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2007.08.05

ゴシックバンド→関ジャニ∞→バッハなど(その2)

場違いな東京ドームの私
Dvc00022_m(昨日のつづき) 下北沢をあとにしたワタクシどもは一路東京ドームへ。
 東京ドームに着くと同時に、卒業生の女の子から電話が入りました。
「ねえ、先生、今、神社にいる?」
「いやさあ、それがね、『じんじゃに』じゃなくて『かんじゃに』なんだよね」
 これはくだらないシャレではございません。どういうことかと言いますとですねえ、こういうことなんです。
 本来ワタクシ、8月4日は地元富士吉田の浅間神社で行われる「薪能」に行く予定だったんです。毎年の恒例行事ですし、今年も狂言は野村萬斎さんでしたので。
 しかし、突然クラスのギャルどもが「関ジャニのチケット取れちゃった!一緒に行こう!」って言い出したものですから、さあ迷いました。能か関ジャニか…そんなことで迷う人もいないだろうな(笑)。
 で、卒業生は当然私のことだから能に来ていると思ったのでしょう。彼女は彼氏とたまたま神社にお参りに行って、なんだか面白そうだから観ようかということになったらしい。まさか、私が東京ドームにいるとは思わず、会場で会おうと思ったんでしょうね。残念でした。
 というわけで、迷った挙げ句の関ジャニ∞。いったいどうだったのでしょう。いろいろ書き出すとキリがないんですけどね、とにかくいろいろなものに圧倒されました。たしかにすごいわ。一度は経験しても無駄にはなりません。まあたしかに感動しましたよ。能ではないが、これは歌舞伎だなって思いました。
 会場に入ると、そこは55000人の観客で埋め尽くされてました。その99.999%が女性です。当然ですね。おそらく男性は数十人という単位でしょう。100人はいなかったんじゃないでしょうか。
 さすがに5万人以上の女性に囲まれるのは初めてです。だ〜れも私なんかに関心がないのは当たり前ですから、意識しないければいいんでしょうけど、しかしあの、ドームに充満した香水の匂いには、正直動揺せざるをえません。視覚的にはともかく、嗅覚的にはちょっと辛いものがありました。
 ところが、コンサートが始まって30分もすると、その「匂い」は「臭い」に変りました。激しい踊りと絶叫により、55000人の汗が見事に蒸発・発酵し、実にサワーな香りが…そうです、酸っぱい臭いです。それが既存の香水の匂いと融合し、実に香ばしい馥郁たる「腐臭」が…(笑)。
 いやいや、今回一番強く感じたのは、やっぱりジャニヲタの皆さんって、見事な「腐女子」だということですね。これは冗談ではなく、やはりジャニーズということですからね、当然と言えば当然です。そういう伝統がある。やっぱり歌舞伎文化だ。
 正統腐女子文化についてはこちらにも書きましたが、あれらって「女性」性の否定から始まるものなんです。彼女たちは女性としてイケメンに恋しているように見えますが、実は現実的な男女関係、すなわち自分が「女性」であることから出発する世界自体をば排除しているんです。リアル女は彼女らの妄想の中では排除されているんですよ。自分も含めてね。基本はあくまで脱現実にあります。自分にとって最も生々しい「女性」性は排除されるわけです。
 それを象徴していたのは、コンサートの中での30分近く続いた「コント(∞レンジャー)」でした。あんまり詳しくは書けませんが、内容は「ブルー」が悪い女にだまされるという他愛のないものでしたが、文化的視点からしますと、たいへんによく出来ており、また興味深いものでした。
 最初、「恋愛ネタ」だと分かった瞬間、場内は悲鳴に包まれました。私も「えっ?」と思いましたよ。一番触れちゃあいけないところだと思ったんで。ところが、それが見事な演出だった。腐女子心を微妙に刺激するナイスな展開を生んでいったんです。
 まず、その「悪い女」がマネキンであったこと。リアル女はタブーです。ああ、こういう手で来たかと。そうして腐女子たちを安心させつつ、ストーリーは男同士の友情物語へと突き進んでいきます。そして、メンバーどうしが殴りあったり、抱きあったりして、いかにもな男世界を描き出すと、彼女らはそのたびにドームを揺るがさんばかりの悲鳴を上げるんですね。これは完全にBLの一歩手前だな、と思いました。そして、その悪い女がメンバーにこづかれる段になると、腐女子たちのボルテージは最高潮。全てのF的怨念、執念、嫉妬、憧憬、妄想は見事に昇華され、ドームの天井を抜けて東京の夜空に無限に広がってゆくのでした。なるほど、こういう世界だったのか…ジャニーズ。予想以上の腐敗度だ(ほめ言葉ですよ、もちろん)。
 実はこういうあたりが、ワタクシにとっては最も感動した点(男としては気恥ずかしかった点)だったのですが、そのほかにも、ドームというとんでもなく広い会場を縦横無尽に使いまくり、ダイナミックな演劇的空間を創り出していたスタッフのプランと動き(案外原始的な手動式ムーブメントが多かった)なんかにも感激しました。もちろん、歌もトークもそつなくこなす関ジャニ∞のメンバーたちはお見事でしたよ。若いのに大したもんです。よく訓練されています。アドリブもきくしね。本当は一人一人について感想を述べたいところですが、私のようなオジサンの理屈っぽい批評なんて誰も聞きたくないでしょうから、今回はやめとます。でも、全体として、とっても良かったっす。私もすっかり彼らのファンになってしまいました。バンドとしての演奏もそこそこ出来てました。ってか、球場の四隅に別れて、よくアンサンブルできるなあ。カラオケではないことは、演奏ミスからよく分かりましたよ。
 ところで、ところで、今回、ジュニアやゲストなど、総勢数十名のジャニーズが登場したわけですが、彼らを除いてですねえ、一番会場の注目を浴びた「男」は、実は私だったかもしれません。
 というのは、最初のMCで、村上信五くんの、「みんな、声出てるか〜?」「イェ〜」みたいなコールがあったんですね。当然、女性ファンの皆さんは大絶叫です。そして、次にネタとしてでしょう(もしかしてお約束?)、「男の人はいますかあ?」と来たんです。そして、「男の人、声だしてますかあ?」と聞かれたんで、これは女に負けてはいられない!と、ワタクシ生まれてこの方こんなデカイ声だしたことないってくらいデカイ声で「イェ〜!!!」って言っちゃったんです。こぶしを上げてね。
 そしたら、なんだかほとんど私しか声を上げてなかったみたいでして、いっせいにお客さん(女性たち)がこっちを振り向いたんですよ〜。2000人はこっち見たな(笑)。なんかしばらく騒然としていました。大笑いです。村上くんも、「いいねえ、いいねえ」と言ってくれました…って私に対して言ったかどうかわかりませんよねえ…すっかり腐男子になってますな、私(笑)。まあとにかく、くじ引きで私の隣になってしまったウチのクラスのN子も、恥ずかしいやらおかしいやらで、腹抱えて泣いてました。
 なんでも、今回の関ジャニ∞初東京ドーム公演は年内にDVDになるとのこと。もしかすると、私と関ジャニ∞とのコミュニケーションが収録されることになるかも。今年はこちら聖子ちゃんのコンサートにせよ、買わなきゃいけないDVDが多いなあ。
 というわけで、とっても楽しく充実した異文化体験でありました。疲れたけど、勉強になること多数な一日でありました。
 で、オマケに本日5日のことも書いておきましょう。昨夜夜中に富士山に帰ってきまして、今朝はまた4時起きして予習などしまして、朝8時には出発。再び東京です。昨日は中世・ルネッサンスと関ジャニ∞。今日はと言いますと、また全くジャンルが違います。9月23日のコンサートに向けての練習であります。私は初参加です。バッハのマニフィカト、ヘンデルの水上の音楽、シャルパンティエのテ・デウムを練習いたしました。我ながらメチャクチャな音楽スケジュールだとは思いますが、それぞれに違う楽しみ歓びがあるんです。私にとってはどれも捨てがたいんですよ。
 なんか理解されないかもしれませんが、最近いろいろなボーダーが私の中から消えていっているような気がするんです。単にいい加減になったとも言えますが、ものすごく心が自由になったような気もするんです。
 今日も実際のところ、指揮の坂本徹さんの御指導の内容がものすごくよく分かった。細かくは言えませんが、明らかに昨日の経験と思索が生きています。ああこれも「人と人をつなぐ」という意味では一緒だなと。音楽は「エンターテインメント」だなと。音楽に貴賎はありませんよ。聴く人、というか、そこにいる人の心をつかんで幸せにすれば、それでいいじゃないですか。

ps 私は、関ジャニ4日の公演で、「男の友情ネタ」の続きとしてですねえ、こちらの記事にも書いた内博貴くんが登場すると踏んでいたんですが、どうも今日5日の公演に登場したようですね。そして、久々に8人で熱唱したようです。事務所は復帰はないと宣言していますが、不祥事をも美談にまで転化してしまうのが彼らの純粋三枚目キャラのすごいところです。近いうちに世間の後押しを得て完全復活することを予言しておきます。

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