「THE NEW TRIBE」太鼓衆 猿 FIRST CONCERT in山梨
今日は双葉ふれあいホールで行われた「猿」の初公演に行ってきました。「猿」とは日本航空学園(JAA)に昨年設立された太鼓アカデミーの生徒たちによるユニット名です。
仕事柄、日本航空高校の太鼓隊の演奏は過去何回か聴いたことがありました。そのたびにこれは素晴らしいな、教育的にもいいものがあるだろうな、と思ってきましたが、今回はその発展形といいますか、高校生だけでなく、OBやOG、小学生、また一般の方々も加わったユニットということで、非常に楽しみにしていました。
まずはコンサートが大変素晴らしかったということを申し上げておきましょう。新しいことに挑戦するための様々なエネルギーが集約された圧倒的な迫力を感じました。出演者の皆さまに心からお疲れさまとありがとうの言葉を捧げたいと思います。
ウチの家族4人と静岡からかけつけた両親、そして川崎からやってきた姉の計7人が会場に到着した時には、すでにほぼ満席。予約せずに行ったため入場できるか一瞬不安になりましたが、高校生の皆さんらの気配りに満ちた歓迎と案内のおかげで、なんとかそれぞれ席を確保することができました。入場の際、めざとい上の娘が「あっレミオロメンって書いてある!」と指さした先には、彼らからのお祝いの花が。
そう実は、今回の公演を知ったのは、こちらの記事に書いた日ですね、レミオロメンのベーシスト前田啓介くんのお母様にお会いした時なんです。
啓介くんのお兄ちゃんである前田タクヤくんは、この太鼓ユニット「猿」のリーダー的な存在なんですね。今日も群を抜くテクニックと音楽性とカリスマ的なオーラによって、圧倒的な存在感を示していました。ああ、これはホンモノだ。啓介くんがお兄ちゃんを尊敬するのもよくわかる。また、啓介くんの正確なリズム感というのも、こういうお兄ちゃんからの影響が大かと。あるいはそういう血が流れてるんでしょうね。ここのところは努力以前に才能の領域ですので。
さてさて、コンサート全般について少し感想など。
前半はメンバー皆さん、多少緊張があったのでしょうね、やや細部に甘さを感じる演奏もありましたけれど、これから始まる新しい太鼓の世界を感じさせるには充分の内容だったと思います。前田くんのドラムスと和太鼓のコラボレーションは、なかなかいい効果を上げていました。和太鼓の表打ちとドラムス裏打ちによって音楽的空間が埋められるということもあって、非常に豊かな響きになっていました。私も東西音楽の融合みたいなことをやって賛否両論いただいていますが(笑)、案外やっている方も双方で勉強になることが多いものです。
後半は、メンバーの緊張も解け、また聴衆の皆さんのノリもよくなり、また舞台の演出も効果的で、大いに盛り上がりましたね。太鼓の持つエネルギーというのは、パルスのエネルギーです。音というのは空気の粗密波なわけですが、そうした音の濃淡による波動がまさに心臓に響きました。あの高揚感は独特なものです。
もしかすると、これは音楽以前のものなのかもしれない。人間にとって聴覚は原初の感覚です。誰しも胎内で初めて感じるのが耳元で鳴る、いや体で感じる母の力強い心音です。また、今日のコンサートでも表現されていましたし、「猿」というユニット名も示している通り、我々の原始的な音楽体験は「リズム」から発しています。そうした私たちのDNAのレベルでの共鳴というか共振というものを体験できる太鼓というのは、なんとも魅力的ですし、深い世界を持った楽器ですね。
また、今回のコンサートで強く再確認したのは、音楽における身体性のことです。リズム楽器は特にそうなんですが、楽器が私たちの身体性を呼び起こすんですね。つまり、聴いている私たち、共振してリズムを刻む私たちも含めて、人の体自体が楽器になるわけです。私たちが音楽を生み出すというよりも、音楽がリズムが私たちを楽器にするのです。五感の全てを通じて私たちが楽器になるという意味では、やっぱりライヴはいいですねえ。デジタルな、コピーライクな、プライベートな音楽環境になれきっている私たちに、なにか大切なものを思い出させてくれたコンサートでした。
さて、四半世紀以上にわたる太鼓隊の歴史に、新しい風を吹き込むということで、いろいろとご苦労もあったようです。コンサートの挨拶の中でもそのような話が少しありましたけれど、何事にもそういうものはつきものです。「伝統を崩すな」「先輩たちの名を汚すな」…私もいろいろな面でその双方の立場を経験してきましたので、よ〜くわかります。しかし、そうしたものはいわゆる産みの苦しみの一つであって、ある意味そのようなものがなければ、壁は崩せませんし、前進もありません。全ての伝統というのは、そうして再生されることによってその命をつないできたのです。逆に言えば、そういうことがなければダメなんですよ。だから、そういうものも有難い祝辞だと思ってこれからも頑張ってください!私は純粋に皆さんを応援できる立場ですから、今後の前進ぶりにも大いに期待したいと思います。
本当に素晴らしい体験をありがとうございました。
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コメント
庵主さん、こんにちは!
昨日行かれたのかな?と仕事中も期待しておりました。
記事UPありがとうございます!
カラダ自体が楽器になる...すごいですね!
プリミティブな音楽とはまさに鼓動のことでしょうか。
ロマンを感じて深く納得です!
いつかライブ体験してみたいです。前タク様にもお会いしたく;
そして“F”としましては(笑)贈られた花がどんなものか激しく
気になりました。素晴らしいレポにこんなオチでスミマセヌ~
投稿: くぅた | 2007.09.16 09:18
くぅたさん、どうもです。
いやあ、前タク素晴らしかったっすよ。
(もちろん他の皆さんもよかったけれど)
彼は本当にいいものもってますね。
これからどんどん新しいことをやっていくのではないでしょうか。
そして、伝統的な部分ももっときわめていくんじゃないかなあ。
彼の魂はそうとう高いレベルと見ました(聴きました)。
(お世辞抜きです)
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.09.16 21:41
こんにちは!はじめまして。
太鼓衆猿のメンバーの『HIROMI』です!!
とってもありがたいお言葉をありがとうございます。
今回のライブには短い準備期間のなか本当に力をいれました。
ファーストライブにも関わらずたくさんの方々に足を運んでいただいたこと、本当にありがたく思います。
私はまだ、太鼓をはじめて半年ちょっとのひよっこですが
講師やメンバーの手厚い指導により、今回のステージに立つことができました。本当に心から感謝しております。
今後はもっともっと技術をみがいて、お客様の心を掴んでいけるよう進化していきたいと思います。
本当にありがとうございました!!
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: いちごタルト | 2007.09.18 11:49
いちごタルトさん(HIROMIさん)こんにちは!
コメントありがとうございました。
いやいや、それ以前に素晴らしいライヴありがとうございました。
本当にお世辞抜きで感動しました。
私もいろいろなジャンルの音楽に携わっておりますが、
本当に今回は根源の部分を思い出すいい体験ができました。
ぜひぜひ今後も精進してパワーアップしてください。
素晴らしいリーダーや指導者に恵まれていますから、きっと大丈夫でしょう!
帰りに父と話したんですが、次は迫力だけではなく、こちらが「耳を澄ます」ような小さな美しい音も聞いてみたいとも思いました。
次の機会も楽しみにしています。
また、もし出来ましたら、ウチの学校でもぜひライヴを!!
生徒たちにもいい刺激になると思いますので。
では,皆様によろしくお伝え下さい。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.09.18 16:58
耳を澄ますような小さな美しい音。
こういったさまざまな音も演出していけたらと思います^^
いままでも演奏依頼があった小学校等にもライブにいっておりますので
演奏依頼があれば飛んでいきます♪
今後ともよろしくお願いいたします☆
投稿: いちごタルト | 2007.09.20 09:15
いちごタルトさん、こんにちは。
ぜひとも小さな美しい音にも挑戦してください!
実は最近の私はいろいろな音楽や楽器を通じて、そこをきわめようと思っているんです。
小さな音には無限の広がりがあるんですよね。
そして、それこそ古代にはそちらの方を大切にしたのだと思うんです。
実際、私は古い時代の音楽をその時代の楽器を使って演奏しているんですが、
楽器がそれを教えてくれるんですよ。
どの時代においても、どの楽器も、とにかく大きな音を出す方向に進化してきました。
ピアノなんか、その名前に反して鉄骨を入れていかに大きな強い音を出すかという改造を繰り返してきました。
ここのところ、そこに違和感を感じるんです(歳とったのかな)。
もちろん現代ですから、より多くの人により大きな音で、という音楽のあり方も否定しません(先日はパンクロックのライヴに行きましたし…笑)。
でも、両方できるというのは当然表現の幅が広がると思うんですよね。
…なんて、すみません。偉そうに語ってしまって。
期待をこめましてのワガママな意見です。
ウチの学校の方でもぜひ…とは言え、私の一存では決められませんので、担当者と検討させていただきます。
いつか実現したいなあ…。
では、こちらこそ、今後ともよろしくお願いします!
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.09.20 17:47