『爆笑問題のニッポンの教養 「現代の秘境は人間のこころだ~芸術人類学 中沢新一」』
昨日の憲法9条関係からこちらを観てみました。これも録ってあったが観るヒマがなかったもの。ものすごく面白かったし、100%納得。こんな番組も珍しい。
中沢新一さんは昔から好きでした。まさに学問人というよりも教養人ですよね。やはりおじさんである網野善彦さんの影響が大なんでしょうね。お二人とも山梨の誇るべき賢人です。いつかも書きましたが、おそらく山梨という「生黄泉(なまよみ)」環境がお二人に与えた「モノ」の大きさも無視できないと思いますよ。地元の方々にはそういう意識は希薄なようですが、私みたいに外から「生黄泉」に憧れて移住した者にとっては、それがものすごく強く感じられます。ちょっと畑は違いますがレミオロメンに関しても同様の印象を持ちます。自然風土が人をつくる。
で、中沢さんと爆笑問題の太田光と言えば「憲法九条を世界遺産に」ですね。そこの記事にも書きましたけど、お二人はかなり深いところでうまくかみ合っていると思います。今回はいちおう田中もいましたが、彼は「東大の教養」の時と同様に、ただいるだけです(そして、それがまた素晴らしい)。で、中沢さんと太田(敬称略)の深いところでの共鳴や共振というのが、私の脳にもものすごい快感をもらたしました。
今回、彼らが語ったいくつかの鋭い言葉には、本当にいちいち納得させられました。おそらく彼らを非難したり、毛嫌いしたりする人たちは、それこそそういう言葉に反応しているんだと思いますが、まあ少なくとも私は全面的に彼らに賛成しますよ。
心のビッグバン、ダウン症の子どもの芸術性や菩薩性、アースダイビング(意識は時間を越えていく)、東京の神社仏閣や墓地の配置がそのまま縄文の東京地図の陸地の部分と重なる(縄文に開発をストップされている)、山手線が縄文の半島に沿って走っている、文系の学問は自己愛、それを自然と結びつける(芸術人類学)、ニューヨークと新宿の道の違い(歩きたいところが道になる)、心と自然がつながる(自然の法則に従って生きる)、理屈や言葉や学問(秩序づけ、マッピング)よりも直感(自然・シャッフル・ノンリニア)、分類上違うものの間に深い共通性があることを見出す能力、アドリブ(断片)とその先の世界、芸術や宗教の天才は歳をとると表現が平易・単純になっていく、無垢でいることの困難さと大切さ、成熟した強い無垢さ、捨てても残ればそれが自分…。
彼らがさかんに語った直感や自然やノンリニアな世界とは、私の言う「モノ」世界です。そして、彼らがその対極とした理屈や言葉や学問や秩序づけやマッピングや科学は「コト」世界です。ですから、彼らは、私の強く繰り返して来た「これからは再びコト(心)よりモノの時代」という一見逆説的なスローガンを、また別の言い方で表現してくれたような気がしたんです。自然の世界には秩序や法則というものはありますが、それは人間が勝手に決めたものではなく、私たちの脳ミソ以前にすでに存在したものです。ある意味それに対抗しようとして人間中心に「発見」していったのが、先ほど並べた「コト」たちです。ここ数百年で私たちはそちらに向けて集団暴走してしまった。そこに私たちは違和感を抱くのでした。
今日と言うか7日は実は接心という学校行事がありまして、学校にお泊まりでした(この記事は8日に書いてます)。私は約100人分の食事を作る係(典座)でありました。接心は年に何回かありますが、典座の係は年に1度か2度しか回ってきません。しかし、さすがに20年もやってると身についてくるものですね。ご飯も味噌汁もお粥もうまくできるようになりました。最初はしっかりマニュアルでも作って毎回そのとおりやろうと考えていたんですが、面倒くさがり屋の私は、結局ちょっとしたメモくらいしか作りませんでした。それでも、こうしてある程度上手になってくる。米や水や味噌や沢庵やごま塩や火や人やその行事自体が、私に何かの法則や秩序や方法を教えてくれたわけです。そしてまだまだこの先いろいろ教えられるでしょう。ああ、これが「教養」なのかなと、そんなことを思いました。やっぱり自分は生かされている…なんでこんな当たり前なことを、私たちは日常で簡単に忘れちゃうようになったんでしょうね。
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