『ジャイロソプター』(NHK「アニ*クリ 15」)
明日(26日)から放映される予定なので、ちょっとフライングですね。でも、実は皆さんより先に観ることができましたので、ここにおススメさせていただきます。
というのは、実はこのアニメーションのバックの音楽で歌を歌っているのが、ウチの学校の卒業生でして、彼女が学校に映像を持ってきてくれたんです。で、それを教員みんなで観たと。すげ〜って言いながらね。
特にすげ〜と思ったのは私ではないでしょうか。第一「アニ*クリ 15」を知っているのは私だけでしたし。
「アニ*クリ 15」は非常に興味深いNHKの実験番組です。15人のアニメクリエーターたちが全く自由に1分間の作品を作るんです。押井守さんのような重鎮から新進気鋭の若手まで、本当にバラエティーに富んだクリエーターが並びます。彼らが1分間アニメという新しいジャンルでしのぎを削るわけです。
この「アニ*クリ 15」、実は皆さんもいつのまにか目にしているかもしれません。なぜなら、これは番組というより、CMに近い性質を持っているからです。たったの1分間ですし、スポットCMのように番組と番組の間に放映されます。その放映時間もほとんどゲリラ的ですので、観たい人が観るという感じではなく、無防備なところに突然飛び込んでくる感じなんですね。
そういう感じのものとしては、ポポラッチがありましたね。あれも私大好きでした。あれはいちおう連続ドラマ風な作りになってましたから、全体として一つのポポラッチ像が浮かび上がる仕組みになっていました。それに比して「アニ*クリ 15」は15人のアニメクリエーターが全く互いに連関することなく、好き勝手に作品を作るので、本当にその一つ一つの1分間で全てが完結するようになってるんですね。そこに不思議な緊張感があるような気がします。
NHKとしては、NHKでなければできないことを通じて、アニメの世界に新しいジャンルを作ろうということなんでしょう。そして、もちろん、それに注目してもらって、多くの、特に若者の視聴者層を獲得したいと。たしかにCMのようにいつ放映されるか分かりませんから、たとえば自分の好きなクリエーターの作品を観たければ、1日中、いや1年中NHKを観たり録画したりしなくてはなりません(基本的にはね…実際には放送予定が告知されてます)。
NHKにもスポット番組のようなものはありましたが、こうしてある意味クリエーターの(あるいはNHKの)CM的意味を持つ番組がランダムに流されるというのはたしかに新しい事態ですね。そして面白いことは、そうした1分間のおかげで、NHKのイメージが大きく変わる可能性があるということです。今までのように何のクッションもなく、前後の番組がつながる、まさにNHK的な世界が、本当にガラッと変わるんですよね。番宣のように断片とかではなく、一つの世界がそこに完結しているわけですから。そういう意味ではCM以上かもしれない。CMは断片と言えば断片ですからね。
というわけで、実に画期的な「アニ*クリ 15」なんですが、7月までシーズン1が放送されていました。そして8月からシーズン2が。その中に村田蓮爾+藪田達也の「ジャイロソプター」が含まれているわけです。そして、明日から流れる。その全編に流れている歌を歌っているのが卒業生というわけです。
彼女の名前は渡辺静香。今年の春ウチの学校を卒業しまして、今、音大で歌の勉強をしています。私もお世話になっている本校のジャズバンド部でヴォーカルとトランペットを担当しておりました。なかなか個性的な声をしておりましたので、これは将来有望かもと思っていましたが、こんなに早く注目されて起用されるとはね。びっくりです。今回実際の作品を観て感じたのは、彼女の声はアニメ向きだなってこと。本人はそれをどう思うかわかりませんが、ああいうファンタジックな雰囲気に見事にマッチしてますよ。いわゆる「萌え系」の声ではありませんけどね。あんなふうにエフェクトかけても彼女の個性は失われないどころか、さらに魅力が倍増してましたから感心しました。まあそれがプロのお仕事なんでしょうが。
村田さんは幻想的なキャラデザインをする方ですし、薮田さんはそれこそ「ファイナルファンタジー」の人ですから、アニメーションの出来はある意味予想通りでありました。たった54秒とは思えません。その広大な空間感や浮遊感が時間を超越しているのでしょう。さすがだと思いましたよ。
とりあえず26日午後5時49分から流れるようです。皆さんチェックしてみてください。そして、渡辺静香をよろしくお願い申し上げます。
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