Google Moon
今日は月齢2.6。夕方学校の4階から見えた糸のような月は美しかった。
今、2年生の授業で竹取物語やってましてね、いつもながら一般的にはハチャメチャと言われそうな解釈をギャルたちに押しつけてるんですが、けっこうスキャンダル性のあるドロドロドラマ風でして、案外楽しんでもらえてるようです。面白いから本出せ!って言われたんで、まあいずれ。
さて、そこでも話したんですけど、月の起源、すなわち月がどのように出来たかというのは、実はよくわかってないんですよね。いろんな説がある。ただ、岩石の組成やなんかからして、地球と全然無関係とは言えないようです。
それにも関係するんですが、月が裏側を見せないというのも面白い。つまり、月の自転周期と公転周期が一致しているということ。最も身近な天体でありながら、人類はその裏側を見ることがずっとできなかったわけです。
ま、これは偶然のなせるわざではなくて、地球の引力によって月が扁平な球体になってしまったからですが、実は私、小さい時変なことを考えていました。それは…
「月が裏側を見せないのは顔が汚いからだ」
月の裏側を人類が初めて見たのは1959年、ソ連のルナ3号が月の裏側の写真を撮影したときです。私が生まれる前ですね。その後アポロも撮影してますから、私が物心ついて、宇宙に興味を持って図鑑とかを眺めていた時には、すでに月の裏側の写真が載っていたと記憶しています。で、その写真を見た時、本当にショックだったんですよ。だって、こんなんですから。
これは驚きですよ。だって全然きれいじゃないんだもん。なんだかいわゆる海の部分が少なくて、あばた(クレーター)だらけ。かなりお肌が荒れてます。正直、こっち側が地球に向いていたら、私たちの文化は違ったものになっていたでしょう。月にまつわる幻想的や物語や詩は生まれなかったかもしれません。
実はなんでこういうことになっているのか、つまり裏側は醜いのか、それもわかっていません。表と裏とでは組成も微妙に違うらしい。いったいどういうことなのでしょう。
で、今日月面を自由に見て歩ける「Google Moon」がバージョンアップしたとのことで、さっそく見てみました。まあ、「Google Earth」ほどの感動はありませんけど、なんとなく宇宙飛行士になったような気分は味わえるんじゃないでしょうか。
ちなみにこのページの一番上の画像は、Google Moonに表示される「月のひらき」でして、中央部が見慣れた「表」、上下が見慣れない「裏」ということになります。これを見ただけでも、ちょっと異常な事態が起きているがわかりますよね。幼き私が想像したこともあながち間違いではないのでは…そう思えてきます。
ということは月にも羞恥心があるということですか(笑)。いや、もしかして、私たちが「裏」だと思っているのが実は「表」で、「表」が「裏」なのかもしれませんね。男性諸氏には(いや女性もかな)よくおわかりと思いますが、後ろ姿にだまされた!ということがしょっちゅうありますよね(笑)。セレネだかルナだかアルテミスだか知りませんが、後ろ姿は美しかったが、実は…だったりして。
あと、月の裏側と言えば、宇宙人の基地説やら、NASAの陰謀説やら、まあいろいろとありますね。それはそれで面白いんで、ぜひGoogleで「月の裏側」と検索して、いろいろと見てみてください。いいストレス解消になりますよ、きっと。たまにはそういうのにツッコミを入れず信じ込んでみるというのもいいものです。
そういえば、もう一つ月に関するニュース。日本の月周回衛星「かぐや」を載せたH2Aロケットが14日に打ち上げられましたね。今回はうまくいったらしい。めでたし、めでたし。こっちの方が「Google Moon」のバージョンアップより大事なニュースか。「かぐや」とはまたずいぶんとストレートな名前をつけましたね。「かぐや」も月の裏側の観測をするとのこと。どういう成果が上がるか楽しみですね。
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