、赤い紐の両端を離さずに引っ張って、赤い紐全てを手元に引き寄せられます。(円柱のホースと、中の赤い紐をどんどん縮めると、いくらホースが複雑に絡み合っていても、球体の中に一本の赤い紐がある状態になります。この形であれば、いくら赤い紐が複雑に絡まっていても、手元に手繰り寄せることが出来る事は、容易に分かります。)従って、赤い紐を全て手繰り寄せられた時は、ロープの両端はくっ付けられておらず、ロープは複雑に入り組んだ円柱形であり、縮めると球体に還元することが出来ます。即ちこのロープは『おおむね丸い形』であると言えます。この問題に則して言えば、宇宙は『おおむね丸い形』と言えます。
この問題では、ロケットに取り付けたロープそのものが、宇宙の形を表現しているのです。いろんな形を作るには、無限にあるコースの1つをロープ(=円柱形)を付けたロケットが辿り、両端をくっ付けることによって初めて、球体とは異なる形になり、辿るコースの違いによってそれぞれ異なる形になり、逆に両端をくっ付けないと球体のままであると、ポアンカレは言っているのです。
宇宙は、一本のロープ(=円柱形)で作る無限のさまざまな形1つ1つに、分割することが出来ます。(穴の2つあるドーナツ形は2つのドーナツ形に分けることが出来ます。)それら、1つ1つの無限のさまざまな形が組み合わさって、宇宙を構成していると考えられます。宇宙の構成部分にひとつでも、球体でない形(例えばドーナツ形)が含まれていると、この問題のロープは引き寄せられないことは、今までの説明で明らかです。
ポアンカレは色々な形を頭の中で作ろうとして、丸い形(=球体)を色々引き伸ばしたり縮めたり、括ったり絡ませたりしてみました。しかし、最後にその両端をくっ付けない限り、元の丸い形に還元されてしまう。くっ付けて初めて、丸い形でなくなる。無限のありとあらゆる形は、引き伸ばした後の絡ませ方次第で作ることが出来る。そのことに気づきました。それはまさに、この問題におけるロープのイメージそのもので、問題の中に答えを隠しているのです。
ちなみにロープ(=円柱形)の両端をくっつけるには両端の外面と外面、内面と内面を普通にくっ付ける方法と、両端の外面と内面、内面と外面をくっ付ける方法の2通りがあります。前者は一本のホースの切り口両面を向かい合わせにしてつなげる方法で、そうするとホースの中心に通した赤い紐を手繰り寄せられないことは単純に分かります。後者はホースの切り口の片方を裏返しにして後方に剥き、内面が外側に向いた状態の切り口に、もう片方のホースの切り口をつなげる方法です。ホースの側面が交差します。その時ホースは内側と外側が連続した輪になりますが、ホースの中心を通した赤い紐の両端を、ホースの外の空間で持つことになるだけで、同様に手繰り寄せられないことが容易に分かります。

投稿 catbird | 2007.11.03 08:17

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.11.04 07:31

ポアンカレ予想とは『地球からロープを付けロケットに乗り、宇宙を旅行する。そして、地球に帰った時、ロープの両端がある。そのロープの両端を離さないで、ロープ全体を引き寄せられた時、この宇宙はおおむね丸いと言えるか。』という問題です。これは3次元閉多様体(3次元の縁の無い繋がった一枚の面)の中で、球体(3次元球面)以外にロープの引っ掛らない(単連結)の形があるかと言うことです。3次元閉多様体の作り方が有限ならば3次元閉多様体の数も有限であり、1つ1つ検証すれば、回答が出ます。ヒントは、3次元閉多様体を平面で輪切りにした時、必ず一本の輪になっており、その平面を幾ら動かしてもその輪は連続しており、必ず元の輪の位置に戻ると言う事です(ドーナツ形を考えて下さい)。輪の途中が切れていたり、元の位置の輪に戻らず途中で消えていたら、穴が開いている(=端がある)ことになります。小さくなり点になって消えること(鉛筆のキャップの形)はありますが、トポロジーではその部分は、縮めて無くすることが出来る為、その場合は無視して良いのです。二つの輪に枝分かれすることはあります。しかし、その輪は枝分かれした元の位置に必ず戻ります。(2つ穴のあるドーナツ形を考えてください)従って、枝分かれした場合、2つの基本的な形の組合せで出来ていると考えます。従って、3次元閉多面体の基本形は、一つの輪を移動させ始めの位置に戻すことで作れます。輪の形と動かし方の違いで、異なる形が出来ます。輪には3つの形があります。○(丸形)・∞(無限大形)・◎(一筆書二重丸・文字が無い為便宜上◎を使用する=一筆書きで二重丸を書いた形)です。この3種の輪は平面上で幾ら動かしても、他の輪にはなりません。∞は○にしようとしても、折り返せない点が外側に残ります。◎を○にしようとしても、折り返せない点が内側に残ります。従って、輪を移動させる途中で他の輪になることはありません。では∞にもう一捻りを加え三つの丸い部分のある形はどうでしょうか。これは、平面上で○になります。丸い部分が偶数なら∞になり、奇数なら○になります。一筆書き三重丸は平面上で○になります。この場合、丸が偶数なら◎に、奇数なら○になります。従って、輪の種類はこの3種類しかありません。基本的な動かし方は4種類あります。①輪が左右対称になる様な軸を取り、その軸を中心に回転させ元の輪の位置に戻す方法、(○の場合球体になります。∞の場合回転軸は2本取れますが、いずれも一点に於いて面が交わる為、存在しません。◎の場合回転軸は一本取れますが、これも面が一点に於いて交わる為存在しません。)②輪を外の点を中心として、一回転させ元の位置に戻す方法、(○の場合、ホースの口と口を向かい合わせに繋いだドーナツ形になります。◎の場合は、縦切り口が◎のドーナツ形[=幾ら伸縮し面と面をすり抜けさせて変形しても、ドーナツの内側に折り返せない輪がドーナツの穴を取り囲むように横{ドーナツを横たえた場合}に残ります])∞の場合は、縦切り口が∞のドーナツ型[=変形しても、ドーナツの外側に折り返せない輪が横に残ります])③輪を輪の外の点を中心として、半回転させ、途中で引き返し、来た軌道とは異なる軌道を通って元の輪の位置に戻る方法、(○の場合、ホースの口と口を同じ方向に向けて合わせた形=クラインの壷になります)④輪を上下方向に移動させつつ元の輪を取り囲むように大きくした上で元の位置に戻す方法、(○の場合ドーナツ形で②の方法と同じ形になります。)
トポロジーでは、面は幽霊の様にお互いにすり抜ける為、途中複雑に結び目が出来る様に動かしても、すり抜けて結び目は出来ず、この4種類の方法で作った形に還元されます。②で2回転させて元の位置に戻しても、面と面がすり抜ける為、ドーナツ形になります。③の途中で引き返すことを2度行った場合は、変形すると単なるドーナッツ形になります。輪が元の位置に戻る動かし方は、この基本的にはこの4種類のみです。ただし、途中の動かし方の変化が②③④には3種類あります。②について言えば、前記方法と、回転の途中で引き返し、来た輪を取り巻く様に大きくし、また元の進行方向に引き返しながら輪を小さくして元の位置に戻す方法(ホースを内側が外側になる様に外側にひっくり返えして剥き、また外側が内側になる様に内側にひっくり返した上で切り口をつなげた形=変形させても、ドーナツの外側に縦方向[ドーナツを横たえた時]に折り返せない輪が残ります)、逆に途中で引き返しながら輪を来た輪の内側に入り込む様に小さくし、また元の進行方向に引き返しながら輪を大きくして元の位置に戻す方法(ホースを外面が内側になる様に内側にひっくり返した上で、今度は内面が外側になる様に外側にひっくり返し切り口をつなげた形=幾ら変形してもドーナツの内側に縦方向の折り返せない輪が残ります)の3種類です。2回この操作を行うと変形すると唯のドーナツに戻ります。③について言えば、移動の途中に②の場合と同じ動きを入れる方法です。変形しても折り返せない縦の輪(ホースの切り口と同じ形の輪)がクラインの壷に残ります。この場合、内面と外面が繋がっている為、外側の輪を移動させれば内側の輪となる為同じ形と言えます④について言えば、単純にぐるりと一回動かす方法(○②と同じ形)と、輪を2回転させて元の位置に戻す方法(ドーナツの縦断面は一筆書二重丸=◎②と同じ形)と輪を∞の様に動かす方法(ドーナツの縦断面は∞=∞②と同じ形)の3通りありますが②と同じ形になります。3回転させた場合、変形すると唯のドーナツになります。∞の○が3つになる様に動かしても、変形すると唯のドーナツ形になります。以上述べた、Ⅰ球体・Ⅱドーナツ形・Ⅲ内側に折り返せない横の輪のあるドーナツ形・Ⅳ外側に折り返せない横の輪のあるドーナツ形・Ⅴ内側に折り返せない縦の輪のあるドーナツ形・Ⅵ外側に折り返せない縦の輪のあるドーナツ形・Ⅶクラインの壷・Ⅷ折り返せない縦の輪のあるクラインの壷の8種類の基本形が存在します。この8種類の形は幾ら伸縮し、面と面をすり抜けさせても他の形にはなりません。上記以外の輪と動かし方の組合せでは、3次元閉多様体にならないことが分かります。つまり、物の形はこの8種類の組合せで作られていることが分かりました。Ⅱ.Ⅴ.Ⅵではドーナツの穴が引っ掛りロープは回収出来ません。Ⅲ.Ⅳ.Ⅶ.Ⅷでは面の内側と外側が繋がっており、ロープの輪の中に縁の無い面(どこまでも続く面)が存在する為、ロープは回収出来ません。ロープを回収できる形はⅠの球体のみです。宇宙を構成している部分に、球体以外の形が一つでも含まれている場合は、ロープを回収することは出来ないのです。従ってロープが全て回収出来た時、この宇宙は『おおむね丸い』と言えます。

投稿: catbird | 2007.11.22 22:54

catbirdさん、いつも詳細な解説ありがとうございます。
実に面白い反面、私の頭脳では理解できないところもたくさんあります。
かんばって勉強してみます。
考えること自体はとても楽しいので。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.11.24 07:05

はじめまして。
今日もここのアクセスは、上がっているのでしょうか。(笑)

短縮版を観たとき、子供が通っている高校の数学科教師のみなさんは、
夢中になってこの番組について話題にしたそうです。
でも、ノーカット版をみた先生が1名しかいなくて
どうしてもそれが見たい。という話になったらしいです。

私も、短縮版をとても興味深く見ました。
でもその後2度ほど流れ、私が見たものはすべて短縮版でした。

ところが・・・・
本日深夜に、どうもノーカット版が放送されるようですね。
http://www.nhk.or.jp/bs/henshucho/mouri.html

今からビデオセットでテレビの前に正座です。(笑)

ノーカット版、しっかりと拝見したいと思います。

投稿: みかん | 2007.12.23 22:13

みかんさん、おはようございます。
昨夜は忘年会で酔っ払い、10時に寝てしまいました。
放送ご覧になりましたか?
ノーカット版、トポロジーの解説がファンタジックで良かったのでは。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.12.24 06:51

前略 薀恥庵御亭主 様
「天才」・・・「天災」「転載」ですね。笑
「宇宙」の形・・・興味だけはあります。
愚僧の寺は 福岡西方沖地震で庫裏が半壊し
「山本玄峯老師」様「橋本凝胤大僧正」様
等の墨蹟 仏教関連著作物 等 すべて失いました。
まぁぁぁぁぁ
諸行無常。諦めが肝心ですね。苦笑
愚僧 若い頃 「山本玄峯老師」の・・・
「無門関提唱」の内容と「宇宙の理」に
共通項を感じていた時代もありました。笑
コンピューターなどにも「高級言語」とか
「低級言語」とか・・・いろいろあります。
私の駄文は・・・「低級言語」(機械語)苦笑
薀恥庵先生の「御文」は「最高級言語」です。
バラエティーに富み 興味が湧き・・
とても分かりやすい。(尊敬)
コンピューターの「高級言語」と一緒です。笑
多様性がなく 単純(0と1)であり
とても複雑・・・これ駄文(機械語)。苦笑
愚僧も「他人様」の文章を拝見する仕事も
いたしておりますが・・・「薀恥庵先生」の
「御文」は最高であります。
私は・・「文学と高等数学は同一」の主義です。笑
同時に 「音楽と高等数学は同一」
同時に 「文学と音楽と数学と宇宙」も同一です。笑 
例えば・・・「墨蹟」に宇宙を感じますし
素晴らしい「名文」にも宇宙を感じますし
素晴らしい「音楽」にも宇宙を感じます。
高等数学では・・・「小説」のような筋立てが
とても とても重要です。「センス」です。
雅楽の「龍笛」や「笙」や「篳篥」の音色
も「天地」 宇宙を表現しているわけですし・・・
16世紀の「グレゴリア聖歌」でも・・・・・
「数学」や「天文学」を大原則としての・・
「宗教音楽」であるわけですから。
そうそう それから・・・・・
「山本玄峯老師」様は 終戦の「詔勅」・・・・
「耐え難きを耐え 忍び難きを忍ぶ」の心
を導かれ・・・「象徴」という表現も示されました。
まさに・・「宇宙の理」を感じます。
「薀恥庵先生」にも・・・・「宇宙の理」を
感じる愚僧でありました。
           合唱おじさん  拝


投稿: 合唱おじさん | 2007.12.25 08:58

福岡西方沖地震、大変でしたね。
もののあはれを感じます。
しかし、あらゆる「もの」はいろいろな形で変化し消えていくものですから、それこそ「締め」いやいや「諦め」が大切ですね。
諦めるとはまさに明らかになるということですから、ありがたいことだと思っています。
音楽や文学や美術などに宇宙を観るということこそ、私たちの生きる目的ではないでしょうか。
そして、その宇宙の唯一の「コトわり」こそ、「モノは転変する」ということだと思うのです。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.12.26 08:33

「締める・・・」笑
「締めます・・締めたくないけど・・・締めます」笑
 思い出し笑いです。

「万物は流転する」panta rhei
  ヘラクレイトス
「愚僧は地震で横転する」moha
  合唱おじさん

投稿: 合唱おじさん | 2007.12.26 12:07

ヘラクレイトスの言ったことは、お釈迦さまとおなんじですね。
「万物は流転する」…私のモノ・コト論だと、「物」は流転する存在全てを指しますから、「全ての流転する存在全ては流転する」という面倒くさいことになっちゃいますが(笑)

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.12.27 09:06

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ペレリマンの講演はどんな感じだったのだろうか。どうせ理解不能だが見てみたい  10/1にBS-hiで放映された番組で、多くの数学者が挑みながら解決できなかった難問が、いかに学者達を魅了し、そして人生を狂わせていったのかを解説した番組です。 私は数学に関しては中学で落ちこぼれたので、大学教養の数学すらちんぷんかんぷんで、線形代数ってなにそれという頭しか持ち合わせていません。そもそも、共通一次の数学の点数は、同じ学部に入った人間の中で最低であるという自信があります(きっぱり!)。だから、この番組も「オ... [続きを読む]

受信: 2007.10.05 20:54

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