運動会(!?)
この写真についてはのちほど説明します
今日は娘の小学校の運動会。子どもたちにとっても、先生方にとっても、また役員の皆さんや、あるいは親たちにとっても、まさにハレの日であります。
私は仕事が終わってから少し遅れて行ったのですが、もうその頃にはすっかりお祭りムードになっておりました。ここは田舎ですので、まあ運動会は村をあげてのそれこそお祭りであります。子どもたちの競技、演技は、スポーツとか教育とか、そんな次元を簡単に超えていまして、まあ神様への奉納ですね。それを村中で執り行う。子ども自身も神、あるいは神に近い存在ですし、その成長ぶりを祝い感謝するという意味合いもあると思います。
親たち(自分も含めて)はいわゆる場所とりから始まり、豪華弁当合戦(笑)、ビデオ撮影大会(撮影機器グレード対決?)、そして自らの子どもへの応援はもちろん、小さな村ならではの「あのウチの○○ちゃん」への応援と、子どもたち以上に気合いが入り、また忙しいわけです。そうやって老若男女のエネルギーを結集して、神々へ何かを奉納する。このへんでしたら、運動場の向こうにそびえる富士山に対してでしょうかね。あの青空や入道雲、厳しい日差しやありがたい日かげや涼しい秋の風に対してでしょうかね。皆さん無意識でしょうけれど、自分たちの最も大切な財産である子どもたちを育む自然への感謝の気持ちがあると思いますよ。
なんとなく形式的なというか、あるいは軍隊式ともとれる集団演技(実際何人かの外国から来た親たちは「これはアーミーだ」と言ってました)や、親たちの過剰とも言える熱意というか、昼間っから酒飲んで騒ぐあの雰囲気とか、自分の子どもだけをズームアップして撮影するビデオ隊(つまりお父さんだな)には、ちょっと抵抗があったんですけど、これは「祭」だと思ったら、実に面白くなった。これこそ日本だなと。運動会なんて外国にはないもんな。これは伝統的な祭の新形態であると。
というわけで、今年の運動会は心から楽しめましたし、感動もいたしました。皆さん、お疲れさまでした。
さてさて、で、充実したけれどつっかれて帰宅いたしまして、私とカミさんはもうとにかく眠くて仕方なかったんですが、当の本人すなわち長女はなんだか祭ムード冷めやらぬらしく、テンションが上がったままです。神が憑依してるのか!?と思わせるほどに運動したがっている。
しかたなく、ウチの近くの裏山…てか、富士山ですな…おそらくそこで溶岩流が止まったのであろうと思われる小山がありましてね、そこに遊びに行きました。夏から秋へ移り変わろうとしている微妙な自然の変化の具合がいろいろ楽しめましたねえ。本人は大木からぶら下がる自然のツルにぶら下がってにわかターザンをやったり、やぶをかきわけて道なき道を行ったり、日没まで楽しんでいました。私は夕食の冷や奴用に香ばしい山椒の葉を何枚か摘んで帰りました。
さて、それで子どもたちはさすがに寝るかと思いきや、なんとまあ、また運動会を始めたではありませんか!なんたるパワー。お祭りエネルギーいまだ衰えず。
しかし、よく観察してみるとですねえ、彼女らはどういう立場を演じているかと言いますと、どうも観る立場のようです。つまり、まずは場所とりをしてシートを広げ、弁当や酒を用意して、ビデオも用意して何かをさかんに応援している。アナウンスなんかも兼任している。先生役もやっている。
で、何を応援しているかと思ってよく観察してみますと、それはなんとウチのクワガタとカブトムシらしいのです。虫たちの運動会か。これは面白い。「最初の競技はふんころがしです」とか言って、クワガタくんにピンポン玉を押させている。
ああ、子どもたちは楽しかった運動会を復習再現するだけでなく、別の視点立場から追体験しているわけですね。面白いわ、こりゃ。観られる立場から観る立場へ。視点の転換かあ。なるほどこういう復習の仕方もあるんだなあ。ウチはおじいちゃんがビデオ係だったので、ビデオによる復習は今日はできません。でも、こういう心の、頭のビデオによって、観る立場からの再現をしている。面白いなあ。こうして今日の自分を客観的に処理してるんだろうな。
ということは、ホントは親である私たちが演技しなければならないのかもしれませんが、さすがにそれは無理というか、変だと思ったのでしょう、虫たちにその役割を与えたんですね。
子どもの発想と行動は面白いなあ。では、おやすみなさい。疲れましたが、楽しかったなあ。
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コメント
こんにちは!
運動会お疲れ様でした~。
読んでいて大変清清しい気分になれました。
カブ&クワちゃんたちの運動会も楽しそうですね。
ぶんぶんの子たちも参加だったのでしょうか?
その場にいたら、多分一緒にアツくなっていたと思います(笑
ごっこ遊びを通してその日まるごと一日を振り返る、
その気持ち、とてもよくわかります。
そうやって感動や体験が心の奥深くに刻まれていくのですねー。
子供ってすごいなぁ、感動しました。
投稿: くぅた | 2007.09.09 11:07
くぅたさん、コメントサンキュー(39)です!
ぶんぶんの子たち、いいお家をしつらえてもらい
元気いっぱいです。でも一匹・・ちょっとよろよろ
し始めました(上の子うるうる;;)・・・。
写真の子は、ミヤマ クワオさんという子で、7月に
家の近くて見つけて、秋田行きも果たしたツワモノです。
堂々のピンポン玉転がしでした(笑)。
投稿: 庵主セコンド | 2007.09.09 14:33